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猪島 尚子 院長の独自取材記事

ベルいやしの呼吸器内科・内科

(福岡市早良区/姪浜駅)

最終更新日:2023/01/13

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かわいらしい犬のロゴが印象的な「ベルいやしの呼吸器内科・内科」に入ると、呼吸器内科の医師の猪島尚子院長と、院長の愛犬たちが出迎えてくれた。猪島院長にとって犬は何よりも大切な存在だそうで、取材も愛犬たちを交えながら終始和やかに進んだ。犬をきっかけに開業し、犬を最優先に考えつくられた同院は、同じく犬をパートナーとする患者が安心して受診しやすいクリニックといえる。さらに働く女性や思春期の若者の悩みに対し、幅広い治療で応えているのが特徴だ。呼吸器の専門家として適切な診断に努めつつ、「悩んでいても仕方がないこともある」と、あえてストレートな説明で患者の心のつかえを取り去る。そんな快活な院長に、患者に対する想いや同院の特徴、さらに医師として現在に至るまでのストーリーを聞いた。

(取材日2022年12月6日)

犬が結んだ近隣住民との絆から生まれたクリニック

初めに、この地に開業した経緯を伺います。

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一言で言うと、飼っている犬がきっかけですね。というのも、私は昔は人が苦手で、仕事以外ではなるべく人と接しないように暮らしていたんです。しかし犬を飼い始めてから、散歩のために外に出なければならなくなりました。すると犬が大きくて目立つこともあり、近隣住民の方にしばしば声をかけられるように。家にこもって生活するつもりが、気づけば犬仲間や知り合いがどんどん増えていったんですよね(笑)。そこから近所愛にめざめ、他者とのつながりを大切にするようになり、「自身の知識が役立つかもしれないから、近所の人が来れるクリニックをつくりたい」という考えから自宅の近くに開業しました。今では毎朝6時半に起床し、犬と一緒に近所の人のところへ遊びに行き、みんなで散歩をする日々を送っています。

医院に込めた思いや、内装などのこだわりも教えてください。

医院名の「ベル」は、私が以前飼っていたバーニーズマウンテンドッグの名前です。ベルから教えてもらった優しさや愛、地域を大事にする姿勢を忘れず、さらに当院を患者さんの癒やしの場として提供したいという思いをクリニック名に込めました。また、当院では盲導犬や聴導犬、介助犬の入室を許可しています。世の中にそうしたサポートが必要な人がいるにもかかわらず、ペット禁止の看板を掲げる医療機関が多くて驚いたんですよね。犬が来ても大丈夫な医院をつくることも開業理由の一つでしたので、どうぞ気兼ねなくご来院ください。内装に関しては、犬がいても破損などが生じないよう壁も床もタイル貼りにしています。あとは待合室に電気のフェイク暖炉を設置するほか、季節に合わせて院内を飾りつけて患者さんに楽しんでもらっています。

これからどんな医療を提供したいとお考えですか?

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クリニックなので入院が必要な検査はできませんが、大きな病院の呼吸器内科の外来でできる検査はすべて行えるように機器・設備をそろえました。CTやエックス線撮影装置のほか、肺機能検査に使う測定器なども導入しています。診療の際はエビテンスに基づき、適切な診断をつけた上で治療するのがモットーです。例えば喉風邪に対して喉に作用する薬のみを処方するのではなく、本当に喉風邪だけなのか、時間をかけてきちんと検査してから治療に入ります。まだ開業して間もないですが、ありがたいことに犬好きで頑張り屋さんのスタッフにも恵まれましたので、この幸せな職場で地域医療に貢献していきたいと思います。

頑張る女性のつらさや悩みに適切な治療と「癒やし」を

患者さんと接する際に心がけていることはありますか?

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病気や治療についての説明を行うときは、あえてオブラートに包まずわかりやすさを重視します。患者さんからもよく「物事をはっきり言う」と言われますね(笑)。ただそうしているのは、一人で考え込み、迷ってしまう方が多いからこそです。もちろん寄り添うべきお悩みには誠心誠意寄り添いますが、一緒に悩んでもどうにもならないことも中にはありますからね。「あなたにとって今はこれが必要」「今からタバコを吸わないこと。それ以外は何も考えなくていい」など、できることを指導するのが私のスタンス。そうしたコミュニケーションを通して患者さんの迷いを解消し、安心感につなげられたらと考えています。

よくある主訴や力を入れている治療は何ですか?

主訴は気管支喘息が多いですね。喘息の治療は風邪の治療とは異なり、吸入療法が基本となりますね。さらに発作がひどい場合は点滴をしたり内服薬を追加したりするなど、症状や程度に応じて柔軟に治療法を決定しています。また、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や間質性肺炎が悪化した場合の在宅酸素療法や在宅人工呼吸器療法も実施しているのが特徴です。呼吸器内科の医師だからこそ、経過をより専門的に診れる点はメリットといえるのではないでしょうか。あとは、美容皮膚科で若い方のニキビ治療も行っています。顔は他者からよく見られる部位ですし、特に10代にとって外見は非常に気になるものです。そこで見た目の悩みが解消されれば、気持ちも自然に上向くはず。そんな意味での「癒やし」をご提供したいという思いから、呼吸器以外の診療にも取り組んでいます。

患者さんは女性が多いそうですね。

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はい、30~40代を中心に、働く女性の方が大勢いらっしゃいます。その中には更年期障害でお悩みの患者さんもおられますね。実は45~60歳くらいの方は、保険適用でホルモン補充療法を受けることができます。しかしその事実を知らず、症状や日々の疲れを我慢しながら仕事や家事を頑張っている方が大半で、治療をご提案すると皆さん驚かれるんです。開業してから「更年期障害は仕方ないもの、我慢するもの」と捉えてしまっている患者さんの多さを実感しましたので、今後はマイナスイメージの払拭に努めつつ、さまざまな不調に伴うお肌のお悩みのご相談にも応じたいと思っています。

適切な検査・診断により肺がんなどを早期に発見したい

先生が医師をめざした理由や、呼吸器内科の医師としてのやりがいを教えてください。

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私の祖母は体が弱く、自分が医師になれば待ち時間なく病気を診てあげられると思ったのが理由です。残念ながら私がアメリカに留学している時に亡くなってしまったのですが、医師免許を取得した時はとても喜んでくれましたね。医局からの熱心な誘いを受けて選んだ呼吸器内科は、適切な診断を行えれば治療によって大幅な治癒をめざせます。エックス線撮影とCT検査によってほぼすべての病気を明らかにし、「この病気かもしれない」ではなく証拠がある上で診断をつけ、適切な治療へつなげられるのがやりがいです。そのため勤務医時代はひたすら検査・診断の技術を高めてきました。複数の医療機関で多くの患者さんを長年診療してきた経験は、現在のある程度の自信につながっています。

今後の展望をお聞かせください。

クリニックレベルでできる診断や治療はたいてい可能ではあるものの、抗がん剤治療などにはまだ対応しきれていないため、いずれ手を広げたいと思っています。例えば、肺がんは、エックス線検査では病変を見つけることはかなり難しいです。さらに非喫煙者の女性であっても、肺がんに罹患している方が少なくないのが実状です。幸い近隣病院に早期の肺がんに特化した治療を行う先生がおり、連携体制も整えていますので、当院のCTをもっと活用したり患者さんに啓発したりしながら早期発見・治療につなげたいですね。加えて、現在は新型コロナウイルス感染症の影響で、重症化して入院するとお見舞いに行けない状況です。人に会えず患者さんに寂しい思いをさせないためにも、入院しなくて済むよう対応したいと考えています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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働く女性に限らず、日々の生活の中で苦痛を感じている方は、ぜひ一人で悩まず当院へお越しください。新型コロナウイルス感染症流行下の現在では咳症状を理由に受診を断られてしまう場合もありますが、長引く咳は喘息が疑われます。処方された咳止めの薬では改善せず、詳しく検査を受けたところ喘息が判明するケースはとても多いため、当院でしっかり診断できれば幸いです。あとは更年期障害の患者さんで、治療法があることを知らずに困っている方にも来てほしいですね。適切な治療を受けられていない方にきちんと診断をつけ、治療を行うのが目標です。またCT検査に関しても「怖い」というイメージが先行して躊躇される方もおられますが、実際は不安なく受けられるよう努めますので、何か心配事があれば気軽にご利用ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

ニキビ治療/1500円~、緊急避妊ピル処方/7000円程度

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