不妊症の原因、治療の始め時とは
不妊治療の方法や流れを解説
ぎなんレディースクリニック
(羽島郡岐南町/岐南駅)
最終更新日:2023/03/23


- 保険診療
「子どもを授かりたい」と“妊活”に励む人にとって、なかなか結果に結びつかないことへの不安はとても大きく、「もしかして自分は不妊症では?」と悩む人も少なくないだろう。長年にわたって不妊治療の専門性を磨いてきた「ぎなんレディースクリニック」の牧野弘院長によると、不妊症を引き起こす要因はさまざまで、女性側に原因がある場合、男性側に原因がある場合、あるいは両者に原因が潜んでいる場合が考えられる。また、一口に不妊治療といっても方法はさまざまで、適した方法・タイミングで行うことが妊娠の可能性を高めるという。「不妊症に悩む人が気軽に相談でき、仕事をしながらでも不妊治療を受けられるように」と同院の開業を決意したという牧野院長に、不妊症について、不妊治療の流れや相談のタイミングの目安などを聞いた。
(取材日2023年1月19日)
目次
妊娠につなげるためにも早めのスタートが望ましい不妊治療。妊娠を望む人は気軽に相談を
- Q不妊症の原因として考えられる要素を教えてください。
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A
▲気軽に相談してほしいと語る牧野院長
原因は非常にさまざまで、女性側の場合、無排卵や黄体機能など卵巣や卵に問題がある場合、卵管の狭まりや詰まり、子宮筋腫や子宮腺筋症などによる子宮の異常や子宮内膜があまり良くない状態にあることなどが原因として考えられます。また、男性側の原因としては精子をつくる造精機能の低下や無精子症、精子の活動低下、精路の閉鎖、射精障害、内分泌ホルモン異常などが挙げられます。不妊症が疑われる場合、男女どちらか、あるいは両方に原因が潜んでいることが考えられます。ただ不妊症の原因は確定できるケースのほうが少ないため、むやみに原因検索に時間をかけるのではなく、必要な検査と治療を並行して行っていきます。
- Q不妊治療を検討する上での目安などありますか?
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A
▲落ち着いた空間で安心して受診できる
一般的にパートナーの方と1年以上にわたって性交渉があっても妊娠の兆しが見られなかった場合には、医療機関に相談することが推奨されています。ただ、あまり条件にとらわれず、妊娠を希望する場合はできるだけ早めに相談するのが望ましいです。年齢を重ねればそれだけ妊娠の可能性も下がります。特に30代後半ともなると、1年の差の重みはとても大きいです。40代以降は妊娠確率が非常に低くなるため、場合によっては治療の継続が難しいと判断することも。反対に若いうちから不妊治療を開始すればその分望む結果につながる可能性を高められるともいえます。タイミングを逃さないためにも気軽に相談していただきたいですね。
- Qクリニック選びのポイントを教えてください。
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A
▲通いやすく専門的な不妊治療を行えるクリニック
できれば専門的な不妊治療を行えるクリニックに相談するのが望ましいです。一口に不妊治療といっても方法はさまざまあり、たとえ婦人科クリニックであっても、タイミング法のみ応じているといったケースは珍しくありません。知識、技術など不妊治療を熟知した医師やスタッフがいるクリニックであれば、適した治療につなげやすくなりますし、患者さんにとっても心強いものかと思います。また、本格的に不妊治療を開始すると受診頻度も増えますので、クリニックの立地や診療時間なども考慮して、通いやすいと思うクリニックをお選びいただくのが良いかと思います。
- Q不妊治療はどのように進んでいくのでしょうか?
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A
▲相談しながら不妊治療を進めていく
まず、何が妊娠の妨げになっているのかを調べるため、月経周期に合わせてさまざまな検査を行います。当院では問診・治療歴などから必要な検査のみをご提案します。不妊治療のスタートは、まずはタイミング法です。フーナーテストが良好で検査で明らかな原因が認められない場合に行う方法で、超音波検査などによって排卵日を予測して、排卵予測日に性交渉することによって妊娠をめざします。フーナーテストが不良の場合やタイミング法で妊娠に至らない場合、人工授精を提案します。いずれも、おおむね3周期から5周期程度繰り返しても妊娠に至らない場合は、体外受精、顕微授精、胚移植などの高度生殖補助医療へのステップアップをお勧めします。
- Q不妊治療を行う上で工夫している点や特徴を教えてください。
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A
▲働く女性も通いやすい診療時間に設定されている
開業にあたり、タイミング法や排卵誘発、人工授精といった方法に加えて、体外受精や顕微授精、胚移植といった生殖補助医療を行える設備やスタッフをそろえました。院内には培養室があり、培養士も在籍しています。治療に伴う痛みやつらさをできる限り軽減できるよう、丁寧な処置を心がけています。また、働く女性にとって不妊治療のために会社を休んだり早退したりすることの負担は大きいと考え、当院では平日午後の診療時間を17時〜20時としましたので、お仕事帰りでも受診しやすいのではないでしょうか。不妊治療のために何かを我慢したり諦めたりしないよう、少しでもお力添えできたらと思っています。