歯列矯正が必要になる前に
0歳からの小児歯科受診でリスクを把握
こどもGROWオーラルセラピークリニック
(名古屋市昭和区/八事日赤駅)
最終更新日:2023/03/13


- 自由診療
わが子が口をポカンと開けているのを見て、「口を閉じて」と注意するが、また気がつくとポカンと口を開けている。何度言っても直らない癖に、口酸っぱくとがめることしかできない親も多いのではないだろうか。「口を開ける癖も、子どもが悪いのではありません。口呼吸が原因で、さらに突き詰めればもっと小さい頃に口呼吸になってしまう要因があったからです」と子どもを援護するのは、「こどもGROWオーラルセラピークリニック」の細川史磨子院長。さらに「口呼吸は歯並びの悪さにもつながり、呼吸が浅くなることで健康にも悪い影響を与えます」と警鐘を鳴らす。小児の歯科医師だからこそわかる歯並びを悪くする癖や口呼吸の原因について、細川院長に話を聞いた。
(取材日2022年12月20日)
目次
歯並びが悪くなる原因の一つ「口呼吸」。子どもの成長過程に潜む、口呼吸を誘発するリスクとは
- Q子どもの頃のお口の状態は、成長にどんな影響があるのですか?
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A
▲同院は小児専門の歯科医院として2022年に開業した
歯並びが悪いと、将来のお口の健康や体の健康に悪影響をおよぼす可能性があります。歯並びが悪くなる原因には、遺伝的要素以外にもさまざまあって、その一つが口呼吸です。赤ちゃんは本来鼻呼吸なのですが、授乳している間に口呼吸に変わってしまうことがあり、授乳の方法や姿勢、哺乳瓶であればその形状など、いろんなことが影響しているとされています。また離乳食の時期も口呼吸に影響します。舌の動きや飲み込みの成長度合いは月齢ではくくれませんが、離乳食の開始時期が早過ぎることなどが口呼吸を誘発する恐れもあります。歯が生え始めてからもアレルギーの影響で口呼吸になり、歯列に悪い影響を及ぼすケースもあります。
- Qお口が順調に成長するためには、どうすれば良いでしょう?
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A
▲小児矯正の器具や設備が整っている
各成長段階で気をつけなければいけない内容はたくさんあるので、当院では妊婦さんの時から注意点をお伝えし、生後も気になる要因があれば対処につなげます。例を上げれば、舌小帯といって、舌のひだが短いためにおっぱいがうまく吸えない赤ちゃんもいます。その場合、おっぱいに刺激が伝わらないので母乳も出にくくなります。お母さんとしては「自分の母乳の出が悪いのかしら」と自分が原因だと思ってしまいがちですが、実際は赤ちゃんのほうに原因があるのです。思い込みで母乳マッサージをするよりも、まずは小児歯科の専門家に診てもらいましょう。赤ちゃんのお口の中は、お母さんでは気づきにくいことがたくさんあります。
- Q家庭で気をつけることはありますか?
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A
▲細川先生が子どもの食育のアドバイスもしてくれる
顎の発達や口を閉じる筋肉を鍛えるという意味で、多く噛むことが大事です。やわらかい食べ物が多いと噛む回数が減りますが、かといってスルメなどを食べさせるということよりも、リンゴやキャベツの芯などを「かじり取る」というのを意識してほしいですね。たとえ離乳食の時期でも、赤ちゃんは唾液を出しながら歯茎でつぶすので、神経質に材料を刻まなくても大丈夫。唾液がたくさん出ることで、飲み込むという練習にもなっているんです。あと、おやつの食べ方ですが、おやつは、量や質、食べるタイミングなど、細かい注意点がいくつかあります。でも修行僧ではないので、小児歯科で情報を得てお母さんが臨機応変に与えてほしいと思います。
- Qこちらのクリニックではどのようなことができるのでしょうか?
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A
▲年齢に合わせたトレーニングを提供する
口呼吸は、唇を閉じる筋肉が弱いせいでなる場合と、鼻呼吸をするための横隔膜というおなかの筋肉がうまく使えていないのが原因でなる場合がありますから、状態を見極めてトレーニングをします。当院では、矯正が必要になる前の段階で、小児の口腔機能育成を目的としたトレーニングを行っています。これは、正しい発育を促し、歯並びが悪くなる前から、もしくは歯並びが悪くなった原因から治療していくもの。90種類あるトレーニングの中から選んで組み合わせ、0歳から年齢別にプログラムを設定しています。口呼吸が気になるのは2歳前後のお子さんに多いですね。口呼吸改善のための舌の体操やマウスピース型の道具を使う方法などもあります。
- Qまずは無料で相談ができると伺いました。
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A
▲無料で子どもの悩みに対して相談に乗ってくれる
当院のホームページ上で予約していただければ、個別で相談をお受けします。矯正についてや子どもの癖など、いろいろなお悩みがありますが、よくあるのが、矯正の開始時期について。歯科医院によって言われる開始時期が違うので戸惑っている方は多いですね。これは、各先生の考え方や矯正のやり方にもよるので、何が正しいとは言えません。当院は、歯並びが悪くなる前に予防し、原因があるなら根本的な部分を修正していきたいという考え方なので、0歳児から診ています。口呼吸だけでなく、歯ぎしりや姿勢についての相談も多いですが、これは顎が狭いことが原因かもしれません。まずは小児歯科で診てもらうと良いでしょう。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正(3~5歳コース)16万5000円~、マウスピース型装置を用いた矯正(6~9歳コース)55万円~、マウスピース型装置を用いた矯正(10歳からのTeenコース)80万円〜、処置料(毎月)1500円~5500円(通院方法による)※MFTは矯正コース費用に含まれています