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橋本 晋一郎 院長の独自取材記事

野津田耳鼻咽喉科アレルギー科

(町田市/鶴川駅)

最終更新日:2024/04/02

橋本晋一郎院長 野津田耳鼻咽喉科アレルギー科 main

オレンジと緑のビタミンカラーを取り入れた明るく開放的な院内が印象的な「野津田耳鼻咽喉科アレルギー科」。橋本晋一郎院長はめまいのエキスパートとして大学病院でめまいに特化した外来を担当していた経歴を持ち、今はその経験を生かして地域のかかりつけ医として耳・鼻・喉のさまざまな症状に対応している。日々、多くの患者が訪れる中、めまいの専門的な検査と適切な診断、治療はもちろんのこと、咽頭がんの早期発見にも努めている。常に新しい知識、検査機器、治療法を取り入れ、困っている患者の力になることで地域医医療に貢献したいと穏やかな笑顔で話す橋本院長に、専門であるめまいの診療や同院で受けることのできる診療について聞いた。

(取材日2024年2月20日)

専門のめまいを中心に、幅広く耳・鼻・喉の疾患に対応

まずはクリニックの歩みと特徴について教えてください。

橋本晋一郎院長 野津田耳鼻咽喉科アレルギー科1

もともと私は北里大学病院や町田市民病院でめまいを専門に診る外来を担当していました。この地域に耳鼻咽喉科が少なかったことと、より地域医療に貢献したいという思いから、2008年に当院を開院しました。耳鼻咽喉科には0歳からご高齢の方まで幅広い年齢層の患者さんがお越しになり、専門であるめまいをはじめ、慢性副鼻腔炎、急性中耳炎、アレルギー性鼻炎、睡眠時無呼吸症候群を原因とするいびき、喉の痛みなど、耳・鼻・喉に関するさまざまな症状に対応しています。感染症への対策も徹底し、クリニックの入り口には顔認証のサーモグラフィックカメラ、待合室と診察室にはオゾン発生装置を設置しているほか、待合室は入り口から発熱症状のある患者さんと一般の患者さんを分離し、患者さん同士の接触がないように工夫しています。

どのようなコンセプトで診療を行っていますか?

開院当初からのコンセプトとして、患者さんのご要望に応じた治療ができるよう、さまざまな知識や情報を積極的に取り入れることを心がけています。例えば、2017年にはインフルエンザ、溶連菌、マイコプラズマ、アデノウイルスの検出が可能な迅速検査装置を導入し、それまで1日以上かかっていたインフルエンザの診断がその日のうちにできるようになりました。新型コロナウイルスの検査にも早くから対応し、最近は、新型コロナウイルスとインフルエンザに感染していないか同時に調べることができる検査キットを導入。精度の高い検査を迅速に行っていければ、早期発見、早期治療にもつながっていくことにもなり、患者さんのメリットも大きいと思います。また、健康保険証の代わりにマイナンバーカードで受付が可能なマイナ受付も導入しています。

狭帯域光観察システムを搭載した電子スコープを導入されたそうですね。

橋本晋一郎院長 野津田耳鼻咽喉科アレルギー科2

狭帯域光観察システム搭載の電子スコープは波長を変えることで粘膜表層の毛細血管を描出するのに特化した内視鏡です。血管の異常を強調して映し出すことから、粘膜にできた早期がんの発見に有利で、当院では主に早期の咽頭がんの検査に活用しています。このシステムを用いた検査は、ご高齢の方や、喫煙、飲酒のリスクのある方で喉に違和感のある人に実施しています。検査の結果、早期がんが見つかった場合は、北里大学病院にご紹介をして適切な治療へとつなげています。今回この機器を導入したのは、地域内でできるだけ早く早期がんを見つけたいという思いからでした。同じことの繰り返しではなく、診療内容をどんどん更新していくことで、地域の医療に貢献していければと思っています。咽頭がんが心配という方や飲み込みにくさや喉に異物感があり検査を希望される方はお声がけください。

検査環境を整え、豊富な知識と経験で質の高い医療を

耳鼻咽喉科用のCTも設置されていますね。

橋本晋一郎院長 野津田耳鼻咽喉科アレルギー科3

当院では耳や鼻の奥、喉頭に違和感や不調がある場合や症状の経過観察に電子内視鏡を用いて診察しています。患部の状態をモニターに映し出し、丁寧にわかりやすく説明するよう心がけていますが、それだけでは見極めるのが難しい症状の場合は、耳鼻咽喉科用のCTを使います。一般のCTに比べて被ばく量が少なく、短時間で精度の高い検査ができるため、他院からの紹介でCT検査を受けに来る患者さんもいらっしゃいます。耳鼻咽喉科用CTは顔面や耳の立体構造を把握することができるため、副鼻腔炎や顔面骨骨折、中耳炎の確認に活用しています。

耳鼻咽喉科で行うめまいの診療について教えてください。

めまいというと脳の病気を思い浮かべる方が多いと思いますが、意外に耳鼻咽喉科で対応するものが多いんです。回転性のめまいや耳鳴り、難聴、耳閉感などを伴う時はメニエール病の可能性が高く、これは内耳の問題なので耳鼻咽喉科で診療します。ふわふわした感じや回転性、耳鳴りや難聴を伴う時は、まず耳鼻咽喉科を受診するといいでしょう。それに対し、体にまひが現れるような中枢性のめまいについては脳神経外科で診ていただく必要があります。当院に来られた患者さんで脳の病気を思わせる症状がある場合は必要に応じて速やかに近隣の大学病院などを紹介いたします。最近はめまいや耳鳴りに関するセカンドオピニオンや、患者さんからの紹介で遠方からご相談に来られる方も増えています。来院をきっかけに、長年つらい思いをされてきた患者さんに喜んでいただけたら、本当にうれしいです。

めまいのリハビリテーションに対応されているそうですね。

橋本晋一郎院長 野津田耳鼻咽喉科アレルギー科4

めまいの治療法はあまり多くなく、薬も限定的になってしまうのですが、当院では症状に合わせて漢方薬を組み合わせたり、リハビリテーションの指導を行ったりして、きめ細かに対応しています。例えば、三半規管の中にできた石が原因となる良性発作性頭位めまい症の場合は、その石を取り除くための頭の体操を指導します。慢性的なめまい症であれば、北里大学病院の勤務医時代に行っていた「めまいに対するリハビリテーション」のパンフレットをお渡しし、ご自宅で実践していただくようにお伝えしています。その他、疲れやストレス、不安神経症、睡眠不足などが原因となっている場合も多いので、患者さんのお話をよく聞き、生活背景などを踏まえながらめまいの原因を突き止めるよう心がけています。場合によっては抗不安薬を処方することもあります。

地域のかかりつけ医としてより良い医療をめざす

難聴の相談が増えてきていると聞きました。

橋本晋一郎院長 野津田耳鼻咽喉科アレルギー科5

2018年に医療費控除の対象となって以来、補聴器を利用する人は増えています。補聴器は慣れるまで調整に時間がかかりますが、聞こえるようになれば会話を楽しめるようになるなど、QOLの向上につながります。最近は、聞こえにくくなると人と接する機会が減り社会生活がうまくいかなくなることから、認知機能が衰え認知症発症のリスクが高まるため、中等度難聴の人には積極的に補聴器をつけていただくというのがトピックになっています。また、突発性難聴の場合は早期治療が重要ですので、聞こえづらさを感じたら、様子見などせず、できるだけ早く受診してください。

電子処方箋にも対応されているそうですね。

電子処方箋はこれまでの紙の処方箋ではなく、医療機関と薬局がオンライン上でやりとりするもので、患者さんが電子処方箋対応薬局に行き、マイナンバーカードを提示すると、薬局のパソコン上に処方内容が表示されます。このシステムを利用すれば、複数の医療機関で薬を処方されている人に当院が処方箋を出す際、その患者さんが別の医療機関で処方された薬の情報がわかるので、同じ内容の薬を重複して処方することを防ぐことができる他、飲み合わせなどを考慮してより適切に薬を処方することができます。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

橋本晋一郎院長 野津田耳鼻咽喉科アレルギー科6

耳鼻咽喉科の症状には治療に難渋するものもありますが、丁寧に患者さんの訴えに耳を傾けてきめ細かに対応するよう心がけ、患者さんのつらい気持ちに寄り添いながら、漢方を使って体質改善や症状の改善をめざすなど工夫をしています。当院ではアレルギー性鼻炎の場合、薬による治療の他、トリクロール酢酸という比較的強い酸で鼻の粘膜を焼く処置にも対応しています。また、睡眠時無呼吸症候群は、鼻や喉・扁桃との関わりが深いため、他科で睡眠時無呼吸症候群の治療を受けているが改善しない場合や、ご家族の方のいびきがひどく心配な場合などはご相談ください。今後も地域のかかりつけ医として、幅広いニーズに応えるため、新しい機器や知識、新しい治療法について積極的に学び、より良い診療を提供していきたいです。

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