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患者を中心にシームレスにつながる新たな医療
訪問診療と救急往診

あお在宅・往診クリニック

(豊中市/少路駅)

最終更新日:2022/07/22

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  • 保険診療

急速に高齢化が進む日本では、既存の医療システムを見直す必要に迫られてきている。中でも、在宅での医療や救急医療に関しては、利用者の急増が予想されることからも急務とされるだろう。豊中市西緑丘にある「あお在宅・往診クリニック」は、そんな医療の現状を打破するべく開設された在宅医療専門のクリニックだ。院長を務める池田光憲先生は、在宅医療と救命救急の2つの現場で豊富な経験を持つ医師。「高齢化が進む社会だからこそ既存の医療システムに頼ることなく、患者さんを主役とする在宅と救急を自然につないだ医療が必要」と、患者のもとに足を運び寄り添うことを選んだ。そんな池田院長に、同院が取り組む訪問診療と緊急時の往診について詳しく解説してもらった。

(取材日2022年6月15日)

患者を中心に、在宅医療と救急医療が自然なかたちでつながることをめざす

Q訪問診療とは、どのようなものなのでしょうか?
A
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▲患者に真摯に向き合い対応をしてくれる

訪問診療は、高齢や病気・障害などを理由に通院が困難な患者さんを対象に行います。われわれが患者さんのご自宅や施設を訪問して行うため、患者さんが移動する必要はなく、患者さんや介護者の心身の負担を減らすことができます。また、訪問診療では患者さんの全身を診ます。診療科で区別することはないので、慢性的な疾患から突発的な病状悪化まで幅広く対応していきます。必要に応じて歯科医師やリハビリテーションを行う作業療法士、薬剤師や栄養士とも連携を取り、チームの一員として患者さんの暮らしを支えることもあります。病院では積極的な治療が優先されますが、訪問診療が優先するのは患者さんの価値観やQOLの向上です。

Qこちらで取り組んでいる救急往診についても教えてください。
A
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▲感染症対策が必要な場面では徹底した対策で臨む

救急往診は、この地域にお住まいのすべての人が対象です。夜間や休日の急病やケガなど、体に対する困ったことが起きた場合にご連絡いただければ、迅速に患者さんのもとに向かい、必要に応じて処置や処方を提供します。日本には救急車もありますし、夜間対応の病院もあります。しかし、状況によっては利用をためらうこともあります。そんな時にご相談いただければ、訪問して診療することはもちろん、お電話でのアドバイスもできます。基本的に24時間365日対応していますので、心配なことがある場合には気兼ねせずお電話いただければと思います。

Q訪問診療と往診の違いについて教えてください。
A
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▲パンフレットも用いながらわかりやすく説明してくれる

訪問診療も往診も、患者さんのもとを医師が訪問し診療を行うという点については同じです。大きな違いは、継続的であるかどうかです。訪問診療では、患者さんご自身はもちろん、ご家族や介護者、ケアマネジャーと相談し、希望に沿った医療計画を立てて継続的に診療を行っていきます。一方往診は、継続性はなく一時的なものを指します。往診では「今ある症状」に対して対応するので、求められるものは「積極的な治療」であることがほとんどです。しかし、訪問診療はその限りではありません。継続性があるかどうかと同時に、求められる医療の質にも違いがあると思います。どちらが必要かはさまざまですので、まずは気軽にご相談ください。

Qこちらで取り組んでいる「シームレスにつなぐ新たな医療」とは?
A
4

▲シームレスにつなぐ新たな医療について語る池田院長

私は救命救急の医師として現場にいましたので、救急医療の素晴らしさをよく知っています。それと同時に、在宅での医療が持つ穏やかな時間も知っています。どちらも素晴らしいものですが、日本の現状でこの2つは相反するものと捉えられていると思います。しかし本当にそうでしょうか? 私は「すべての医療は患者さんを中心に自然につながるべき」と考えています。なぜなら医療とはシステムではなく、患者さんのためにあるものだから。そこで当院では在宅での救急対応を行い、患者さんやご家族のサポートに取り組んでいます。患者さんの思いに沿って形を変え自然に連携できる医療こそが、これからの日本に求められる医療の姿だと思うからです。

Q患者さんのご家族に知っておいてほしいことはありますか?
A
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▲患者の想いや価値観を医療面から支えていきたいと熱く語る

まずは「自宅や施設で受けられる医療があること」を知ってほしいと思います。元気な時にはなかなか興味が持てないかもしれませんが、頭の片隅に入れおくと、自分や家族の生き方を考える時、選択肢を増やすことができると思います。また、元気な時に「もしもの時、どんな医療を受けたいか」少しずつイメージするようにしてください。日本の文化では敬遠しがちな話題かもしれませんが、大切で前向きな話だと個人的に思います。生きることは大変な時もあるけれど、素晴らしいこと。どんな人も自由に生きていい。私は患者さんの想いや価値観を医療面から支えていきたいのです。より良い人生のために、私たちを活用してくださったらうれしいです。

ドクターからのメッセージ

池田 光憲院長

日本には素晴らしい保険制度があり、多くの人が救われていると思います。しかし、制度だけでは救いきれない「心」や「価値観」は、どこかに置き去りになっているように感じることが少なくありません。生きるということは想いを紡ぐことで、想いは重なって人生という美しいグラデーションを描きます。そのグラデーションの中でどう生きるか。その人らしい色合いの中で生きることができれば、それは一つの幸せの形ではないかと思います。私は医療者として、そんな患者さんのグラデーションに寄り添い、より鮮やかなものにするサポートをしたいと思っています。悩んでいる人がいたら、ぜひ気軽にご相談いただきたいと思います。

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