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川村 益彦 院長の独自取材記事

川村クリニック

(町田市/町田駅)

最終更新日:2021/10/12

川村益彦院長 川村クリニック main

1989年の開業以来、内科、整形外科の診療と在宅診療で地域医療を支えてきた「川村クリニック」。「診ていた患者さんを最期まで診たい」という思いで、開業と同時に往診を始めた川村益彦院長は、2017年2月にクリニックの近隣に「みどり訪問看護ステーション」を開設。川村院長は町田市医師会の要職を歴任しながら地域医療にも貢献し、現在は同医師会主導の「町田・安心して暮らせるまちづくりプロジェクト推進協議会」の会長としても活躍。地域の医療機関や介護従事者、行政と連携し、円滑な在宅医療に尽力する。開業29年を迎え、今もなお地域医療の発展に貢献し続ける川村院長に、訪問看護ステーションを立ち上げたきっかけや取り組み、今後の展望について語ってもらった。

(取材日2016年12月9日/再取材日2018年2月23日)

専門外来や在宅医療など特色を生かし、地域医療に貢献

こちらのクリニックならではの特徴を教えてください。

川村益彦院長 川村クリニック1

私は循環器が専門ですが、当院では内科・整形外科と消化器、呼吸器、糖尿病、神経内科専門の外来、禁煙治療、そして、在宅医療を行っていることが特徴ですね。患者さんからは内科的な相談だけではなく、整形外科的な訴えも多いため、整形外科の先生と一緒に診療したほうが患者さんにもメリットがあるのではないかと思い、整形外科の診療にも力を入れています。専門外来については患者さんのニーズを考え、各科の専門の先生に来ていただいています。また、月に1度管理栄養士による栄養相談では、糖尿病や脂質異常などの方に対して、外来診療ではなかなかできなかった細かい食事についてのアドバイスも行ったり、患者さんの幅広いお悩みに対応するようにしています。少しでも体の不調を感じる場合は、些細なことでも相談していただきたいですね。

日々の診療で大切にされていることはありますか?

やはりまずは患者さんの話をよく聞き、患者さんが不安に思っていることに対してはきちんと応えることです。患者さんが気にしていることにきちんと応えてあげないと、診療をしたということにはなりません。それから、当たり前のことではあるのですが、具合が悪いとおっしゃったときには、どんなに忙しくても手を抜かず、目で見て手で触ってという診察をしっかりすることを心がけています。また、当院の患者さんは比較的ご自分からお話しされる人が多いですが、中にはここに来ると焦るからとメモを持参してくる人もいるので、できるだけ「ほかにありますか?」と最後に一声かけるようにしています。

在宅医療では、どのようなことに力を入れているのですか?

川村益彦院長 川村クリニック2

開業から30年近くたち、私も年齢を重ねたことで、患者さんの痛みを実感としてわかるようになってきました。昔話をされる患者さんもいますし、長年のお付き合いからお互いの会話がスムーズにできるようになりました。当院の在宅医療を利用される方の多くが、長く通っていた方なので、これまで培った関係性があるからこそ、患者さんが不安に思っていることを察することができます。もちろん、在宅医療を機にお付き合いが始まった患者さんに対しても、お話をよく聞き、不安を取り除くように心がけています。プライベートな空間にお邪魔するので、失礼のないように細部まで心を配っていますね。在宅医療の良いところは、ご本人だけではなく、ご家族ともコミュニケーションを取れること。病院とは違い時間をゆっくり取れるので、患者さんやご家族とじっくり話せますし、ご家族の雰囲気もわかるので、こちらも会話の中で要望を察することができるのがいいですね。

より連携を取り合うため、訪問看護ステーションを開設

前回の取材から今までに、どのような変化がありましたか?

川村益彦院長 川村クリニック3

一番大きな変化は、2017年2月に当院の近くに「みどり訪問看護ステーション」を開設したことですね。勤務医だった私の父も、医師だった親戚も、私の周囲にいた医師は皆、往診に行っていましたので、今から約30年前の開業当時から当院のポリシーとして往診を行っていました。徐々に超高齢社会になり、在宅医療を受ける患者さんが増える中で、私たち医師だけではなく、ケアをする看護師の必要性を痛感するようになりました。地域の訪問看護ステーションと協力し合ってきましたが、自前の訪問看護ステーションがあるとより密に連携が取り合えますし、それによって患者さんと看護師、看護師とドクター、ドクターと患者さんの関係性が、より密接になると思ったのが開設のきっかけですね。

訪問診療による看護師の役割とは、具体的にどのようなものですか?

医師による定期的な訪問以外に、看護師が在宅医療を受ける患者さんのもとを訪れ通常のケアを行います。具体的には、体温や脈拍、呼吸や血圧などの測定、病状の観察、療養上のアドバイス、ターミナルケアなどを行い、主治医に病状を報告。ほかにも、主治医の指示に基づき、チューブ類の管理、服装の管理、褥瘡(床ずれ)の管理、点滴や血液検査なども可能です。また、リハビリテーションや介護方法のアドバイス・援助なども。緊急の場合は医師が出向けるよう、看護師と密に連携を図ることで、多角的に患者さんをサポートすることができると考えているので、より当院での訪問診療を充実させるために協力しあっていきたいですね。

実際に「みどり訪問看護ステーション」を開設されて、いかがですか?

川村益彦院長 川村クリニック4

看護師を通して患者さんの情報が詳細に伝わってきますし、体調の変化などがある場合、早めに対処できるのが良いですね。当院で訪問診療を行う方はもともと当院に通院されていた方を中心に、病院を退院した患者さんがケアマネジャーから紹介されて利用するようになったなど、さまざまです。当院と、当院が運営している訪問看護ステーションで連携していますから、利用者の方々にも安心できると言っていただけます。開設から1年ほどがたち徐々に患者さんも増えてきたので、こちらも体力をつけなくてはと思っています。

地域の在宅医療の発展をリードする存在に

地域包括ケアシステムを見据えた地域連携は、どのように取られていますか?

川村益彦院長 川村クリニック5

現在は町田市医師会が主導して行っている「町田・安心して暮らせるまちづくりプロジェクト推進協議会」の会長として、行政と連携して地域の医療介護の発展に尽力しています。具体的には年に4回ほど同協議会を開催して、訪問看護ステーション、ケアマネジャー、介護事業所の方など、さまざまな職種の方との連携を図るようにしています。また、年1回は実際に医療・介護に携わる方向けの勉強会を行い、ほかにも年1回は、一般の方向けに在宅医療に関するアピールイベントも開催して、町田市全体で地域医療水準の向上をめざしています。

今後のクリニックの展望についてお話しください。

超高齢社会を迎え、今後ますます在宅医療を受けられる患者さんが増えていくので、私たち地域のクリニックが患者さんたちの受け皿として、しっかり機能していかなくてはと思っています。介護・福祉の方が一生懸命やってくださっていますが、どうしても医師は人数が限られており、なかなか手が回らない部分も。しかし、30年近く在宅医療に取り組む者として、当院が周りのクリニックの目標になれるように、地域の在宅医療の発展に力を入れていけたらと思っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

川村益彦院長 川村クリニック6

いざ在宅での医療や介護が必要になったときのために、普段からなんでも相談できる話しやすいかかりつけの先生を見つけておくといいですね。お互いに相性もあるので、医師になんでも話して、相性が合うクリニックを見つけて、長く付き合っていただきたいです。また、医師と良好な関係を築くことも大切ですが、自分で体を守ることも大切。例えば、食事や生活習慣に気をつけたり、適度な運動も取り入れることもいいでしょう。私は十分な睡眠時間を取り、ジムで運動もしていますよ。ぜひ皆さんも、一度、ご自身の生活を振り返ってみてください。そして、体について気になることがあれば、どんな些細なことでも気軽に相談してくださいね。

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