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全身の神経を診る脳神経内科で
しびれの原因を突き止める

ふせや内科小児科

(各務原市/高田橋駅)

最終更新日:2023/06/26

ふせや内科小児科 全身の神経を診る脳神経内科で しびれの原因を突き止める ふせや内科小児科 全身の神経を診る脳神経内科で しびれの原因を突き止める
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しびれがあってもすぐに受診する人は少ないかもしれない。だが、中には脳卒中や糖尿病、脊椎症などの病気が隠れていることもあり、そういった隠れた病気がないかを早めに調べておくことは大切だ。「しびれは、神経と関わっているため、しびれがある部位が悪くなっているのではなく、その領域の神経に原因があることが考えられます」と話すのは、日本神経学会神経内科専門医である「ふせや内科小児科」の伏屋公晴院長。頭から手足の先まで張り巡らされた神経のどの神経が傷んでいるのかを調べる脳神経内科だからこそ、検査や問診、医師の経験値から全身の疾患との関連も把握することにつながるという。関連する神経を丁寧に特定していくことを得意とする脳神経内科でのしびれ治療について、詳しく話を聞いた。

(取材日2023年4月4日)

日常生活の中にある神経を痛める動作が、しびれを引き起こす場合も。早めにしびれに対処しよう

Qしびれの原因にはどんなものが挙げられますか?
A
ふせや内科小児科 日本神経学会神経内科専門医の伏屋院長

▲日本神経学会神経内科専門医の伏屋院長

しびれの原因は、中枢神経である「脳」と「脊髄」、全身に張り巡らされた「末梢神経」の3つに大きく分けることができます。診察する上で最も重要なことは、しびれの原因がこれらのどの部位によるものなのかを判断することです。症状の経過、しびれの領域、筋力低下の部位、筋肉の萎縮などの情報からどの部位の障害かを考えていくことになります。そのためには人体の神経解剖をしっかりと覚えておくことが必要です。その点、知識と経験が重要といえます。この箇所のしびれであったら、この脊髄の領域、この末梢神経とか常に考えながら診察しています。どのような病気でもそうなのですが、診断がつかないと治療はできません。

Q末梢神経のしびれにはどのような疾患が潜んでいるのでしょうか?
A
ふせや内科小児科 しびれの部位などから疾患が区別できると話す

▲しびれの部位などから疾患が区別できると話す

例えば手のしびれで一番多いのが手根管症候群です。これは絞扼性の末梢神経障害の一つで、手首の真ん中にある手根管に炎症が起きて、そこを通る正中神経に障害が出てしびれが起きます。手のしびれがあると脳梗塞なども心配になると思いますが、小指がしびれていないのであれば、手根管症候群の可能性が高いです。ほかに、肘にある肘部管に炎症が起きる肘部管症候群や、足の腓骨神経が圧迫されて足の甲にしびれが出る腓骨神経麻痺などがあります。それぞれ、しびれの箇所などからあたりをつけていきます。その他、糖尿病、膠原病、甲状腺機能低下症、ビタミン欠乏症などは多発性に神経障害を来すことがあり、多発性の場合は注意が必要です。

Q検査や診断はどのように行いますか?
A
ふせや内科小児科 問診と検査により傷んでいる神経を特定することが大切

▲問診と検査により傷んでいる神経を特定することが大切

末梢神経障害を考えた場合は、当該領域の感覚障害や筋力低下、筋萎縮などを評価します。医療用のハンマーで腱反射を確認したり、末梢神経の走行に沿って叩き、しびれが誘発されないかなどを確認します。神経伝導検査や筋電図検査により、神経と筋の電気伝達に異常がないかを評価できますので、必要に応じて検査可能な医療機関を紹介します。脳や脊髄の疾患を考えた場合はMRIにて検査することとなります。当院では、オープン型MRI装置を使用していますから、閉塞感も少なく、音も静かなので、初めての方でも苦痛が少なく検査が受けられると思います。この場合も脳や脊髄のどの領域の障害なのかを考えながら調べることが重要となります。

Q治療についても教えてください。
A
ふせや内科小児科 症状に合わせた薬を処方する

▲症状に合わせた薬を処方する

末梢神経障害の場合、神経を保護するためのビタミン製剤や血流を良くするための薬などを使い、症状が強い場合は神経障害性疼痛に使用する鎮静薬を使います。さまざまな薬を適宜使いながら、症状の緩和を図っていきます。例えば冷えや天気によりしびれが強くなる場合などは漢方薬も使用することがあります。薬の処方と同時に、それぞれの疾患に応じた日常生活での注意点も伝えます。例えば、手根管症候群であれば、重いものを持たないとか、手首の曲げ伸ばしの繰り返しで負担をかけないようにするなどですね。症状が強い場合は手術することもあります。脊髄が原因であれば、コルセットを作り、いい姿勢を保つことが重要です。

Qしびれがある時の注意点や予防法はありますか?
A
ふせや内科小児科 小さなしびれや違和感でも気軽に相談してほしい

▲小さなしびれや違和感でも気軽に相談してほしい

末梢神経障害や脊髄疾患でしびれがある時は、まず安静にして、しびれを引き起こす動作を減らすことが大切です。同じ動きを繰り返す裁縫やパソコンのキーボード入力、うつむいてスマートフォンを見る、脚を組むなど、日常生活の中にしびれを引き起こし得る動作はたくさんあります。しびれを放置していると神経の障害が進行し、脱力や筋萎縮につながります。ふらつきが生じる恐れも。そうなると転倒の原因になり、高齢者などは危険です。頸や腰の不具合が原因のしびれの場合には姿勢が大事になってきますので、姿勢を正すためにサポーターやコルセットなどを用いるのも良いでしょう。姿勢が悪いと椎間板ヘルニアなどはどんどん悪化してしまいます。

ドクターからのメッセージ

伏屋 公晴院長

脳神経内科では、脳・脊髄・神経・筋肉に関わる病気を症状経過と所見から診断していきます。足のしびれがある場合に、「膝から下です」と言う方が多いのですが、足の甲や指の間など具体的な場所を伝えていただけると適切な診断につながります。日中にしびれはないけれど朝に強く現れるとか、歩いているうちにしびれが強くなる、じっとしていると強く現れるなど、どういう時にどのようにしびれるのかも診断の参考になります。しびれに対してどこが障害を起こしているのか、隠れた病気がないかを、これまでの経験からしっかり考えていきますので、どんな小さなしびれや違和感でもご相談いただければと思います。

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