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先天性心疾患や川崎病など
子どもの循環器疾患と注意するポイント

いのうえ小児科

(西宮市/夙川駅)

最終更新日:2022/03/09

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  • 保険診療

妊娠・出産を無事に終え、これからは子育てに励もうと幸せを噛みしめていたのもつかの間、赤ちゃんがミルクを飲まない、体重が増えないなど、新生児期の思わぬトラブルに不安を抱いている母親もいるに違いない。ここで気になるのは、心臓の構造や働きに何らかの問題がある小児循環器疾患の可能性。先天性、後天性にかかわらず、ケースによっては早急な入院や手術が必要となるため、親としては決して見過ごせない事態といえるだろう。そうした子どもの心疾患に長く携わり、豊富な経験を有しているのが「いのうえ小児科」の井上智弘院長。小児循環器疾患の基礎的な知識や治療の概要、親が留意すべきポイントなどを専門家の立場から詳しく解説してもらった。

(取材日2021年11月8日)

子どもの心臓病を見逃さず、早期治療につなげるのが小児科の重要な役目

Q子どもの循環器疾患には、どのようなものがありますか?
A
1

▲井上先生は小児の循環器を専門としてきた

循環器疾患といえば主に心臓病を指しますが大別して3つのタイプがあり、生まれつき心臓の構造や機能に異常のある先天性心疾患、心臓の冠動脈に病変がある川崎病、学童健診などで見つかる不整脈や心筋症がその代表となります。先天性心疾患で多いのは左心室と右心室を隔てる壁に穴が開いている心室中隔欠損症や左心房と右心房を隔てる壁に穴が開いている心房中隔欠損症です。また左右の心室のどちらかが心臓ができあがる過程でうまく形成されなかった単心室症もあります。一方、後天性の代表は川崎病と呼ばれる病気で発症数は年々増加傾向にあります。川崎病は多様な要因があると言われていますが、はっきりとした原因はまだ特定されていません。

Q先天性心疾患では、どのような症状が起こりますか?
A
2

▲親子ともに安心して通えるための工夫がされている

およそ100人に1人、年間約1万人の赤ちゃんが先天性心疾患で生まれており、そのままでは正常な血液の循環ができず、生命に危険が及ぶ可能性があります。治療は手術が基本で、生まれてすぐに手術が必要なケースもあれば、数ヵ月から半年ほど待って手術を行うこともあります。近年は胎児エコー(超音波検査)の発達により、お母さんのおなかの中にいるうちに診断がついて、あらかじめ手術態勢の整った病院で出産するケースが増えています。しかし中には出生後に初めて気づく場合もあり、赤ちゃんがあまりミルクを飲まず、体重が増えない、顔色が悪いなどの症状があれば要注意です。そのような症状があれば、ただちに小児科を受診してください。

Q川崎病の症状や治療法などを教えてください。
A
3

▲早期受診の重要性を語る井上先生

川崎病は血管の炎症の病気で主な症状は発熱です。1〜2歳前後のお子さんが熱を出し、4、5日間ずっと熱が高いまま目や口が赤くなりブツブツが出てくるようなら川崎病の疑いがあります。早期のうちに診断と治療を行い、9日目までに熱を下げてあげることが重要です。早めに熱を下げないと冠動脈に瘤が形成され、血栓ができやすくなり冠動脈が詰まってしまい時にはバイパス手術などが必要となります。治療のメインは過剰な免疫反応を抑えるための治療で病院での入院が必要です。川崎病は原因すらわからないため予防の手立てはありませんが、後遺症を残さないためにも発熱が続いている場合は早期の受診で川崎病を見逃さないことが何より大切です。

Q貴院では、どのようなことができますか?
A
4

▲検査機器も充実している

入院治療や手術はできませんが、病気を見逃すことなく適切な病院へ送り出すのは小児科クリニックの大切な役割です。診断の基本となるのはエックス線やエコー、心電図などによる検査で、高性能な装置ほど精密で高画質なデータが容易に得られるため、当院でも新型の機器を導入して正確な診断に努めています。また、お子さんが胸の痛みを訴える場合、ほとんどは成長期に起こる肋骨周辺の軟骨や筋肉の一時的な炎症が原因ですが、中には心臓や肺に原因があるケースもあります。循環器が専門でなくても小児科クリニックであれば子どもの心疾患や川崎病の知識を必ず備えていますから、近くの小児科で早めの受診を心がけるようにしてください。

Qお母さん、お父さんが注意すべきポイントを教えてください。
A
5

▲なんでも相談できるような関係性を築いていきたいと語る

子どもの循環器の病気は一般の方には判断が難しいため、親御さんが自分で病状を見極められる余地はほとんどありません。不安を感じたら、まずは早めにかかりつけの小児科に相談することが大切です。体重が増えない、ミルクの飲みが悪いというのは、赤ちゃんにとっては一大事。何らかの病気があると考えるべきでしょう。こうした症状があれば、必ず心臓病のチェックを行うことが小児科では常識となっています。幸いなことに、赤ちゃんの場合は健診や予防接種など、小児科を受診する機会がたくさんありますから、日頃から健康チェックを兼ねてクリニックを利用し、ちょっとした相談ができる関係を築いておくことも大切なポイントですね。

ドクターからのメッセージ

井上 智弘院長

私は大学病院を中心に小児の先天性心疾患や川崎病の治療に長年携わってきました。その経験を生かし、2021年9月に自分のクリニックを開業することになりました。これからは地域の皆さんのご負担や不安を少しでも減らすべく、心のこもった小児科診療でサポートさせていただきたいと考えています。お子さんに心臓の病気があると聞けば、特に先天性の場合は親御さんのショックも大きいことでしょう。それをしっかりと見定め、「早めに見つかって良かった」と思っていただくことも私たちの重要な使命です。大切なお子さんの生涯にわたる健康のためにも、少しでも気になることがあれば小児科クリニックに気軽にご相談ください。

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