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井上 多恵 院長の独自取材記事

多恵皮ふ科

(蕨市/戸田駅)

最終更新日:2022/09/08

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蕨錦町の大型ショッピングモール内に2021年に開業した「多恵皮ふ科」。広々としたきれいな院内には、病院同等の設備がそろい、小手術や美容面の施術ができる手術室も設けられている。「子どもたちが緊張しないように」と、かりゆしウェアに身を包む井上多恵院長は、その気遣いからもわかる優しく頼もしい人柄。院長のキャラクターに加えて、大学病院や地域の基幹病院での豊富な経験を生かした幅広い診療内容も特徴としており、多くの患者が訪れている。診断の難しい乾癬(かんせん)など、専門性の高い分野の啓発にも力を入れているという院長。その原動力はどこにあるのか。診療に対する考えや、充実を図る設備のことなどを広く話を聞いた。

(取材日2022年8月10日)

治療の選択肢を広げるため、設備の充実を図る

2021年に開業して1年たちましたが、どのような患者さんがいらっしゃっていますか?

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地域の方を中心に、赤ちゃんからお年寄りまで幅広い層の患者さんがいらっしゃいます。この蕨周辺は皮膚科クリニックがあまりないこともあって、たくさんの方に来ていただけています。当院はショッピングモール内にあるので、買い物のついでに受診できますし、駐車場は雨に濡れずに入店できる造りで、お子さん連れでも来やすいのではないでしょうか。さらに薬局も併設しており、医薬連携ができる体制も整っています。発熱をしている方は薬局と連携し、駐車場で薬を受け取ることも可能です。主訴としては、お子さんはイボがとても多く、ほかに湿疹などの一般皮膚科の症状、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー症状で受診される方も多いです。美容面の診療では、ショッピングモール内という気軽さもあってか、10代から80代まで幅広い年代の方がご相談に来られ、男性も少なくありません。

対応している症状がとても幅広いですね。

一般皮膚科のほか、アレルギー科では重度のアトピー性皮膚炎や薬疹にも対応しています。いくつかの検査が必要となりますが、注射で投与する生物学的製剤やJAK阻害剤などのお薬の処方も行っています。パッチテスト、プリックテストといったアレルギーの検査や、スギ花粉症の脱感作療法、膠原病診療も対応できます。開業前に勤務していたさいたま赤十字病院での経験を生かせるように、大規模病院レベルの診療をめざして設備もそろえました。その他、フットケアも行っています。

院内の設備や機器も充実しているそうですが。

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もともと私が家電オタクということもあって、良さそうな医療機器を見ると胸が高鳴るんです(笑)。勤務医をしていた頃は、予算との兼ね合いで申請するのが大変で、そこでのフラストレーションがたまって自分が開業する時は好きなだけ導入しようと考えました。悩まれている方も多いしみ治療の機械や、イボやほくろ切除をする機械、赤ら顔やニキビ痕など治りにくく悩みやすい病態に対応するために入れた機械もあります。設備をそろえることで治療の幅が広がり、保険と自費をうまく組み合わせて、その方に合った方法を提案できるようになるんです。また、患者さんがご自身の症状をしっかり確認できるように、特殊な拡大鏡も用意し、パソコンと連携してモニターに映し出しています。患部を見ることで、治療を続ける意欲にもつながると考えています。

専門性の高い治療も、親しみやすい雰囲気の中で

先生の診療方針を教えてください。

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まずは正しく診断すること。超音波検査などを含め、さまざまな機器を用いて必要とされる検査を行っています。そして、その人の生活環境、状況に合った治療法を提案すること。問診によって、週に来られる回数、薬を飲めるタイミング、どれくらいきれいに治したいか、周囲にわからないように治療をしたいかなどを聞き、患者さんの状況や希望を踏まえて、たくさんある選択肢の中からその方に合った治療法を提案します。もう一つ、治療において早く治すことも心がけています。実は早く治すことをめざした治療というのは患者さんから苦情が出ることもあるんです。当院はお子さんのイボの治療がとても多いですが、他のクリニックに比べると液体窒素が強力で痛みもあると思います。ですが、それによって通院回数を減らせます。少しつらいかもしれませんが、早く治すための手段としてご理解いただけるとうれしいです。頑張ったお子さんにはおまけも用意していますよ。

診療の際の工夫も多いようですね。

お子さんが泣いて診察室に入ってくれないこともあったため、小児科や精神科の先生のように白衣をやめて、沖縄のかりゆしウェアで診療を行っています。SNSやブログなどでは治療のことだけでなく私生活の話を公開して、親しみやすい雰囲気を感じ取ってもらえるようにしています。併せて、SNSで情報を共有したり、SNSからの予約もできるようにしています。インターネットを使わない方の枠も設けていますので、直接来ていただいて順番予約も可能です。

今後力を入れていきたい診療内容などはありますか?

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乾癬という病気の啓発に力を入れていきたいと考えています。さいたま赤十字病院に勤務していた時に生物学的製剤を扱っていた関係もあって、当院では乾癬の治療に生物学的製剤を用いています。乾癬は皮膚だけでなく関節にも症状が出るため、受診するのは皮膚科なのか内科なのか整形外科なのかと、迷ってそのままにしている方も少なくありません。関節の症状だけを訴えて整形外科に行ったとしても、乾癬とは診断されず正しい治療に進めないケースもあります。迷走している患者さんを救うためにも、乾癬という病気を知っていただけるようにイベントや講演会などを開いていきたいと考えています。

クリニックで完結できるよう病院レベルの診療をめざす

先生は開業前、どのようなご経験を積まれましたか?

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秋田大学医学部を卒業後、同大学で分子生物学の研究をしていました。ただ私は普通のサラリーマンの家庭で金銭的余裕がなかったため、昼は大学病院で診療をして、夜に深夜まで研究をするという生活を5年ほど続けました。主にがん抑制遺伝子の研究に従事し、アメリカのがん専門誌に論文を掲載できたことを区切りに、結婚をして子ども2人に恵まれました。結婚を機に埼玉に移住し、さいたま赤十字病院に勤務します。今まで研究三昧でしたが、ここで臨床経験を積み、40歳で皮膚科部長になった頃にはさまざまな診療に関わることができました。もともと開業は考えていなかったものの、このメディカルモールの案内が届き、家からも近い蕨だったために開業を決意。ちょうど開業した年と娘の中学校受験が重なり、とても大変でした。

もともと医師を志したのはどんなきっかけがあったのでしょうか?

実はあまり医師にはなりたくなかったんです。がんなのにがんじゃないと言ったり、治らないのに治ると言ったり、偽善的なイメージを持っていました。ただ親から資格を取ることを勧められて、反発しながらも高校3年生の10月というギリギリな時期に医学部への進学を決めました。実際医学部に進むと、秋田大学はいろんな職業を経験した人や年齢が上の人もいて多様性があり、下宿生活をしている学生も多かったので、とても楽しく過ごすことができました。

最後に今後の展望をお聞かせください。

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診療面で必要な設備はだいぶそろえられましたので、今後は運営システムを改善していきたいと考えています。現在、順番予約制を取っていますが、数秒で予約が埋まってしまう日もあり、診ることのできない患者さんが多くなってしまっている状況です。スムーズに診療できるシステムを設けたり、看護師、看護助手が説明できる部分は任せたりと、患者さんを多く受け入れられるようにしたいと思っています。また今は、どうしても病院に勤務する医師に負担が行きがちです。開業するときに設備を整えたのには勤務医の負担を減らしたいという思いもありました。クリニックでできることをクリニックで行えるように、運営システムを含めて、院内の体制を整えていきたいと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

しみのケア/1ショット1100円~ ニキビ痕のケア/全顔2万2000円
巻き爪矯正/5500円~

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