CAD/CAMシステムを活用
短時間で仕上げるセラミック治療
本家歯科医院
(大阪市北区/天満駅)
最終更新日:2024/08/09
- 自由診療
虫歯や欠損した歯の再建に使用する補綴物。保険診療の補綴物と自由診療の補綴物に違いがあるとは知りながらも、どこがどう違うのか、あまり明確に理解できていないということはないだろうか。その違いは審美面だけではなく「金属歯はセメントと呼ばれる接着剤がもろく、二次虫歯になるリスクが高い」と教えてくれるのが、北区扇町に開院する「本家歯科医院」の本家慶洋(ほんけ・よしひろ)院長。金属歯は強いのでほぼ割れないが、セメントが数年で劣化しやすく、劣化した隙間から細菌が侵入すると、そこから虫歯になる。状態が悪化し抜歯に至らないために、セラミックの補綴物を勧めているという同院では、セラミック治療にCAD/CAMシステムを導入している。その特徴と治療の考え方について、じっくりと聞いた。
(取材日2021年10月7日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q保険診療の補綴物とセラミックでは、どんな点が違いますか?
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A
歯に詰める際に使用するセメントと呼ばれる接着剤が違います。保険診療に多い金属歯のセメントは、大体2、3年で劣化が始まります。劣化すると剥がれてくるので、そこに隙間ができて中に細菌が入り込み、虫歯になる。いわゆる二次虫歯ですね。エックス線で見ても、金属の中は透けないため気づきにくいのですが、金属歯を剥がすと虫歯になっている方が多いのです。セラミックの補綴物は割れやすいというリスクがありますが、金属歯と違って科学的に歯にくっつけている状態なので、取れにくく、割れたとしても、中が虫歯になっている状態はあまり見かけません。虫歯は削って治療をしますから、どんどん自分の歯を削っていくことになります。
- Qこちらでは、セラミックを最短1日で入れられるそうですね。
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A
歯の状態によりケースバイケースですが、虫歯や歯周病などの問題がなければ、最短1日で仕上げることができます。当院ではセラミック治療のためにCAD/CAMシステムを導入しています。スキャナー、ミリングマシン、ファーネスという必要な機械がすべて院内にそろっているため、時間が短縮できます。まずは、CAD/CAMシステム対応かどうかを、初診で診断するところから始まります。当日の流れとしては、軽度の虫歯治療や、金属歯の補綴物があればそれを取り除き、形を整えてからスキャニングまでで30分、そこから歯科技工士に渡して、設計・削り出し・研磨に2、30分。できあがったセラミックを装着するのに30分程度で終了です。
- Qこちらでのセラミック治療の特徴について教えてください。
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A
CAD/CAMシステムを導入していることと、カウンセリングをしっかりと行うことです。私は、話すことはとても大事だと思っています。すべての患者さんが満足してくれる治療、というのは難しいかもしれませんが、できるだけ患者さんの要望を伺って、患者さんの希望をもとに治療計画を立てるので、セラミック治療だけを押しつけたりはしません。また、当院では取り扱っている数種類のセラミックについては、すべて同じ価格にしています。歯ぎしりなどで硬いセラミックのほうが適していると判断した方には、ジルコニアをお勧めします。その場合、1週間程かかりますが、患者さんに合ったセラミックを入れさせていただくように心がけています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1カウンセリング
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個室のカウンセリングルームで、スライドを見ながら歯科衛生士によるカウンセリングを受ける。治療にはどのような選択肢があり、それぞれにどんな利点や欠点があるのかの説明や、治療中に痛みを感じたらどうするか、予約の取り方などのアドバイスもある。治療についての不安や希望があれば、ここで話しておこう。
- 2検査
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歯周ポケット検査や歯肉の診査、歯の動揺度の検査、パノラマエックス線撮影と一眼レフカメラによる口腔内写真撮影など、一般的な検査を受ける。この検査をもとにCAD/CAMシステム対応かどうかが判断される。歯周病が進んでいたり、重度の虫歯がある場合などは、そちらの治療を優先するためすぐにセラミック治療に入れないこともあるそうだ。
- 3スキャン・設計・研磨
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再来院。ここから、セラミック治療がスタートする。スキャナーでの口腔内スキャンでは、自分の歯型が3D画像で確認でき、治療場所の説明を受ける。データは院内ラボの歯科技工士に渡され、設計と研磨へ。歯ぎしりや食いしばりの強い患者には、硬いジルコニアなどを勧めるそう。その場合は、セラミックを焼いて成形するため、できあがりに1週間ほどかかることもあるそうだ。
- 4詰める
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できあがったセラミックが院内ラボから運ばれる。ここまでが同日の場合は、麻酔を使用しているため詰める作業もスムーズだ。同院では、汚染物質を吹き飛ばすためのサンドブラスト処理を行っており、清潔な状態での作業を心がけている。接着面もきれいなまま作業できるため、結果的に虫歯になりにくいというメリットにもつながるそう。
- 5定期的な通院
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3ヵ月後の来院予約を取り、帰宅。都合がつかなければ、後日、電話予約をしてもよい。セラミックを装着して特に生活を変える必要はないが、普段の歯磨きや手入れは十分に行おう。3ヵ月後の検診で、プラークのつき具合などを見て、以後の通院間隔が変わることも。「きれいな状態の人は、半年ごとの検診でもいいので、患者さんしだいです」と院長。セラミックをきれいな状態で長持ちさせるためのアドバイスもしてくれる。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックIn/4万9500円、セラミックCr/8万8000円〜
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。