自分らしく過ごすために
生活や症状に合わせた関節リウマチ治療
西尾久リウマチ整形外科
(荒川区/荒川車庫前駅)
最終更新日:2024/03/19
- 保険診療
関節リウマチに対し、現在は免疫異常の改善、痛みの緩和、関節の腫れ・痛みの緩和など、目的に応じてさまざまな治療薬が登場している。それだけに、リウマチ分野の専門家による適切な診断のもと、患者の病状・悩みに合った薬の処方が重要と話すのは、長くリウマチ分野の治療と研究に携わり、日本リウマチ学会リウマチ専門医でもある「西尾久リウマチ整形外科」の王興栄院長だ。「加えて、整形外科的なリハビリで筋力や関節の可動域を維持し、患者さんが少しでも楽に生活できるような支援も必要です」。そこで、現在同院で行っている薬による治療と整形外科的なアプローチのトータルな診療の流れをレポート。現在治療中で、転居や通院の不便さ、治療の考え方の違いなどで、別の医療機関を探している人もクリニック選びの参考になるだろう。
(取材日2023年1月26日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qこのクリニックの関節リウマチ治療の特徴を教えてください。
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A
問診、血液検査・尿検査、関節の炎症を捉える関節エコー検査などで適切に診断し、その方の病状や悩みに応じて、現在数十種類ある治療薬から適したものを選んで治療を行います。内服薬、注射薬のほか、院内の外来化学療法室では点滴治療にも対応可能です。リウマチ分野の専門家として、次々と登場する新薬も導入し、新たな治療を患者さんにお届けできるよう努めています。加えて、当院に設置したリハビリテーションルームでは、理学療法士による運動療法も提供。病気の進行や痛みなどを抑えるための薬と、筋力と関節の可動域の維持をめざすためのリハビリが、患者さんのQOL(生活の質)の向上につながると考えています。
- Qリハビリでどんな効果が期待できますか?
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A
腫れたり変形したりした関節の周りは筋力が落ちやすく、筋肉の動きに独自の癖がつくこともしばしば。全身のバランスが崩れ、ほかの部位にも痛みなどが出る可能性も考えられます。リハビリで筋力を回復・維持し、動きの癖を戻すことで、日常生活が少し楽になることが期待できます。それでも関節が動かしづらい場合は装具を利用する方法もありますから、併せて検討いただくといいでしょう。当院には理学療法士と作業療法士が在籍し、関節リウマチの患者さんに適した運動療法を提供しています。また、関節リウマチは骨粗しょう症と高い確率で合併するため、その点でも筋力の維持は非常に重要です。
- Q内科的治療と整形外科的アプローチを重視されるのはなぜですか?
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A
骨粗しょう症などの、関節リウマチと合併しやすい病気を適切に診断・治療し、関節の腫れや変形、痛みなどの症状に痛み止めを打つといったように、患者さんがお困りのことを解決しやすいからです。リハビリで、患者さんのQOLを維持・向上させるアプローチも強みでしょう。私は日本リウマチ学会リウマチ専門医でもあり、一人ひとりに適した薬物治療もご提供できると思います。患者さんが長く付き合っていく関節リウマチに対し、こうした両分野からのトータルな診療でサポートすることが重要と考えています。手術が必要な際はリウマチ手術に実績のある病院にご紹介し、治療後は当院でまた診ていくという地域連携の体制もしっかりしています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1各種の検査と丁寧な診察で、患者の病状を詳細に確認
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問診、視診、触診などに加えて、各種画像検査により関節症状を確認する。関節の痛みやこわばりを感じて受診した患者でも、変形性関節症や更年期障害などが原因で、関節リウマチではないケースもあるという。同院ではさまざまな可能性を視野に入れながら、患部の腫れや炎症、あるいは全身症状の有無などをリウマチ専門医の視点で細かく調べていく。
- 2血液検査で関節リウマチの進み具合などを調べる
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関節リウマチの診断には、血液検査が重要となる。採血をして、特異抗体の抗CCP抗体やリウマトイド因子や炎症反応を示す血沈、CRPなどを調べる。同院では迅速に検査できる機器を導入しており、一部の項目を除いて採血後すぐに結果を提示することが可能。即日おおよその診断をつけることができるため、検査結果を待つ不安も少ないだろう。
- 3検査結果を医師が確認して、診断結果を患者と共有
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同院では、院内の全室がネットワークでつながり、血液検査や画像検査などの結果を含むすべてのデータが、瞬時に電子カルテに取り込まれる。診察室の端末から検査のオーダーやその結果が閲覧でき、効率的に診療を進められる環境だ。関節リハビリの治療では、患者の病気への理解が重要になるため、検査結果などのデータも提示しながら、病態についてのわかりやすい説明を心がけているという。
- 4必要な場合は検査当日に点滴や注射などの治療も
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即日診断が可能なため、必要な場合にはその日のうちに治療を開始することができる。院内に備えた外来化学療法室では、注射製剤や点滴製剤での治療を行っている。同室にはリクライニング式のシートが備えられているため、ゆったり治療が受けられる。
- 5薬物治療とリハビリを継続して病状を管理
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同院での治療は薬物治療とリハビリが中心となり、手術が必要なケースでは、連携病院へと紹介している。関節リウマチの治療では、患者によってめざすゴールが異なることもある。それぞれの背景を深く知り、症状を抑える「キュア」だけでなく、生活の質を守る「ケア」が必要と捉え、同院では薬物治療に加えて積極的なリハビリで、運動機能の低下防止をめざしている。