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脇田 政之 院長の独自取材記事

わきた内科・脳神経内科

(鹿児島市/鹿児島中央駅)

最終更新日:2022/01/28

脇田政之院長 わきた内科・脳神経内科 main

鹿児島中央駅から徒歩12分ほど、高麗本通り沿いにあるモダンな建物の2階に脇田政之先生が院長を務める「わきた内科・脳神経内科」がある。脇田院長は鹿児島大学医学部第三内科に入局後、国立循環器病研究センターや鹿児島医療センターなどで脳神経内科の医師として研鑽。同院では一般的な内科疾患はもちろん、脳神経疾患や生活習慣病、認知症など幅広い疾患の診療に対応する。中でも、専門とする脳卒中の予防や治療に力を入れる脇田院長。患者や家族とのコミュニケーションを重視しつつ診療にあたるよう心がけているという。「会話もせずに淡々と診療を進めると、患者さんは不安を感じてしまうのではないでしょうか」と優しく語る脇田院長に、開業の経緯から今後の展望まで幅広く聞いた。

(取材日2021年12月11日)

脳神経疾患から生活習慣病まで幅広い病気の診療に対応

この場所に開業された経緯や先生のご経歴をお聞かせください。

脇田政之院長 わきた内科・脳神経内科1

ここは昔、父が「脇田外科」を開業していた場所なんです。古くなった建物を建て替え、2021年4月にクリニックを開業しました。私は鹿児島大学医学部を卒業後、第三内科に入局。脳卒中の治療を専門に経験を積みました。その後、教授から声をかけられたことがきっかけで、大阪にある国立循環器病研究センターでも研鑽。「若いうちにいろいろな経験を積みたい」という思いも強かったですね。さらに、鹿児島医療センターなど鹿児島市内の急性期病院での勤務を経て開業しました。開業にあたっては、整形外科の医師である弟も開業を考えていたことから、内科・脳神経内科と整形外科を同時に開くことに。建物の2階が当院で、3階が整形外科になっています。建物の外観は、高麗本通りの街並みに合う落ち着いたトーンにすることを意識しました。

脳神経内科とはどのような診療科なのですか?

脳神経内科は、脳や神経などの病気を診る科。「頭が痛い」「めまいがする」「しびれる」などの症状がある方を診療しています。脳の病気を心配して受診される方が多いのですが、頭痛やめまいすべてが脳の病気が原因で生じるわけではありません。例えばめまいの場合、耳や頭の周りの筋肉が原因で生じることも。それで患者さんがいらっしゃったら、まずはMRI検査や超音波検査を行って、脳卒中などの重篤な病気が原因となっていないかを診断します。もし検査の結果、手術や専門的な治療を必要とする場合は入院可能な医療機関に紹介。そうでなければ当院で治療を継続します。また、高血圧症や糖尿病、脂質異常症など脳卒中につながりかねない病気の治療も大切。当院は内科も標榜しており、そうした疾患の治療にも対応しています。

患者さんの年齢層や主訴を教えていただけますか?

脇田政之院長 わきた内科・脳神経内科2

年齢層としては、50代以上の方が多いでしょうか。高麗町では近年若い世代の方が増えてきましたが、以前からお住まいのご高齢の方も多くいらっしゃいます。近隣にお住まいで、「近くに病院ができて良かった」と喜んでくださるご高齢の方も多いですね。患者さんの主訴としては、「頭が痛い」「血圧が高い」といった症状が多いでしょうか。また健康診断などで異常が見つかり、精密検査を受けに来る方もいらっしゃいます。血圧に関してあまり知られていないのが、病院で測定して高い数値が出たら、高血圧症と診断されるわけではないということ。正しく診断するには、自宅で定期的に血圧を測る必要があります。病気について患者さんが正しく理解できるようお助けすることも開業医の仕事だと考えています。

患者やその家族とのコミュニケーションを大切にする

専門とされる脳卒中の治療についてお聞かせください。

脇田政之院長 わきた内科・脳神経内科3

近年医療の進歩に伴い、脳卒中によって亡くなる方の割合は減少しましたが、患者数は依然として多く、後遺症を抱えて生活する患者さんも多くいらっしゃいます。脳卒中の治療で大切なのは、再発を防ぐ二次予防。脳卒中は二度、三度と再発しやすく、それに伴い後遺症が重症化したり新たな後遺症が出てきたりします。お薬による治療などを継続して再発を予防していくことで、そうした事態を防いでいきましょう。さらに、再発を防ぐためには糖尿病や高血圧症など危険因子となる病気を管理することも重要。実際、脳卒中で病院に運ばれてくる方の中には、自己判断で高血圧の薬を中断してしまった方もいらっしゃいます。高血圧症などの生活習慣病は、継続的に管理することが大切。自己判断で通院をやめたりせず、医師に定期的に診てもらうことをお勧めします。

認知症の治療にも力を入れていらっしゃるようですね。

認知症の場合、ご家族が患者さんを連れてこられた時には、かなり病状が進行していることもあります。気になる症状がみられても、身近な家族は「自分の親は大丈夫」などと考えてしまいがち。第三者に指摘されて初めて認知症と気づくケースも多くあります。ですから変化に気づいたら、早めに病院を受診することが大切。認知症と診断されれば、介護保険サービスの利用を検討するなど、今後の生活に向けた準備もできるからです。また認知症の症状が、正常圧水頭症や甲状腺機能低下症、うつ病などが原因で生じているなら、改善が期待できる場合もあります。そうした場合、速やかに専門の医療機関に紹介させていただきます。まずは検査を行って症状の原因を見極め、認知症とわかれば、ご家族にもご理解いただいた上で治療を進めるよう心がけています。

診療の際にはどんなことを心がけていますか?

脇田政之院長 わきた内科・脳神経内科4

限られた診療時間の中でも、お一人お一人の患者さんとよくコミュニケーションを取るよう心がけています。どんなに治療技術が高くても、会話もせずに淡々と診療を進めるなら、患者さんは不安を感じるのではないでしょうか。一方、何でも話せるような雰囲気があれば、患者さんは安心されると思うのです。それに、何げない会話を通じて患者さんの状態を知ることもできるでしょう。また認知症の患者さんを診る場合、ご本人はもちろん、ご家族とのコミュニケーションも大切にしています。お薬の服用を管理する面などで、普段患者さんを支えるご家族の協力はとても大切。ですので、できる限りご家族とお話しする時間をつくるようにも心がけています。

整形外科とも緊密に連携。より良い医療の提供をめざす

3階の整形外科との連携についても教えていただけますか?

脇田政之院長 わきた内科・脳神経内科5

「しびれ」や「動きにくさ」といった症状は、整形外科が扱う骨や筋肉、関節などの運動器とも密接に関係しています。また逆に、整形外科の病気でMRI検査を必要とする病気もありますし、運動器にみられる症状が脳の病気からきていることあります。ですから、3階に整形外科が入っていて、緊密に連携を図って対応できることのメリットは大きいですね。内科・脳神経内科と整形外科が1つの建物内にあることで、より良い医療を皆さまに提供できるのではないでしょうか。

お忙しい中、どのようにリフレッシュしていますか?

以前は野球観戦を楽しむこともありましたが、今は開業したばかりで仕事が忙しくて。映画鑑賞でしたら比較的短時間で済みますので、最近は映画を見て気分転換しています。時折時間を取って仕事以外のことを楽しむのも大切だと思いますね。いろいろなことに興味を持っているほうが、認知症にもなりにくいと思うのです。また認知症予防のために、たくさんの人と会話する機会を持つこともお勧めします。 

今後の展望をお聞かせください。

地域に根差して皆さまの健康に貢献することが、私の何よりの願い。今後10年くらいは現在の診療体制でクリニックを運営し、ゆくゆくはデイサービスやデイケア事業などを立ち上げることも視野に入れています。また私はこれまで、主に脳卒中治療の分野で研鑽を積んできましたので、その予防や発症された患者さんのサポートなど、専門を生かした診療に力を入れていきたいですね。

最後に読者に向けたメッセージをお願いします。

脇田政之院長 わきた内科・脳神経内科6

頭痛やめまいなどの症状でお悩みなら、ぜひ一度相談にいらしてください。また高血圧症などの生活習慣病は、服薬も含めて長く付き合う必要のある病気。適切に管理していないと、血管が詰まったり破れたりすることにもなりかねません。自己判断でお薬をやめたりせず、治療を継続されることをお勧めします。また認知症に関しては、身近な家族はなかなか気づかないもの。進行してから気づくと、ご家族の負担も大きくなるかもしれません。早めにわかれば、ご家族は今後の生活に向けて備えることができるでしょうし、患者さんにも良い影響が及ぶでしょう。少しでも気になる症状があれば、早めに相談にいらしていただければ幸いです。

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