高齢化によりニーズが高まる
訪問歯科診療
れんげクリニック
(大阪市西区/本町駅)
最終更新日:2022/01/27


- 保険診療
加齢や病気などが原因で通院が困難な患者に対し行われる、訪問歯科診療。虫歯や歯周病の治療をはじめ、入れ歯の調整、口腔ケアまで幅広い診療を、自宅や老人ホームなどの施設で受けることができるサービスだ。「れんげクリニック」では、外来診療に加えて施設への訪問歯科診療にも注力しており、患者一人ひとりの生活スタイルに寄り添った診療を心がけているという。社会の高齢化が進む中、今後ますます需要が高まることが予想される訪問歯科。多くの施設で訪問歯科診療を行っている同院の楢崎泰史先生に、その特徴や流れについて詳しく聞いた。
(取材日2021年9月13日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q訪問歯科診療はどのような方が利用できますか?
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A
年齢を問わず、歯科医院への受診が自力では難しい人が対象です。高齢や障害で体が不自由になった方や、認知症などで外出が困難になり施設に入居されている方にご利用いただいています。施設やケアマネジャーさんを通してご依頼いただければ、われわれが患者さんのもとに訪問して歯科診療を行います。当院では現在、施設にのみ訪問歯科診療を行っています。
- Q外来診療と違う部分はありますか?
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A
訪問歯科診療でも、虫歯や歯周病の治療、入れ歯の調整、かぶせ物の作製、必要があれば抜歯、検診などまでしっかりと行えます。歯科衛生士も外来と同じく、歯石の除去やブラッシングの指導などの口腔ケアをします。もちろん、外来よりもさらに患者さんの状態には気を配り、治療する際は楽な姿勢になっていただくなど、訪問ならではの工夫もします。寝たきりや認知症で治療が難しい人ほど、プロによる口腔ケアを受け、病気の予防をしていただきたいですね。当院では同じグループ内の医科、ケアマネジャー、介護スタッフと連携し、協力しながら訪問歯科診療を行っています。
- Q診療にかかる時間や費用はどれくらいですか?
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A
訪問歯科診療は基本的に保険診療ですので、「訪問だから特別に高い」ということはありません。治療時間は、患者さんの体力やお気持ちに合わせて、その人にとって負担が少ない範囲に収めるようにしています。また、ご自分での口腔ケアが難しい人も多いため、当院では週に一度の訪問を基本としています。いずれにせよ、施設やケアマネジャーと相談し、その人に合わせたより良い方法を考えます。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1訪問歯科診療を依頼
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施設職員やケアマネジャーが、訪問歯科診療を歯科クリニックへ依頼。患者の現在の症状を伝えるほか、全身状態なども説明し、訪問の日程を調整する。
- 2患者の状態に合わせて機器などを準備
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歯科クリニックでは訪問前に、患者の人数や個々人の状態に合わせて、必要な機器を準備。通常の外来と変わらない診療を行うためにも、入念な準備が大切だという。持ち運べる小型のエックス線撮影機器もあるため、状況に応じて携帯する。
- 3歯科医師らが患者を訪問
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歯科医師と歯科衛生士が2〜4人のチームを組み、患者を訪問。当日の体調や、気になる様子がないかなどを、歯科医師が施設職員や家族に確認する。安全な治療や口腔ケアを行うために欠かせないステップだ。
- 4治療・口腔ケア
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患者の健康状態やペースに合わせて、ベッドに横たわった状態または椅子に座った状態で治療が行われる。身体的・精神的な負担にもきちんと気を配り、1回の治療時間が長くなり過ぎないように配慮。訪問先でも抜歯や入れ歯の調整、口腔ケアまで必要に応じて幅広く対応しているそうだ。
- 5今後の治療や日程の相談
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診療が終わると、その日の治療内容について説明がある。日頃の口腔ケアの方法や食事について気になることがあれば、この際に質問・相談しておきたい。治療の結果などについては、施設職員やケアマネジャーにも情報が共有される。