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稲垣 康治 院長の独自取材記事

稲垣耳鼻咽喉科医院

(町田市/町田駅)

最終更新日:2024/01/24

稲垣康治院長 稲垣耳鼻咽喉科医院 main

JR横浜線と小田急線が乗り入れる町田駅から徒歩5分ほど。飲食店が立ち並ぶにぎやかな大通りを抜け、不意に住宅地の静けさに包まれると、緑に囲まれた「稲垣耳鼻咽喉科医院」が見えてくる。まるでこの地に根を張った大樹のようにどっしりとした出立ちだ。同院は1942年に町田で誕生した歴史ある医院。稲垣康治院長は、祖父の代から続く伝統を受け継いだ3代目である。同じく耳鼻科医師である兄と弟とともに、医院を守っている。信頼関係を重視したオーダーメイド医療を提供する稲垣院長に、地域医療にかける思いを聞いた。

(取材日2023年8月3日)

家訓は「和気大樹」。伝統を受け継ぐ3本の矢

こちらの医院は長い歴史があるそうですね。

稲垣康治院長 稲垣耳鼻咽喉科医院1

1942年に祖父がここで開業してからですので、もう80年以上です。当時の町田は小さな街でしたので本当に病院が少なく、入院できる有床診療所として活躍していた時代もあったそうです。しかし、1970年に父に代替わりした頃には、現在のような診療スタイルが定着しました。2013年に私が父の後を継ぎ、院長を務めています。

とてもすてきな建物ですね。真新しいですが、医院はいつ建て替えをされたんですか?

2019年に建て替えました。それまで築70年の木造住宅で診療していましたが、耐震性にも問題がありましたし、いろいろとガタが来ていたんです。どうせ建て替えるのならと、そのタイミングで病児保育室を併設するなど機能を拡張し、リニューアルオープンしました。テーマはわが家の家訓である「和気大樹」です。みんなが集い、和気あいあいと過ごせる大樹のようになれという意味です。おかげさまでどっしりとすがすがしい医院になりました。表には、当院のシンボルになるよう若い楠を植えたんですよ。これからどんどん成長していくのが楽しみです。

先生を含む兄弟3人が耳鼻咽喉科の医師として在籍されているんですよね?

稲垣康治院長 稲垣耳鼻咽喉科医院2

そうなんです。3人兄弟全員が祖父や父の背中を追いかけて耳鼻科医師になったんですよ。珍しいですよね(笑)。相談したわけではないのですが、それぞれ専門分野も異なり、私が音声や喉頭疾患、兄は平衡・めまい、弟は耳・聴覚が専門。3人とも日本耳鼻咽喉科学会認定の耳鼻咽喉科専門医ですので、幅広い症例に対して質の高い診療を提供できる体制が整っています。

ご兄弟はどのようなご関係なんですか?

私は好奇心旺盛でアクティブなタイプですが、兄は多くを語らずどっしりした性格で、弟はかわいらしい自由な末っ子気質。バランスもいいのでしょう、子どもの頃から今まで仲良くやっていますよ。幼少期から3兄弟で剣道を始め、近所の道場に通っていました。現在兄は東京医科大学の准教授として、弟は総合病院の耳鼻咽喉科の部長として、それぞれに活躍の場を持っていますが、祖父、父から受け継いだ稲垣耳鼻咽喉科医院を一緒に守っていくことができ、うれしく思っています。

患者と医師の信頼関係が軸になるワンストップ診療主義

ワンストップ診療にこだわられているそうですね?

稲垣康治院長 稲垣耳鼻咽喉科医院3

そうなんです。手術室を持たない一般的なクリニックで手術が必要になった場合、他の病院に患者さんを送って対応してもらうことがほとんどだと思いますが、当院では日帰りの手術まで対応しています。そうすることで、患者さんはすでに信頼関係が築かれている医師のもとで安心して手術に挑むことができます。医師は患者さんに合う治療を最後までやりきることができます。ワンストップ診療は双方にとってメリットが大きいんですよね。

日帰り手術はどのように行われるんですか?

日吉メディカルクリニックと連携し手術室を使わせてもらっています。われわれが患者さんと一緒にクリニックへ行き、麻酔科医師のもと午前中に手術を行い、患者さんには夕方まで休んでいただき帰宅してもらいます。日帰り手術の症例として、一番多いのは鼻の手術です。鼻中隔弯曲症や副鼻腔炎の手術は、日帰りに適していると思います。ただ、骨を削ったりするので、局所麻酔だと患者さんもつらいですし、鼻の奥には神経が密集していてシビアな部分もあったりしますので、動きを止めるため全身麻酔で行います。私の専門である声帯ポリープの手術も日帰りに適していますね。入院が必要な疾患に関しては、町田市民病院にお願いしたり、特殊な耳の病気は大学病院や弟に対応してもらったりしています。

どのような患者さんが多く来院されますか?

稲垣康治院長 稲垣耳鼻咽喉科医院4

近隣の方が圧倒的に多いですが、慢性上咽頭炎の治療などは、厚木、海老名、伊勢原辺りからも患者さんがいらっしゃいます。あとは、日帰り手術を希望される方も遠方から来られることがあります。別の病院で入院での手術を勧められた方が、インターネットで検索して日帰り手術を受けるために当院にたどり着くということもあるようです。

信頼関係を築くために心がけていることを教えてください。

患者と医師との関係は信頼関係に尽きますよね。信頼関係を築くためには、何よりも患者さんの想いを丁寧にヒアリングし、それぞれに合った治療を納得して受けてもらうことだと思っています。ただ、たくさんの患者さんがいらっしゃるので、診療の質を下げずに効率良く診察するために、当院では事前のウェブ問診を導入しています。皆さんが書いてくださった問診票をしっかり読んでから診療するようにしています。

病児保育室、医師会等、診療プラスアルファの地域貢献

病児保育室「おおきな樹」も併設されているそうですね。

稲垣康治院長 稲垣耳鼻咽喉科医院5

建て替え時に、耳鼻咽喉科の診療以外でも町田に貢献できることはないだろうかと考え、行政と連携して立ち上げました。2019年当時、町田には病児保育室が一つしかなくて、駅からちょっと離れた場所にあったんです。利便性の高いこの場所を活用することで、働く親御さんのサポートができたらと思いました。ただ一つ気がかりだったのが、一般的に病児保育室は小児科の先生のもと乳児からお預かりすることが多いんです。耳鼻科も風邪のお子さんをよく診ているので慣れてはいますが、念のためお預かりする年齢を1歳からにさせてもらいました。また、近隣の小児科の先生に万が一の際の連携をお願いしています。町田市民だけでなく、相模原市、八王子市、川崎市の方も利用できるようになっています。

町田市医師会でも活躍されているんですね。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大時は、毎日のように会議を重ね、行政と一緒にさまざまな取り組みを行っていました。実は以前から、町田市の救急医療体制に問題意識を持っていたのですが、医師会の理事になったことで、その改革に携わることができるようになりました。町田市民の皆さんがより安心して過ごせる環境づくりに取り組んでいきたいと考えています。また、地域の同世代の仲間たちと、町おこしの面からも町田の活性化に取り組んでいきたいなという思いがあります。

今後、医院をどのようにしていきたいですか?

稲垣康治院長 稲垣耳鼻咽喉科医院6

医院を発展させるために、他所から先生を呼んだり、分院をつくったりする選択肢もありますが、そういうことはまったく考えていません。祖父の代から続く伝統と家訓である「和気大樹」に込められた想いを理解している兄弟3人でしっかりと地域医療に貢献していきたいと思っています。

最後に、地域の方々へのメッセージをお願いします。

町田の皆さんに支えられた医院に生まれ、この地域の発展を目の当たりにしながら育ってきましたので、人一倍の町田愛を持って診療しています。最近は、ストレスが原因で病気になってしまう患者さんを多く見かけます。近隣の皆さんにはぜひストレスをためない生活を心がけてほしいです。耳垢の掃除からやっていますので、気になることがあれば、ひどくなる前に気軽に相談しにきてくださいね。

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