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ワクチンで大人も感染予防を
妊娠可能な女性に知ってほしい風疹

けいゆうメディカルクリニック 内科 循環器内科

(大野城市/下大利駅)

最終更新日:2021/10/12

けいゆうメディカルクリニック 内科 循環器内科 ワクチンで大人も感染予防を 妊娠可能な女性に知ってほしい風疹 けいゆうメディカルクリニック 内科 循環器内科 ワクチンで大人も感染予防を 妊娠可能な女性に知ってほしい風疹
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予防接種と聞くと、「子どもが受けるもの」というイメージを持っている人も多いのではないだろうか。もちろん、生まれて間もない頃から思春期にかけて接種すべきワクチンはたくさんあるが、大人になってからもかかる可能性がある病気もたくさんあり、それらに備えるワクチンが多種あることを知ってほしいと「けいゆうメディカルクリニック 内科 循環器内科」の仲敷健一院長は言う。中でも同院が特に呼びかけているのは風疹、麻疹、流行性耳下腺炎、帯状疱疹、インフルエンザ、肺炎球菌などの疾患に対するワクチン接種の重要性だ。そこで今回、接種すべきタイミングや年代、接種せずに重症化した場合の症状など、意外と知られていない大人のワクチン接種について、仲敷院長に詳しく解説してもらった。

(取材日2021年8月27日)

意外と知られていない大人のワクチン接種。自分や大切な家族を病気から守るためにもまずは知ることが重要

Q予防接種は子どもが受けるものというイメージがあるのですが。
A
けいゆうメディカルクリニック 内科 循環器内科 帯状疱疹のように、50歳以上が接種の対象になるワクチンもある

▲帯状疱疹のように、50歳以上が接種の対象になるワクチンもある

確かに生まれてからすぐに多くのワクチン接種が開始しますので、どうしてもそのようなイメージを持たれやすいのですが、大人になってもかかる病気はたくさんあります。また、年代によっては子どもの頃に接種していないものもあるため、決して子どもだけが受けるべきものではないということを知っていただきたいですね。幸いにも日本は妊娠すると母子手帳が交付され、誕生後に接種したワクチンについても記録されていますので、まずはご自身の母子手帳を見て接種しているワクチンを確認していただくのがよいでしょう。特に風疹のワクチンは、公的な接種がなかった年代の男性もおられますので、そこも見落としのないようご確認ください。

Q風疹のワクチンについて詳しく教えていただけますか?
A
けいゆうメディカルクリニック 内科 循環器内科 ブライダルチェックのタイミングで検査・接種を受ける女性も

▲ブライダルチェックのタイミングで検査・接種を受ける女性も

風疹ウイルスは、ワクチン接種歴がなく、かかったこともない場合、年齢問わず感染する可能性が高い病気です。妊娠初期に感染すると、流産や死産、または先天性風疹症候群という病気を引き起こし、体内の赤ちゃんの心臓や目、聴力、脳などに異常を来すことも。しかし、妊娠中は予防接種を受けることができません。特に1962年から1979年4月1日までに生まれた男性は公的な風疹の予防接種を受ける機会がなかったため、厚生労働省が抗体検査・予防接種を呼びかけています。対象の方にはお住まいの市区町村から公費で受けられるクーポン券が送付されていますので、ご自身とこれから生まれてくる子どもたちを守るためにぜひ受けてください。

Qどのタイミングで接種を検討すればよいのでしょうか?
A
けいゆうメディカルクリニック 内科 循環器内科 患者の年齢や背景に合わせて、接種後の注意点もしっかり指導

▲患者の年齢や背景に合わせて、接種後の注意点もしっかり指導

公費で風疹の予防接種が受けられる対象の方は、クーポン券が届いたタイミングで検討されるとよいでしょう。また、過去に接種したことがあっても十分な抗体を持っていない方もいますので、妊娠を希望される方はまずパートナーと一緒に抗体検査を受けられることをお勧めします。そこで一つ気をつけていただきたいのが、風疹のワクチンは生ワクチンであるということ。生ワクチンの場合、女性のみ接種後2ヵ月間は避妊する必要があります。これはあくまでも妊娠を前提に接種した女性に対する指導で、流行の中心となり得る男性が生ワクチンを接種しても精子を介しての影響は心配ないため、避妊の必要はありません。

Q帯状疱疹の予防接種は50代以上が対象となっているそうですね。
A
けいゆうメディカルクリニック 内科 循環器内科 接種前に問診票へ記載を。待合室の感染症対策にも配慮している

▲接種前に問診票へ記載を。待合室の感染症対策にも配慮している

ええ、帯状疱疹は子どもの時に感染した水痘(水ぼうそう)のウイルスが原因で起こる皮膚の病気で、強い痛みを伴う赤い斑点と水ぶくれが神経に沿って帯状に生じます。症状の多くは上半身に現れ、顔面、特に目の周りに現れるケースも多いことから、角膜炎、顔面神経まひ、難聴などの合併症を引き起こすことも。加齢などによる免疫力の低下が発症の原因で、特に50代から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が発症するといわれています。50歳以上で発症した方のうち約2割の方が、3ヵ月以上痛みが続いており、生活に支障を来す場合も少なくありません。そうならないために、50代以上の方には特に予防接種の必要性を呼びかけています。

Q肺炎球菌ワクチンに関してはいかがでしょう。
A
けいゆうメディカルクリニック 内科 循環器内科 各自治体の案内を参考に接種を検討してほしいと話す仲敷院長

▲各自治体の案内を参考に接種を検討してほしいと話す仲敷院長

肺炎で亡くなる日本人のほとんどが65歳以上の方。その中でも最も原因になりやすいのが肺炎球菌です。そのため、2014年10月から高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンの定期接種が開始しています。このワクチンは、肺炎球菌感染症や重症化を防ぐ目的で接種するため、感染すると深刻な合併症や重篤化を引き起こしやすい心筋梗塞や狭心症などの心臓疾患、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患、糖尿病などの基礎疾患をお持ちの方にも接種が推奨されています。ワクチン接種の対象者には助成が適用されますが、その内容は各自治体の制度によって異なりますので、まずはお住まいの市区町村に問い合わせることをお勧めします。

ドクターからのメッセージ

仲敷 健一院長

ご説明した以外にもおたふく風邪(流行性耳下腺炎)やインフルエンザなど、大人が接種できるワクチンは多種あります。新型コロナウイルスのワクチン接種後の方もいると思いますが、一般的には2週間、用心を重ねても4週間経過していれば、ほかのワクチン接種が可能です。特に公費で接種できるクーポンが届いている方は推奨されている方ですので受けていただきたいですね。もちろん判断されるのはご自身。ですが、このように多くのワクチンがあるということも知っていただきたいと思います。新型コロナウイルスの流行でワクチンに関心が高まっている今、大切なパートナーやご家族と今後のワクチン接種についてお話しされてみてはいかがでしょう。

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