全国のドクター9,182人の想いを取材
クリニック・病院 158,625件の情報を掲載(2024年4月25日現在)

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 新宿区
  4. 神楽坂駅
  5. 神楽坂岡田診療所
  6. 岡田 隆之 院長

岡田 隆之 院長の独自取材記事

神楽坂岡田診療所

(新宿区/神楽坂駅)

最終更新日:2024/03/15

岡田隆之院長 神楽坂岡田診療所 main

父が開業した診療所を2014年4月に継承し、現在「神楽坂岡田診療所」の院長を務めるのは岡田隆之先生だ。大学病院などで長く腎臓内科医として勤務していたが、当時「初期診断を行う医療機関がもっと患者に深く介入し、早期に腎臓病を発見していれば」と思うことも少なくなかったという。そうした経験を生かし、「健診や検査の結果をもとに、患者さんを適切な治療へスムーズに導くのが、“かかりつけ医”である自分の役目」と岡田院長は語る。「患者さんから、父は患者さんと積極的にコミュニケーションを取ることを大事にし、患者さんから好かれる存在だったと聞いています。父の後を継いで、約1年。自分のカラーを模索しつつ、父のように患者さんと確かな信頼関係を築きたいですね」と、親しみやすい笑顔を見せる岡田院長に同院について聞いた。

(取材日2015年7月22日)

父の後を継いで、2014年院長に就任

先生が医師をめざした理由を教えてください。

岡田隆之院長 神楽坂岡田診療所1

私の父や祖父も医師だったことが、大きなきっかけです。曾祖父の代から医師という家系で、現在、私で4代目になります。祖父は軍医として働き、父は長い間、勤務医を務めていました。現在の診療所は1994年に父が開院したものです。それを私が引き継ぐことになりました。現在も父は現役の医師としてこの建物の2階で健診を行っています。

先生のご専門は?

父は消化器内科でしたが、私は腎臓内科を選択しました。大学時代、とても尊敬する恩師がいて、その先生の研究室に入りたくて、腎臓内科を選んだのです。もともと、私の母校である東邦大学医学部は非常に臨床を重視していて、恩師も、「何があっても患者さんのベッドサイドにいなさい」とおっしゃっていました。大学卒業後は、済生会横浜市南部病院や川崎社会保険病院、東邦大学医療センター大森病院などで勤務し、2014年に父の後を引き継ぐ形でこの診療所を継承しました。大学病院や総合病院などで先端の治療を行うのと、“かかりつけ医”として地域医療に貢献するのとでは、求められる働きが異なります。しかし、かつて恩師から言われた「患者さんをよく見なさい」という教えは、今、とても役立っているように思います。

来院される患者さんは、どのような方が多いのですか。

岡田隆之院長 神楽坂岡田診療所2

周辺にお住まいの方や、お勤めの方が大半です。神楽坂は、長くお住まいのご高齢の方も多く、必然的に、こちらへいらっしゃる患者さんの年齢層も比較的高めです。風邪や発熱など、一般的な症状の方もいらっしゃれば、高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病を抱えた方もいらっしゃいます。もともと私は、大学病院や総合病院で勤務している時は腎臓内科を専門としていましたが、一般に、腎臓内科医はさまざまな疾病に対処するゼネラリスト的な働きが求められるものなのです。というのも、高血圧や糖尿病、動脈硬化性疾患などの慢性疾患は、ほとんどの場合、最終的に腎臓の治療が必要になるからです。そのように、さまざまな疾病に対して幅広く対処してきた経験が、“かかりつけ医”として働く現在も、生きているのではと思っています。

患者の目線に立った治療を実践

2014年4月院長に就任されたそうですね。現在の状況は?

岡田隆之院長 神楽坂岡田診療所3

これまで、“大学病院”や“総合病院”に勤務している時は、その病院の名前を頼って、多くの患者さんが来院されました。しかし、現在では“私”を頼って、患者さんはいらっしゃいます。この点に、とても大きな責任とやりがいを感じます。特に、生活習慣病の患者さんとは長いお付き合いになることが多いので、とにかくコミュニケーションを取ることを重視しています。看護師や受付スタッフと協力しながら、採血やお会計の時、患者さんと極力言葉を交わすようにするなど、なんでも気軽に相談できる雰囲気づくりに努めています。私は父から「医師とはこうあるべき」ということを直接、教わったことはありません。でも、長く当院へ通っていらっしゃる患者さんのお話によると、父は患者さんとよくお話をし、患者さんに好かれる存在だったそうです。キャリアでは、まだ父にかないませんが、私もそうした父の姿勢を引き継いでいきたいですね。

CTなどの機材も充実しているのですね。

1階がメインの診察室と待合室、2階が健診室、そして、地下1階が検査室になっていて、そこにはCTが導入されています。診療所にCTが設置されているというのは、珍しいかもしれません。現在でも、動脈硬化性疾患の患者さんに、頭部の検査を行うときなど使用しています。より詳細な検査結果を得るのにも有用ですし、また、患者さんにビジュアルで現在の病状をお見せすることができるので、治療法を理解していただくにも役立つんです。

印象的な患者さんとのエピソードを教えてください。

岡田隆之院長 神楽坂岡田診療所4

現在は、50〜70代くらいの患者さんが中心ですが、大学病院や総合病院にいた時は、中学生や高校生など、若い方も多く診察していました。その多くが慢性の腎臓病を抱えている方で、完治が難しい場合は、どうしても薬とうまく付き合っていかなければいけません。薬の量を増やせば症状を抑えることにつながりますが、反面、副作用も強くなることが予想されます。学生だと高校受験や大学受験、入社試験など人生の岐路に立つこともたくさんあるでしょう。極力、薬を少なくして副作用を減らしてあげたい。けれど、減らしすぎると意味がなくなってしまう。その境目を的確に見つけるのが、医師である私の務めです。また、患者さんがどのような境遇にいるのかはカルテ上だけではわかりません。患者さんや、必要に応じて保護者の方ともお話ししながら適切な治療を考えていく。患者さんの人生に深くコミットしているという責任感とやりがいを、同時に感じる瞬間でした。

健診は受けることではなく、結果を見ることが大切

これから力を入れていきたいことはありますか。

岡田隆之院長 神楽坂岡田診療所5

大学病院や総合病院に勤務していた際、腎臓病の患者さんを多く診察してきました。中には、健診で血尿や尿蛋白が指摘されていたにもかかわらず、そのまま放置していたため、ずいぶん症状が進行してから初めて来院される方もいらっしゃいました。「健診を実施した医療機関や、町のかかりつけ医が、健診結果にまでもっと深く介入していたら……」と感じることもたくさんありました。患者さんにとって、より身近な医療機関がもっと積極的に患者さんと関わりを持ち、一歩進んで適切な機関での再検査や治療へ誘導していたら、軽度のうちに治療を終えることができたかもしれません。そんなことを常々実感していた私が、現在、町のかかりつけ医として初期診断を行う立ち場にいるのも、何かのご縁。そうした経験を生かしながら、早期発見・早期治療につなげていきたいと思います。

先生が健康維持のために気をつけていることは?

中学から大学まで、ずっとサッカーを続けていました。大学ではキャプテンも務めていましたが、特にこちらの院長に就任してからは、なかなか自由な時間が取れず、運動といえば、時々休日にゴルフへ出かけるくらい。もう少し、時間にゆとりができたら、またスポーツをしたいですね。食事は積極的に野菜を取るようにしていて、まずはサラダから手をつけるようにするなど、食べる順番やバランスに気をつけた食生活を心がけています。

最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

岡田隆之院長 神楽坂岡田診療所6

せっかく、健診を受診しても、検査結果に無頓着な方もいらっしゃいます。受診しただけでホッとしてしまうのかもしれませんし、また、多少気になる数値が出ていたとしても、かつて医師から「これくらいなら心配いりませんよ」と言われたことがあれば、自己判断で再検査は不要と見なしてしまうかもしれません。しかし、それでは健診を受けた意味がなくなってしまいます。特に、私の専門である腎臓疾患は、健診以外で異常を見つけることが難しい病気。腎臓は無言の臓器ともいわれるくらい、初期はほとんど自覚症状が見られません。ですから、病気を発見するのに、健診結果は非常に重要な手がかりになると言えるのです。だからこそ健診結果をしっかり把握し、必要があれば再検査を受けていただきたいと思いますし、もし他院で検査を行った場合でも、結果に不安があればご相談に乗りますので、ぜひ、お気軽にご来院ください。

Access