子宮筋腫・子宮内膜症が原因かも
生理痛緩和に役立つ低用量ピル
みなとウィメンズクリニック
(港区/田町駅)
最終更新日:2022/02/28


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多くの女性を悩ませている「生理痛」。人によってはその痛みは下腹部だけにとどまらず、頭痛・腰痛を感じることもあるという。「みなとウィメンズクリニック」の劉樺院長は、事前検査で病気の有無や体質をしっかりチェックした上で、患者に合わせた治療方法を提案している。低用量ピルは痛みといった月経困難症治療の選択肢の一つ。ホルモンの働きをコントロールして排卵を抑える機能を利用し、痛みなど月経困難症の緩和を図る薬だ。「生理痛の裏に病気が潜んでいることも。放置せずに相談してください」と話す劉院長に、生理痛を放置するリスクや低用量ピルについて話を聞いた。
(取材日2021年9月29日)
目次
排卵を抑える働きを利用し生理痛の緩和を図る低用量ピル
- Q生理痛はなぜ人によって重さが違うのですか?
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A
▲生理痛の原因や、生理の重さは人によってさまざま
生理痛の原因はさまざまです。子宮の病気から痛みにつながることもありますが、健康であっても痛みを感じる方も多いでしょう。生理中は全身にプロスタグランジンという炎症物質が放出されます。これが腹痛・頭痛・腰痛などを引き起こす原因です。この作用の強さ、また婦人科疾患があるかどうかも生理痛の重さに影響します。生理に関連して月経前症候群(PMS)と呼ばれる症状もあり、生理開始前の気分の落ち込みなど、メンタル面での不調を感じる方もおられますね。
- Q市販薬で対処しきれないくらい生理痛が重い人もいると思います。
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A
▲重い生理痛には、子宮内膜症などの病気が潜んでいる可能性もある
あまりに痛みがひどい場合は、その裏に子宮筋腫やチョコレート嚢胞を含む子宮内膜症などの病気が潜んでいることも少なくありません。そのような症状を器質性月経困難症といいます。女性のうち3~4人に1人の割合で子宮筋腫があるといわれていますし、生理があればどなたでも子宮内膜症を起こす可能性はあるのです。子宮内膜が腸と癒着してしまった場合は排便痛などを引き起こします。また、子宮内膜症や子宮筋腫がある方は経血量が多い傾向にもあります。
- Q生理痛を放置するリスクと対処方法を教えてください。
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A
▲生理痛を放置することにより、病気を進行させてしまうことも
20代後半になると先ほど申し上げたような卵巣や子宮の病気が見つかるケースが増えてきます。「生理だから痛いのはしょうがない」と痛みを放置してしまうと、病気に気づかないまま進行させてしまうこともあります。市販薬で一時的に痛みの緩和が図れることもありますが、根本的な解決にはなりません。医療機関を受診し、低用量ピルなどを用いて原因の疾患がそれ以上ひどくならないようにコントロールしていくこと。それ以前に、子宮筋腫や子宮内膜症にならないように予防していくことも重要です。
- Q低用量ピルとはどのようなものですか?
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A
▲温かみのある色合いの広々とした待合スペース
ホルモンの働きをコントロールし、排卵を抑える働きを持つ薬です。排卵を抑えることにより経血量が少なくなることにつながり、月経困難症による痛みなどの症状の緩和が期待できます。また月経不順・無月経の改善をめざすためにも使われる薬です。生理は通常23~39日の周期で起こるもの。生理周期が短かったり遅れても気にされない方もいらっしゃいますが、生理の乱れは排卵やホルモンバランスの乱れのサインともいえるでしょう。こういった症状が将来の病気や不妊につながる恐れもあるため、注意が必要です。
- Q誰でもすぐに低用量ピルを処方してもらえるのでしょうか?
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A
▲生理痛の痛みを我慢せず、医師に相談してみよう
低用量ピルは、どなたにでもすぐ処方できるわけではありません。慢性的な頭痛や高血圧、喫煙習慣のある方、乳がんや子宮体がんを患っている方も注意が必要です。採血など事前検査を行い、問題がなければ処方します。体質や年齢によりピルが合わないと判断した場合、他のアプローチ方法も検討できます。副作用として妊娠初期のような不快感を生じることがありますが、当院ではそのような場合、患者さんの体質に合わせて漢方薬や鎮痛剤を併用するなどの工夫をしています。また生理痛の緩和が目的の場合、低用量ピルの処方には保険が適用されます。
自由診療費用の目安
自由診療とは低用量ピル1シート/2200円