子宮がんを進行させないために
検診とワクチンの両方が大切
五十嵐レディースクリニック
(川崎市多摩区/生田駅)
最終更新日:2021/10/12


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成人女性ならば誰にでも罹患のリスクがある子宮がん。急激に進行することはまれなものの、特に「子宮頸がん」は若い世代の患者も多い。「五十嵐レディースクリニック」の五十嵐豪院長は、症状を白・黒・グレーに分けた場合の「グレー」を見つけることが大切だと話す。コルポスコピー(腟拡大鏡)を用いた子宮がん検診の精密検査にも対応し、子宮頸がんワクチンにも積極的に取り組んでいる同院。患者の不安や悩みにもしっかり向き合い、医師の立場から正しい情報発信に努めている。「子宮がん検診は医師に悩みを相談するチャンス。市や区の検診をぜひ活用してください」と話す五十嵐院長に、なぜ子宮がん検診が大切なのか、また子宮頸がんワクチンについても話を聞いた
(取材日2021年3月26日)
目次
ワクチンで防いで検診で定期的にチェック。子宮がんは「グレー」な段階での発見が大切
- Qなぜ子宮がん検診を積極的に行っているのでしょうか。
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A
▲重篤な症状への移行を防ぐため、積極的に検診を行っている
がんになる手前で早期に異常を発見し、重篤な状態への移行を防ぐためです。特に子宮頸がんでは、比較的若い世代の罹患が目立ちます。私も20代で子宮を摘出された患者さんや、40代で子どもを残して命を落とされた患者さんを診てきました。がんはまだまだ縁のない話であるとか、高齢になってからの問題と思われるかもしれませんが、そうではありません。子宮頸がんは数年かけて進行する病気です。症状を白・黒・グレーに分けるとして、この「グレー」の部分をいち早く見つけて「黒」への進行を防ぐことが重要です。
- Q精密検査もこちらのクリニックで受けられるそうですね。
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A
▲コルポスコピーを用い、精密検査も行っている
当院ではコルポスコピーを用いた子宮がん検診の精密検査も行っています。子宮頸がん検診ではまず細胞の検査を行いますが、コルポスコピー検査では子宮頸部の表面を顕微鏡で拡大し、肉眼ではわからないレベルで患部を特定します。異常が見られた場所の組織検査により、2週間程度で診断が可能です。その結果をもとに状態を特定し、さらに詳しい検査の必要性や治療方針を決めていきます。
- Q子宮がんにはどのような種類があるのでしょうか。
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A
▲早めの検査を勧めている
ウイルスが原因の「子宮頸がん」は若い世代の患者さんが多く、一方「子宮体がん」は閉経後に発症するケースが多いです。子宮体がんの原因としては女性ホルモンや遺伝との関連性が挙げられます。いずれも数日や数ヵ月で急激に進行することはまれなのですが、初期段階では自覚症状がないこともありますから、定期的な検査で早めに異常を見つけることが大切です。日常生活の中で気になることがあれば、すぐに検査を受けてください。
- Q子宮頸がんワクチンが予防につながるのですね。
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A
▲多くの女性に罹患のリスクがある
子宮頸がんの原因のほとんどは「ヒトパピローマウイルス」で、これは性交渉により子宮頸部に感染します。つまり成人女性の多くに罹患のリスクがあるといえます。感染しても多くは免疫力によりウイルスが体外に排除されますが、それが残ってしまうと子宮頸がんの原因となり得ます。子宮頸がんはワクチンである程度の予防が可能な病気です。副反応の報告もありますが、ごくわずかな確率です。不安や疑問があればなんでもご相談ください。
- Qワクチンと検診の両方が大切だと聞きました。なぜでしょうか。
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A
▲医師と直接話す機会を大切にしてほしい、と話す院長
ワクチンは子宮頸がん予防に有用な手段ですが、万能とは言い切れません。ウイルスにはいくつかの型があり、中にはワクチンが効かないものも存在します。まずワクチンで発症の危険性を抑え、定期的な検診で未然にがんを防ぎましょう。インターネットには情報があふれており、子宮がんやワクチンについて不安を感じている方もいらっしゃるでしょう。健康管理は未来の生活につながります。ましてや進行すると命に関わる「がん」ならばなおさらです。不安を払拭し正しい情報を得るためにも、医師と直接話す機会を大切にしてください。
自由診療費用の目安
自由診療とはがん検診/3500円