ウォーキングを楽しく“習慣化”し
地域住民の健康増進をサポート
にしだ整形外科
(福岡市南区/高宮駅)
最終更新日:2023/05/02
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整形外科で治療を行う際、患者の多くは「痛みを取ること」を考える。しかしその後も適切な運動を行わなければ痛みが再発するだけではなく、いずれ歩行に支障をきたす恐れも。「誰しも若い頃は歩く時に痛みを感じることはほとんどないため、自分が歩けなくなることは想像しづらいもの。遠くない未来の“歩けない状態”を回避するためには、歩く習慣を身につけることが何より大切です」と話すのは「にしだ整形外科」の西田顕二郎院長。総合病院で手術にも多く関わった院長は「痛みを取る」までで治療が終わってしまうことに危機感を覚えていたという。地域患者が楽しく歩く習慣を身につけるためのウォーキングすごろくや、歩きやすさをサポートするためのインソール、自身の体を知るための運動器検診など、同院の取り組みについて詳しい話を聞いた。
(取材日2023年3月1日)
目次
「毎日歩く習慣」を楽しく身につけ、年齢を重ねてもスポーツやレジャーなどを楽しめる体づくりをサポート
- Qウォーキングの大切さについて教えてください。
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A
ウォーキングは有酸素運動であり、肥満の解消・予防、メンタルヘルスの向上、血流改善による認知症リスクの低減、骨への刺激による骨密度の向上など、全身の健康に良い効果をもたらすことが期待できます。しかしコロナ禍の影響もあり、それ以前よりも3割ほど歩行量が低下しているといわれています。運動器の機能が衰えて要介護や寝たきりになるリスクが高まるロコモティブシンドロームを防ぎ、年齢を重ねても運動やレジャーなどを楽しむためには、若いうちからの「毎日の歩く習慣」が重要です。当院では患者さんに適したリハビリテーション内容の提案やインソールを取り入れながら、ウォーキングの“習慣化”に特に注力しています。
- Qこちらで受けられる運動器検診にはどんなメリットがありますか?
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A
おおよそ半年に1回の頻度で、筋肉量や体脂肪率、骨密度、握力、歩幅、体のバランスなどを数値化して評価します。運動器の機能に現時点では問題がなくとも年齢の平均よりも筋肉量が少ない、骨密度が低いなどは残念ながらあり得ること。この検診結果を踏まえ、痛みの改善を図ることはもちろんのこと、ウォーキングを効率的に行うために必要なストレッチや筋力トレーニングなど、患者さんに適した個別の運動プログラムを提案します。
- Q「ウォーキングすごろく」は何を目的としているのでしょうか?
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A
具体的な目標がないままに「毎日1万歩」と言われても、歩くモチベーションはなかなか保てませんよね。そこで「ウォーキングすごろく」を始めました。当院をスタートとして、まずは九州のさまざまな観光名所までの距離を歩数に置き換え、日々のウォーキングを続けてもらいます。「奄美大島から口永良部島までは難関だから頑張りましょう」などリハビリスタッフが声をかけ取り組んでいきます。歩数を満たし、すごろく上の名所に到着するとその名所についての説明を記載したカードをお渡しします。このように旅行気分を楽しみながら毎日のウォーキングの習慣化につなげます。目に見える目標があると患者さんも取り組みやすいのではないでしょうか。
- Qインソールは歩行時の痛みの軽減に役立てているそうですね。
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A
当院のインソールは、患者さんが普段お使いになる靴の中敷きをもとに作製します。小さなパッドを中敷きに細かく貼りつけることで、足の関節を正しい場所に導き、動作の改善を図ることで膝など各関節にかかる負担の軽減につなげながら歩行距離の延長をサポートします。その場で直接調節を行うため、患者さんも手軽に使用できると思います。関節に変形があっても動作の改善を図ることで痛みの軽減に役立てると思います。動作を見ながら一人ひとりに合ったものを作ることが、当院のインソールの大きなポイントでしょう。
- Q今後、クリニックで取り組みたいことなどはありますか?
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A
地域の皆さんが参加できるウォーキングイベントを計画しています。これも歩く習慣を身につけるためのきっかけの一つになればいいですね。一人では腰が重いという方や、シューズの選び方や歩行時のフォームなどを実際にその場でアドバイスすると経験が少ない方でもウォーキングを始めやすいのではないでしょうか。早歩きとゆっくり歩きを交互に繰り返すインターバルウォーキングやトレーニング要素を多く含んだウォーキングの方法などをレクチャーするとウォーキングの魅力がさらに伝わるかもしれません。患者さんが楽しく参加できるイベントをたくさん提案していきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインソール作製/1000~1万2000円(症例により異なるため、詳細は医院へお問い合わせください)