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腹腔鏡での日帰り手術などに反映
患者を思うクリニックの理念とは

ALOHA外科クリニック

(品川区/不動前駅)

最終更新日:2021/10/12

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  • 保険診療

医療機関は、必ず理念を持ち患者の診療にあたっているものだろう。手術を行う医療機関であれば、安全面にも直結するためなおさらだ。鼠径ヘルニアの日帰り手術に力を入れる「ALOHA外科クリニック」も同様で、新谷隆院長以下、スタッフが一つの理念のもとチームを組み、患者の診療にあたっている。同院の理念は、医療という観点だけでなく、患者が早く元の生活に戻れるよう、また住み慣れた家で最後まで過ごすことができるよう、患者や家族を縁の下から支えている。「理念は患者さんとクリニックを結ぶ絆です」と話す新谷院長。外科という目線だけでなく、多方面から患者を支援する同院の理念とそれに基づく診療内容について話を聞いた。

(取材日2021年3月24日)

思いやりやもてなしの精神があって、初めて患者に寄り添う診療ができると考えて

Qクリニックの理念についてお教えください。
A
1

▲ホスピタリティーの心を持ち、トータルに診ていきたいと話す院長

住み慣れた家で自分らしい暮らしを最後まで継続できるよう、外科学を基盤とした診療で支援できるクリニックであることです。クリニック名は、ハワイ語の「思いやり」「協調」「礼儀、喜び」「謙虚、素直な心」「忍耐」の頭文字から取りましたが、クリニックの特徴となる診療ともかけているのです。「外来手術(日帰り手術)」「腹腔鏡下(鏡視下)手術」「手術室」「ヘルニア修復術」「アドバンス・ケア・プランニングと緩和ケア」。これらを英語表記して頭文字を取ると「ALOHA」になります。医療技術だけでなく、ホスピタリティーの心を持ち、培ってきた外科的な視点を生かして、患者さんをトータルに診ていきたいと思っています。

Qどのようなご経験からそういった考えに至ったのでしょうか。
A
2

▲手術や診療などについて、ミーティングを行う

僕は医学部卒業後に、肝臓外科の臨床や研究に携わったり、内視鏡の技術を習得したりしていたのですが、当時は今のように外科が細分化されておらず、そのおかげで、患者さんの術後ケアやがん性疼痛の緩和ケアなど、幅広い分野を学ぶことができました。例えばがん末期の患者さんも、自宅にいるだけで医療用麻薬の量が減ることも多いのです。それだけ、住み慣れた環境には特別な何かがあるのでしょうね。医療機関を否定する気持ちはありませんが、家で過ごしたいと思っている方には、できる限りその思いをかなえてあげたいと思っています。

Q鼠径ヘルニアの日帰り手術も患者を思って始められたとか。
A
3

▲腹腔鏡で日帰り手術ができることを知ってもらいたい、と話す院長

腹腔鏡の手術を長年行っていくうちに、鼠径ヘルニアには潜在的な患者さんが多いことに気づきました。また、病院勤務をしていると患者さんが家に帰りたいと思っていても、リスクを考慮して入院をお願いしていました。腹腔鏡下手術であれば日帰りで可能なのに、それがかなわないというもどかしさがあり、いつかは自分が得意とする腹腔鏡で鼠径ヘルニアの日帰り手術を実現させたいと思うようになりました。鼠径ヘルニアは、年間30〜40万人の患者がいると推定され、手術をされる方はそのうちの約半分、しかも腹腔鏡による日帰り手術は、わずか数パーセントといわれます。多くの方に腹腔鏡で日帰り手術ができることを知ってもらいたかったのです。

Q先生から見てスタッフの方々はどのような存在ですか?
A
4

▲One Teamとなり、ホスピタリティーの精神を大切にする

なくてはならない存在であり、One Teamです。手術後の患者さんの体を気遣うのはもちろん、お茶や飲み物をお出ししたり、おなかが空いた患者さんには、私が一番出汁をベースにこだわって作るカレーをお出ししたりして、ALOHAの言葉に代表されるように、ホスピタリティーの精神で患者さんに接してくれていますね。ちなみに、手術直後に食事をしても大丈夫なのかと皆さん心配しますが、鼠径ヘルニアの手術は、基本的には腸そのものに侵襲のある手術ではないので問題はないと考えています。患者さんは手術前日から食べていないので、手術後は水分補給や食事などをしていただいています。

Q先生は「人生会議」の普及にも尽力されているとお聞きしました。
A
5

▲本人の意思を尊重できるよう取り組む

人生会議とはアドバンスケアプランニングのことで、日本ではいまだ十分に普及しているとは言えません。もしもの時に、患者さんが望む医療やケアを、前もって家族や医療チームと話し合い、共有する取り組みです。厚生労働省も力を入れています。いざというときにどこで過ごすかを話し合っておくことで、実際にその時が来た際に、本人の意思を尊重できるようにするための取り組みが人生会議です。家が好きだという方もいれば、医療機関のほうがいいという方もいます。パートナーやご家族と、事前に思いを伝えておく機会を設けてもらいたいと思っています。医療の立場から患者さんの思いが実現できるように、当院もお手伝いさせていただいています。

ドクターからのメッセージ

新谷 隆院長

当院では患者さんの負担を考慮して、午前中に手術をして午後には帰れる、鼠径ヘルニアの日帰り手術を腹腔鏡で行っています。そして手術後は、手作りカレーをはじめとした、さまざまなサービスをご用意し、リラックスして帰っていただきたいと考えています。実は、カレーは訪問診療時にも患者さんにお届けすることがあるんです。食べることは生きることにつながります。医療や食を通して、多くの方々ともつながりができました。鼠径ヘルニアは、腹腔鏡下で行えば、傷も小さく体への負担が少ないメリットがあります。少しでも早く元の生活に戻れるよう、私たちは最大限の努力を惜しまないつもりです。

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