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松尾 綾 院長、吉田 真由美 さんの独自取材記事

西新中央商店街歯科クリニック

(福岡市早良区/西新駅)

最終更新日:2021/10/12

松尾綾院長、吉田真由美さん 西新中央商店街歯科クリニック main

福岡市営地下鉄空港線の西新駅から徒歩2分。その名のとおり商店街の中に位置する「西新中央商店街歯科クリニック」は、2020年1月に松尾綾院長が開業し、患者に予防の知識を啓発することにまい進している。同院では「痛みが出た箇所を削るだけでは根本的な解決につながらない」という考えから、口腔内を徹底的に検査することで問題点を探り出し、経験豊富な歯科衛生士が予防法や栄養管理について指導。患者が自主的に口腔内の健康を意識できるような情報を伝えることで、歯科は治療をする場所というイメージから、自分の健康を守るために通う場所だという意識改革を図っている。丁寧に言葉を紡ぎながら話す姿が印象的な松尾院長と、歯科衛生士の吉田真由美さんに、同院の特徴である予防を中心に話を聞いた。

(取材日2020年12月15日)

痛みを抱えないよう予防の知識を広めることを重視

このクリニックの特徴を教えてください。

松尾綾院長、吉田真由美さん 西新中央商店街歯科クリニック1

【松尾院長】これまでの歯科は、「治療する場所」というイメージが大きかったと思うのですが、当院では予防の知識を広めることを重視しています。私はこれまで、聖マリア病院や九州大学病院で勤務し、口腔外科や小児歯科などの治療をメインにしていました。ただ、同じく歯科医師である夫が長崎県対馬市で開いている歯科医院で、予防をメインにした診療スタイルを目の当たりにしました。そこで、これまで治療に深く関わってきたからこそ、予防の知識を患者さんに広めていくことが大切だなと改めて感じました。対馬は歯科が少なく治療までに時間を要することもあり、そもそも治療まで至らないようにするために、予防の意識を高めることが必要だったんです。福岡市で開業して患者さんと向き合っていると、まだまだ予防の意識が低いと感じるので知識を広めていきたいと思っています。

それまで治療がメインだった先生ですが、どんな部分で予防の大切さを感じられたのでしょうか?

【松尾院長】治療をどんなに頑張っても、歯科医師の力だけではどうにもできない部分があるんです。どんなに良い治療をしたとしても、患者さん自身が日々のお手入れを怠ると、口腔内の健康は長持ちしませんし、悪化するばかりです。患者さんご自身に予防への意識がないままこちらが治療してしまうと、結果的に口腔内の健康を維持しにくいことをすごく悲しく感じていたんです。これまでは専門的な治療に関わってきましたが、患者さんの根本的な考え方を変えていくことが必要だと改めて感じました。そこを疎かにしない歯科としてやっていきたいですし、それは必ず意味があることだと思っています。まずは患者さんの意識を変えることから取り組んでいます。

まだまだ、歯科は治療をする場所だと思って来院する方も多いのではないでしょうか?

松尾綾院長、吉田真由美さん 西新中央商店街歯科クリニック2

【松尾院長】「痛いからとにかくどうにかしてほしい」と来られる方もいますが、ただ治療するだけでは再発と治療を繰り返す悪循環に陥り、いずれは自分の歯を失うことになってしまいがちです。まずはお口の中の根本的な問題点をつきとめて、そこから改善していくことが重要です。当院では、歯科医師の私は裏方で、歯科衛生士がメインで患者さんと接することになります。経験豊富な歯科衛生士たちがしっかり時間をかけて説明し、口腔内に対する意識の変化につなげてくれています。コンセプトを理解して来院してくださる方には継続してお越しいただいてもらえますし、その分良い変化をもたらせていると思います。当院には幅広い世代の方が来院されますが、中でも若い世代の方が多い印象があります。若いうちから口腔内の健康を意識することはとても大切だと思いますね。

口腔内環境把握のために、まずは徹底的な検査を

診療がどのように進んでいくか具体的に教えてください。

松尾綾院長、吉田真由美さん 西新中央商店街歯科クリニック3

【吉田さん】まずは問診を通して患者さんが何を求めているかをしっかり把握していきます。患者さんが望む未来をサポートするために、口腔内の健康について一緒に考えていきたいと思っています。歯を失う原因は、主に虫歯、歯周病、噛み合わせの悪さの3つだと考えています。口腔内の環境をしっかり把握するため、来院された方全員にさまざまな角度から今のお口の中を調べ、現在の病気のリスクを診断します。さらに、エックス線撮影、歯周組織検査、歯周ポケットの測定など細かく検査していきます。その結果を分析して資料をつくり、検査結果をもとに患者さんに説明していくという流れです。患者さんの口腔内がどういう状況なのかご自身で知ってもらうことで、歯を失うリスクを減らすことにつなげていきたいです。

患者さんご自身が知識を持つことが大切だとお考えなのですね。

【吉田さん】患者さんご自身が情報を持っていないからこそ、口腔内に関する意識が低くなってしまうというのが現状だと思っているのです。当院で口腔内に関する情報を得ることで、自分がより健康になる道があると気づいてもらいたいですね。当院にお越しいただいている間に少しでも多くの知識を得て帰ってもらいたいので、待合室には一般的な雑誌は置かず、健康に関する雑誌だけを置くなどの工夫もしています。患者さんと健康についての話ができることは、私たちとしても非常に楽しいですし、やりがいになっています。痛みがあると歯を削る、となりがちですが、本当はもっと違うアプローチもあるはずなんです。当院では歯はできるだけ削らず、お口の中の根本的な問題点を改善していくことをめざしています。当院の歯科衛生士たちは、患者さんの口腔内の状況を把握し、しっかり伝えていく力が高いと思います。

来院を重ねる患者さんはどんどん健康に関する意識が変わっていきそうですね。

松尾綾院長、吉田真由美さん 西新中央商店街歯科クリニック4

【吉田さん】開業して約1年がたち、当院の考えが少しずつ根づいてきているという印象を受けます。定期的に来院してくださる患者さんは、当院に来る時だけでなく、さまざまな場面において患者さんが自主的に自分の健康を意識してくださるようになっていると思います。患者さんが自分の中に情報を落とし込んで、健康のためにさまざまなことを実践されている姿を見ると感動しますよ。結局、健康でいられるのも不健康になってしまうのも、自分自身が要因をつくり出しているともいえるので、患者さんがしっかり健康を維持できるようなお手伝いをしていきたいと思っています。

全身の健康に着目し、栄養指導にも力を入れる

栄養指導も取り入れているそうですね。

松尾綾院長、吉田真由美さん 西新中央商店街歯科クリニック5

【吉田さん】当院が栄養指導にも力を入れているのは、全身が健康でないと口の中も健康でいられないと考えているからです。実際に、栄養指導から生活習慣の改善を図られたケースもあるんですよ。当院に通われている患者さんで、頭痛や口内炎ができやすいなど不定愁訴を持つお子さんがいらっしゃいました。親御さんとともに栄養指導を受け、このままでは良くないということを感じ、家族全員で食生活の改善を実践してくださったんです。規則正しい生活習慣から全身の健康につながれば、そこからより一層口腔内の健康も高めていこうという意識の向上も期待でき、好循環が生まれるでしょう。

予防は子どもの頃からの取り組みも大切なのではないでしょうか。

【松尾院長】お子さんが小さい頃から通ってもらい、予防を実践できると、虫歯がまったくないまま成長していくこともめざせます。そのためには、親御さんの協力が必要不可欠です。どれだけお子さんに指導しても、親御さんの意識が変わらなければ意味がありません。歯磨きの仕方などはもちろんですが、子どもの頃は食べ物やおやつの選び方、食べ方なども重要ですので、当院ではそういう部分の知識もお伝えしています。ご家族皆さんで一緒に当院に通ってもらえれば良いなと思います。

最後に読者にメッセージをお願いします。

松尾綾院長、吉田真由美さん 西新中央商店街歯科クリニック6

【松尾院長】まずは患者さんにこれまでの歯科や口腔内の健康に関する考え方をリセットしてもらいたいです。正しい情報をお伝えしていくことで、歯科に通うことの必要性を知ってもらいたいですね。もちろん、自宅でのセルフケアも大切ですが、そこにプラスして歯科でのケアを組み合わせることが良いと思います。一人でも多くの方に当院の考え方を知ってもらって、「こんな歯科に行きたいな」と思って通ってもらえるような場所にしていきたいですね。私は、誰かの役に立ちたい、苦しんでいる人を救いたいという思いがあって歯科医師になりました。口腔内はもちろん、全身の健康を私たちと一緒にめざしていきましょう。

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