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荒木 裕登 院長の独自取材記事

あらき内科クリニック

(津市/津新町駅)

最終更新日:2022/02/08

荒木裕登院長 あらき内科クリニック main

津市半田に位置する「あらき内科クリニック」。長く地域に根づいてきた「中屋医院」を荒木裕登(あらき・ひろと)先生が引き継ぎ、2020年新たに開業した。荒木先生は内科全般が専門で、一つの臓器にとどまらず患者全体を診ることを心がける。生活習慣病の患者が多いが、生活環境や習慣までを聞き取り、それぞれの人に合った薬の処方、食事、運動のアドバイスを行っている。「どなたにとっても来やすく、気軽に相談できるクリニックでありたい」と物静かな口調で丁寧に話をしてくれるドクターで、「地域の方が長く健康に暮らせるように力を尽くしたい」と抱負を語る。終始、笑顔を絶やさず質問に答えてくれる姿に、患者も安心して診療を受けられるのだろうと想像できた。

(取材日2020年5月19日)

内科全般の疾患や血液の病気を専門として幅広く対応

医師をめざされたきっかけや先生のご経歴について教えてください。

荒木裕登院長 あらき内科クリニック1

私は神奈川県出身で、高校3年生の時に医学部をめざしたいという理由で理系クラスを選びました。35年ほど前ですが、当時は何となく男子は理系、女子は文系という風潮がありました。親戚に医師がいて憧れもありました。また、実は私の父が四日市市、母が津市の出身なんです。小さい頃は三重県によく遊びに来ていてなじみもあったことから三重大学医学部に進学、卒業後は同大の第二内科に入局しました。その頃からシカゴへの留学時代を除きずっと三重県に住んでいます。インターネットもある今、都会の患者さんはいろいろ調べてこられて手厳しいイメージがありますが(笑)、三重県は穏やかな方が多いという印象です。松阪市や伊勢市の病院、大学病院に勤務する中で、10年ほど前から当院の前身である中屋医院に非常勤としてお手伝いに来させていただくようになりました。

この4月に医院を継承し、院長に就任されたのですね。

はい。中屋先生は医局の大先輩であり、少し早いけれども引退されるということで声をかけていただき、お受けした次第です。2年近く前から週に1回、今年に入ってからは週に3回と徐々に勤務を増やしましたので、ほとんどの患者さんを1回は診療したことがあるのではないかと思います。中屋先生には現在、非常勤として外来にあたっていただいています。スタッフはほぼそのままですので、患者さんには安心していただけるのではないでしょうか。待合室のソファーも、壁に掛かっている絵も、さらに診察室にある内臓の模型も手書きのメモもそのままです(笑)。替えたことは、外観を補修し、院名を改めたことぐらいですね。

三重大学大学院や病院ではどのようなご経験を積んでこられたのでしょうか?

荒木裕登院長 あらき内科クリニック2

大学院では指導してくださった先生が血液内科を専門にされていたので、貧血や白血病など血液の病気の研究をしていました。先生の指導は結構厳しく、それもあって一生懸命勉強していましたね(笑)。大学院修了後はアメリカのイリノイ大学シカゴ校医学部に留学し、骨髄移植の研究に励みました。勤務医時代は、病院によって、呼吸器や循環器の疾患、生活習慣病、消化器内科の胃内視鏡など一般内科を担当することもあれば、血液の病気の患者さんが多いと血液内科を任されることもあるなど、求められる役割が違っていました。今思えば、広くさまざまな経験を積むことができてよかったと思っています。

話しやすい雰囲気づくりを心がけ気持ちをくみ取る

消化器、呼吸器、循環器と幅広く内科を標榜されていますね。

荒木裕登院長 あらき内科クリニック3

これまで中屋先生が診療されていたのと同じように、内科全般に対応していきたいと考えています。もともと内科を専門に選んだのも、一つの臓器だけを診るのではなくて、患者さん全体を診たいという思いがあったからです。私は日本内科学会総合内科専門医、日本血液学会血液専門医であり、さらに認知症や緩和ケアなどについても深く学んできました。漢方薬も勉強しており、処方もしています。当院の患者さんは、高血圧や高脂血症、糖尿病など生活習慣病を持っている方がメインになりますが、高齢の方が多く認知症の方も増えてきていると感じます。専門知識を生かしつつ、開業医としてさまざまな症状の患者さんを受け入れて迅速かつ適切に診断し、必要に応じて他の医療機関とも連携していきたいと思っています。

こちらでは具体的にどんな検査が受けられますか?

設備としては超音波検査機器、デジタルエックス線画像診断システム、心電図、骨密度測定機器などを備えており、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査機器や24時間体に装着するホルター心電図の貸し出しも行っています。また、1度の採血で39項目のアレルゲンについて調べることができる検査も可能です。胃の内視鏡検査については従来行っていた経口の検査に加え、新たに経鼻でできる機器を導入しました。経口のものに比べてスコープが細くてやわらかく、咽頭反射も少ないので口からの検査が苦手な方にはお勧めしています。逆に、鼻が痛い、鼻血が出るという方には経口の検査もできます。ピロリ菌検査の結果が陽性の方には保険で除菌も行います。

先生が診療のときに心がけておられることを教えてください。

荒木裕登院長 あらき内科クリニック4

患者さんは気がかりなことがたくさんあると思うのです。実は私もそうなのですが、医師にはなかなか言いづらいこともあるのではないでしょうか。ですから、なるべく話しやすい雰囲気をつくって、何でもお話ししていただけるようにと心がけています。勤務医時代は患者さんの数が非常に多かったのですが、今はその頃と比べると、お一人お一人に向き合う時間が多少持てるようになったかなと思います。開業して1ヵ月以上たち、自分自身の気持ちの上でも休日にゴルフやテニスを楽しめる余裕が出てきました(笑)。中屋先生からは、患者さんとの雑談が大切であり、いろいろ聞き出すためには好きなことを話していただくと良いとアドバイスを受けました。確かにそうすると、打ち解けていただきやすいかもしれませんね。スタッフも、これまでどおり患者さんへの声がけや診察時のフォローを自然にしてくれており、助かっています。

「来やすく相談しやすいかかりつけ医」として尽力

生活習慣病の方が多いとのことですが、どのように診療されていますか?

荒木裕登院長 あらき内科クリニック5

診療には薬物療法、食事療法、運動療法とありますが、実際は薬だけではなかなか難しいこともあります。食事も運動も、患者さんの病態、それぞれのお仕事の事情や生活背景を考えて個別に指導しています。例えば仕事が忙しい独身の方に「きちんとした食事を」と言っても簡単ではありませんし、足の悪い方に「よく運動して」と言うことはできませんので、無理のない範囲でできることをお話しするようにしています。適切なアドバイスをするためにも患者さんのお話を聞くことは大切ですね。血糖値の目標もそれぞれの方に合わせて設定しています。経過によっては薬を減らしたりすることも可能ですので定期的に通っていただければと思います。

改めてクリニックの理念について教えてください。

中屋先生のご配慮のおかげもあり、スムーズに継承できましたので、改めて何かを大きくは掲げていませんが、受診のハードルが高くない、どなたでも来やすいクリニックにしていきたいと思っています。大学の先輩が鈴鹿市で開業されているのですが、以前そこに患者として通院していた時に、和を生かした建物のデザインもさることながら先輩の人柄もあって、アットホームで来やすいところだなあと感じていました。当院でも、スタッフとともに笑顔と誠意を忘れず、そのような雰囲気を持つクリニックをめざしていきたいですね。

これまでを振り返っての医師としての喜びや、今後のことなどについてお聞かせください。

荒木裕登院長 あらき内科クリニック6

病院にいた時も今も、患者さんから「ありがとう」と言われるとやはりうれしいですね。お金を頂いて、さらに感謝もされる仕事というのは他にあまりないのではないでしょうか。高校生の時は漠然とした思いで医学部をめざしましたが、今ではやりがいは大きく、ありがたい仕事でもあると思っています。私の願いは、地域の方々にできるだけ長く元気に暮らしていただくこと。健康寿命の延伸のためには、健診で異常値があったり、体のことで少しでも気になることがあったりしたときに、ここが気軽に「相談してみよう」と思われるクリニックであることが大切です。当院が、末永く、かかりつけ医として頼りにされるクリニックとなれればうれしいですね。

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