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黒坂のぶ 院長の独自取材記事

くろさか歯科クリニック西落合

(新宿区/落合南長崎駅)

最終更新日:2019/08/28

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個人商店や戸建住宅が建ち並び、ゆったりとしたのどかな時間が流れる西落合。そんな町で歯科診療を行っているのが「くろさか歯科クリニック西落合」だ。勉強して社会に貢献できる仕事に就きたいと願っていた院長の黒坂のぶ先生は、かつての夢を地域住民の歯を守ることで現実にした努力の人である。そんな黒坂先生はこのクリニックを開業する前に大病を患った。しかし病床においてさえ先生の頭に浮かんだのは、不自由な体でベッドに横たわる人たちの歯科診療についてだったという。無事に手術も終わり、こうして歯科医師として復帰した現在は、その時心に描いた訪問診療を実現すべく、毎日忙しく患者たちの診療にあたっている。場所柄なのか患者にはお年寄りが多いそうだが、取材中ずっと笑顔が絶えない姿を目の前にしていたら、その理由がわかったような気がした。誠実さが内面から滲み出た、地域医療に根差した女性歯科医師の思いをお届けしよう。
(取材日2012年3月15日)

人の役に立つ仕事がしたい――その一心で文学部から歯学部への転学を決意

文学部から歯学部に転学されていますが、なぜ歯科医師を志したのでしょう。

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私は京都の立命館大学文学部で学んでいましたが、人生にいろいろ迷うところがでてきて、生き方を変えたいと思うようになったんです。そして、将来は社会に貢献したいと考えるようになりました。そして、人の役に立つ仕事に就きたいと考えていたら、今は麻酔科医となっている姉が、当時まだ学生だったんですけれども、「やり直すなら医者がいい」というアドバイスをくれて、鹿児島大学の歯学部に入学し直しました。私の親は教師で「自分が興味関心のあることを追っていけばいい」という教育方針だったので、進路の変更などを自由にさせてくれました。そんな両親になるべく負担をかけないためにも国立大学に入りたいという気持ちは強かったです。それまでは文系だったのに理系の勉強をしなければいけないので、試験勉強はかなり頑張ったかもしれません。当時は20歳を過ぎていたので「もう遅いかも?」と不安に感じたこともあったけれど、諦めずに頑張ったからこそ今こうして歯科医師の自分がいるので、あの時決断して本当に良かったと思います。

個人でクリニックを開きたいという思いは早くから持っていたのですか?

ここで開業できたのは偶然でした。いわゆる居抜き物件というもので、以前もここは歯科医院だったんです。そのドクターが実家に帰ることになり次にやる人を探していたそうですが、そこで知人からやってみないかと紹介されました。開業ともなると普通は1、2年くらい準備が必要だと思うんですけど、そんなわけで場所を探したりする手間もなく、周囲がサポートしてくれたこともあって、話をいただいてから3ヵ月後には開業していました。だから西落合という場所についても、最初はほとんど知らない状態だったんです。実際に開業してから感じたのは、新宿区とは思えないようなのどかな町だなということ。緑も多いし、駅からも近いし、ここで開業できて本当に良かったと思います。古くから住んでいる人たちも多いせいか、うちのクリニックには高齢者の患者さんもたくさん来院されますが、毎日笑顔の素敵な患者さんたちに会えて楽しいですよ。

先生が診療する際に心がけていることを教えてください。

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学生の頃に授業で使っていたある入門書があって、そこの前書きに次のような内容のことが書いてあったんです。「患者と医師の間に信頼関係がないと診療はうまくいかないが、信頼関係を作る方法は自分が尊敬されようとすることではなく、患者を尊敬することだ」と。そして「患者を尊敬するためには、それができるだけの知性や教養が必要」ともありました。歯学部の教授を退官された後、開業された先生の言葉でした。12〜13年も前に読んだ文章ですが、自分がこうして実践すると本当にそうだなと思いますね。患者さんを尊敬できた時、信頼関係が生まれているのです。まだまだですけど。日頃からスタッフにも患者さんを尊敬していこうねと言っています。もっとも、私はこんなふうにおしゃべりなので患者さんには治療の説明もするけれど、世間話もよくするんです。私自身、患者さんの話を聞くのが、本当に好きなんです。おしゃべりしている時間も長くて、逆に「今、集中してるからちょっと黙っててください」なんて患者さんにお願いすることもあるくらい(笑)。そんなふうに和気あいあいとした雰囲気をこれからも大事にしたいですね。

70歳になっても楽しく食事できるように、今から歯のケアを行うことが大切

幅広い診療科目を取り扱っていますね。

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矯正治療に関しては矯正専門の歯科医師がいるのでそちらに任せていて、それ以外の診療――虫歯や入れ歯などの治療は私が担当しています。インプラント治療も基本的には私が行っていますが、特殊な治療の場合は大学から専門ドクターに来ていただいて診てもらっています。ここでは悪くなった歯をきちんと治すのはもちろんのこと、それ以上に「維持するためにはどうすればいいか」という方向の診療に力を入れています。治して終わり、では結局繰り返しで、また虫歯や歯周病になってしまいますからね。虫歯でも歯周病でも、なってしまった理由を考えることが大事だと思っています。そのため生活習慣を聞いて改善するように説明するなど、対症療法だけで終わらない治療を取り入れています。治療をする場合も患者さんに納得していただくことが大切なので、一眼レフで口腔内写真をできるだけ撮って1年前と1年後の状態を比較したり、パソコンのアニメーション動画を使いながら説明するようにしています。

成人だと虫歯と同じく歯周病の方が多いと聞きました。

歯周病は自覚症状がほとんどないので、皆さんなかなか歯医者に行こうとは思わないのでしょうが、現在、歯周病に罹っている成人は全体の7〜8割という高い数字におよんでいます。例えば口臭や歯の並びが変わったなどの症状が発見のサインになるでしょうし、あとは歯茎の出血なども多いですね。歯がぐらぐらしてきた時にはかなり症状が進んでしまって末期の状態なので、そうならないためにも定期的な検診や処置が必要です。基本的には、とにかく、細菌のコントロールです。正しいブラッシングを覚えてもらった上で、私たち専門家が、歯石と、バイオフィルムという細菌の膜を除去することで、歯周病の原因である細菌はコントロールできます。そして、私自身、これからは歯周病の治療を専門にしていけるよう、もっと勉強していきたいと思っているんです。先日、あるドクターのブログにて「今年が一番勉強した」と言う文章を見ました。その方は歯科医師生活17〜18年目のベテランですが、まだ学ぶ姿勢に感銘を受けました。一つひとつ勉強できるのがこの仕事のいいところなので、私ももっと学んでいこうと強く感じています。

読者の中心である20〜50代の女性が気をつけるべき点などありますでしょうか。

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歯周病の予防や治療をしているかしていないかで、この先の歯の状態が大きく変わるので、今から始めていただきたいです。行きつけの美容院などはあるのだから、歯のかかりつけ医があってもいいのではないでしょうか。歯というのはアンチエイジングの一環でもあるので、悪くなる前から歯科医師や衛生士と一緒にケアしていくことが大事です。実は70歳になる女性の患者さんに「このくらいの年齢になると肌より歯よ」と言われたことがあったんですが、本当にその通りだと思いますよ。人によって歯周病のリスクは異なるのですが、自分のリスクを知った上で、リスクに応じたケアをしていくことがポイントですね。歯というのは食べることに直接的に関わってくることなので、自分の歯で噛めることは大きいと思います。食べたいものが食べられる、しっかり食事ができる、これからの生活のクオリティーのなかで一番必要なことですからね。

病床で考えた「訪問診療」。今後はさらに地域住民のために貢献していきたい

印象に残っている患者さんはいらっしゃいますか?

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どの患者さんも印象深いですよ。自分が何かをして、直接「ありがとう」と喜んでもらえる仕事なんて、あとはご飯屋さんくらいですからね(笑)。人の役に立つ仕事ができて本当に毎日が楽しくて充実しています。鹿児島大学を卒業してから同大学に入局し、その後、都内や神奈川の歯科医院の勤務医を経てここを開業したのが2010年のこと。その約1年くらい前に、半年間で3回も入院するような重い病気をしたことがあったんです。どうなるかわからないので歯科医師の仕事も一旦辞めたんですが、入院する時に患者さんから「これからは空を眺めて過ごしてください」と空の写真集をもらったことがあって、それはとてもうれしかったですね。おかげさまで、今では、病気をしたことを忘れるくらい、すっかり元気になりました。

無事に手術が終わって元気になられて、本当によかったです。

ありがとうございます。今も定期的に検査は受けていますが、この通り調子も万全です。実はその入院時に強く思ったのが「歯科の訪問診療」についてでした。重い病気の方も多い大学病院でしたから、入院患者さんの中には体が不自由な方もいらっしゃいました。そうした人のなかには歯が悪くなっても治療に出かけることが大変な方もいらっしゃいますよね。だから私は思ったんです。歯科医師として復帰したなら、訪問診療をしなくちゃいけないと。現在は外来診療だけで手いっぱいでその思いは果たせていませんが、将来的にはドクターの数を増やすなどして、訪問診療を行いたいと考えています。周辺地域にはお年寄りがたくさん住んでいらっしゃって、うちには97歳の患者さんも通院されています。その方はご自分の足で歩いて来られているけれど、外出できない高齢者もきっと多いと思うので、早く実現させたいですね。

お体をいたわりながら、これからも地域の方たちのためにがんばってください。

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開業してから2年。今やっと落ち着いてきた状態です。休みの前日などは仕事とは全く関係ない友人たちとお酒を飲んだりして楽しく過ごしています。これまでは健康管理なども特にやっていなくて近所を散歩するくらいだったんですが、歯科医師の自分が倒れてしまっては患者さんに申し訳ないので、これからは何か運動なども始めていきたいですね。入院中、担当のドクターがこんなふうに説明してくださったんです。「あなたが歯科医師だということを考えて治療をしていきたい。そのためにこの手術は必要なんだ」と。自分がひとりの人間として大事にされていることを実感し、同じ医師としてとても勉強になりました。だからこそ、歯の治療を通して、すべての患者さんを、ひとりの人間として大事にしていくことが、これからの私の仕事だと思っています。今でもあの時のことを思い出すと身が引き締まる思いがします。私ももっと勉強をして、それを患者さんに還元していきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント:30万円~
マウスピース型装置を用いた矯正:3万円~5万円
全体矯正:65万円~70万円
部分矯正:5万円~35万円

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