医療法人三育会 新宿ヒロクリニック

医療法人三育会 新宿ヒロクリニック

英 裕雄 理事長

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在宅医療に長く関わる中、実感した「看取りは命のバトンの受け渡し」

―先生はずっと医師を志されていたのですか?

いえいえ。一度大学を卒業してから医学部に入り直したんですよ。最初に入学したのは商学部だったんですが、卒業後の方向性がまるで見えず、就職する気にもなれなくて。そんなとき、母ががんを患い、「このままじゃいけない、しっかりしなければ!」と一念発起。働くなら手に職をつけようと選んだのが医師でした。おそらく、母の病気を機に医療に触れたことがきっかけになったんだと思います。初めて在宅医療に携わったのは1996年。ちょうど介護保険法案が可決、施行された時代です。高齢化が進み、在宅医療のニーズは高いと実感。実際、地域の高齢者医療の形態がどんどん変わっていく中で、「すでに外来診療や健診に力を入れているクリニックはあるのだから、自分は在宅医療の分野を担っていきたい」と思い、このクリニックを立ち上げました。今でこそ在宅医療も一般的になりましたが、当時はまだ新しい分野で、何もかもがゼロからのスタートと言ってもいいくらい。自分一人で始めたということもあり、医療目標やシステムの構築にとにかく一生懸命でしたね。現在は、新宿の他に銀座、麻布にもクリニックがあり、いずれも24時間365日の診療体制を整え、各担当エリアをカバー。当時も今も、求められる医療に携わっているということに、大きなやりがいを感じています。

―在宅医療に関わっていらっしゃると、お看取りも多いと思いますが。

そうですね。20年近く在宅医療に関わってきましたが、これまでご自宅で看取ることの意義についてあまり整理したことがありませんでした。それが最近、お看取りをされたご家族の方々と話す中で、「看取ったのが親でも配偶者でも、その方の療養の姿からとても多くのことを学んでいらっしゃる」ということに気付いたんです。介護はご家族にとって非常に負担の大きい、人生をも曲げてしまうものと捉えられていますが、実は死の在り方だけでなく、突き詰めていくと、人生や命の在り方を学ぶ機会になっている。命のバトンの受け渡しとでも言うのでしょうか。決して、在宅でのお看取りがすべてとは思いませんが、渡された命のバトンを受け取ることで、ご自身のその後の人生をどう生きて行ったらいいのか考える、大事なきっかけになっているのではないかと思いますね。

―お忙しい先生。ご自身の自由な時間はどのように過ごされているのでしょう?

比較的ゆっくりできるのは夜になってからのことが多いので、やはりお酒を飲むことでしょうか(笑)。あと、ダンスが好きなので踊りに行くこともありますよ。ソシアルダンスではなく、いわゆる昔のディスコ系のダンスなんですけどね。体を動かすのはとても気持ちいい。気分転換できたほうが、色々な意味で自分自身にとってバランスがいいと思いますし、貴重なリラックスタイムになっています。



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