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菊池 重成 院長の独自取材記事

きくち歯科医院

(新宿区/初台駅)

最終更新日:2024/02/15

菊池重成院長 きくち歯科医院 main

「きくち歯科医院」は、京王新線・初台駅から徒歩約5分。宮内庁病院の歯科医長などに従事した先代院長から同院を引き継いだのは、息子で歯周病治療を専門とする菊池重成先生。東京医科歯科大学大学院卒業後、ハーバード大学歯学部歯周病科に留学しインプラント治療を学んだ経験もあり、歯周病とインプラントの治療に力を注ぐ。肩書きを見ると身構えてしまうが、菊池院長は笑顔が印象的な気さくな先生で、休みには家族で海外旅行をしたり、歯科医師会の仲間と山登りへ行ったり、アクティブな一面も。そんな菊池院長に、持ち前の行動力で尽力している医科歯科連携の取り組みや、治療において大切にしていること、後進の育成について話を聞いた。

(取材日2024年1月22日)

掌蹠膿疱症の患者の歯科治療を生涯のライフワークに

こちらにはどのような患者さんが多くいらっしゃいますか?

菊池重成院長 きくち歯科医院1

患者さんの6〜7割は紹介でいらっしゃいます。私が日本歯周病学会歯周病専門医ということもあり、大学病院からの紹介や他の先生からの紹介、ご家族や友人から紹介されて来てくださっている方もいます。あとは当院のホームページを見ていらっしゃる患者さんもいます。また、当院の大きな特徴は、皮膚科の先生と連携して掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)の患者さんの歯科治療に積極的に対応していることです。

なぜ掌蹠膿疱症の患者さんの歯科治療を行うようになったのですか?

掌蹠膿疱症は手のひらや足の裏に膿がたまった膿疱と呼ばれるブツブツができ、それが繰り返される病気です。皮膚疾患は一見関係ないところに病巣があることがあり、掌蹠膿疱症も歯の根の先端にたまった膿や、金属の修復物との関連性が注目されているのです。そもそも掌蹠膿疱症の患者さんの歯科治療に取り組むようになったのは、今から5、6年前に当院の患者さんがかかっている皮膚科の先生と、その方の持病のことでお話ししたのがきっかけなんです。その時、初めて掌蹠膿疱症のことや歯科との関連性について知りました。もちろん掌蹠膿疱症の原因がすべて歯科にあるわけではないのですが、歯性病巣が関係していると考えられる場合、その治療は歯科医師にしかできないことです。これは歯科医師にとって大事な使命であり、今後求められることだと感じました。以来、掌蹠膿疱症の患者さんの歯科治療を生涯のライフワークにする気概で取り組んでいます。

医科と連携して診療を行うことで、どのような気づきがありましたか?

菊池重成院長 きくち歯科医院2

私自身、東京医科歯科大学の出身です。「医科」と「歯科」について教育・研究している大学を出て、今も非常勤講師として籍を置いているわけですから、医科歯科連携についてもっと真剣に向き合ってもいいのではないかと思い、皮膚科の先生と掌蹠膿疱症の医科歯科連携に前向きに取り組んでいるところです。これまで掌蹠膿疱症の患者さんの歯科治療に取り組んできましたが、日本全体では約13万人の患者さんがいるとされており、私一人では到底診ることができません。協力してくれる同志を増やしていかなければと思っているところです。2023年からは勉強会やオンラインセミナーで掌蹠膿疱症と歯科治療に関する講演も行っています。医科歯科連携がこれから重要になってくることは間違いありません。臨床医として開業している身ですが、私の役に立てることであれば、臨床の場、大学と場所を問わず、尽力したいと思っています。

歯周病治療とインプラント治療はメンテナンスが重要

初診ではどのようなことをするのか教えてください。

菊池重成院長 きくち歯科医院3

例えば、歯周病の治療は治して終わりではありません。その後も継続的なケアが必須です。まずは患者さんの初診の資料をそろえるために、口腔内写真撮影やエックス線撮影、歯周病検査などを行います。自由診療になりますが、希望される方には歯周病の原因菌の特定や数値を測るための細菌検査を行います。検査結果を見て、その患者さんにとってのリスクをきちんと評価して、治療やメンテナンスに役立てています。初診の患者さんに必ずお伝えしていることは、「自分の口の中が今どういう状態で、何のためにどのような治療が必要なのかをわかっていることが大事ですよ」ということです。歯周病のリスクを患者さんが正しく理解することは、納得して治療を受けていただく上で重要なことですから、根拠となる理由まできちんと説明します。

継続したメンテナンスの必要性を患者さんに理解してもらうために、心がけていることはありますか?

歯周病はどんなに良い治療をしてもメンテナンスをおろそかにしてしまったら、結局はまた悪くなってしまいます。ですから、歯周病の継続的なケアには、歯科衛生士と患者さんが信頼関係を築くことも非常に大事になってきます。自分のことをよく知ってくれて、自分のために尽くしてくれる人がいると、とても安心ですよね。当院の行動指針の一つに、「コミュニケーションを大切にし、自分の良さを生かして行動する」というのがあります。当院のスタッフにはその指針に基づき、患者さんに寄り添い、生活背景や家庭環境、経済的な問題などからも歯周病になってしまう理由を把握し、どうすることが最良かを考えてケアにあたってほしいと伝えています。

インプラント治療についても先生のお考えをお聞かせください。

菊池重成院長 きくち歯科医院4

失った歯を補うのがインプラント治療です。インプラントも治療後の継続的なメンテナンスが非常に大事になってきます。ですから、いきなりインプラント治療をすることはありませんし、誰にでも勧めるわけでもありません。歯周病や虫歯の治療をきちんと済ませ、日々の歯磨きがしっかりできて、継続して定期的に通っていただけるなど、「この方ならインプラントを入れても長持ちするだろう」と確認できた方にのみインプラント治療をご提案します。近年、高齢になった方が介護施設に入ってお手入れできなくなったときに、インプラントをどうするのかということが問題になっています。当院ではそのようなときに入れ歯などに切り替えられるよう、長期的視野で治療を行っています。

歯の専門家として、患者と信頼関係を築いていきたい

先生が治療をするにあたって大切にしていることを教えてください。

菊池重成院長 きくち歯科医院5

「3つの納得」が伴った治療をすることを大切にしています。1つ目は、治療を受ける患者さんに丁寧に治療方針を説明し、患者さんに納得していただくということ。2つ目は治療をする私自身が納得できる治療であること。3つ目はその治療が今の医療水準に照らし合わせて妥当かを客観的な視点で見定めるということです。何よりも自分が受けたいと思う治療を行うように心がけています。迷ったときは、「その治療を自分の子どもや親に受けさせたいか」ということに立ち返って判断するようにしています。

後進の育成にも精力的に取り組んでいらっしゃるとか。

クリニックでの診療の傍ら、東京医科歯科大学歯学部歯周病学分野の非常勤講師として、歯周病の専門家をめざす若手の歯科医師を対象に歯周病外科治療に特化したカンファレンスを月に1〜2回行っています。今年で19年目になります。日本ですと、どちらかというと現場に出て実地で技術を習得することが主流ですが、アメリカをはじめ歯科医療先進国では、どういう考え方で治療し、どのような結果を想定しているのかといった、科学的根拠に基づいた学び方が重んじられています。私自身も歯周病外科治療を体系的に教わらなかったので、それを現場に出る前に理論的に学べる機会があれば、教育の場にも貢献できるのでは、という思いで続けています。自分のスキルを自分だけにとどめず、後進にも役立ててもらえたらと思っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

菊池重成院長 きくち歯科医院6

歯科治療は、歯科医師と患者さんが同じ方向を見て、同じペースで進んでいくことが大事です。それには「先生にはなんでも聞ける」という関係性をつくることが大切だと思っています。なんでも聞ける専門家が身近にいるということはすごい財産なんですよ。患者さんにそう思ってもらえる存在になりたいですね。引っ越しなどで場所を移るときなどは教えてほしいですね。大事な患者さんですから、自分が治療しなくても、その方に合った先生に続けて診ていただきたいと思っているので、喜んで紹介状を書かせていただきます。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/45万円~、細菌検査/5000円

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