なかなか他人に相談しにくい
頻尿や尿漏れの改善に向けて
せたがや泌尿器腎クリニック
(世田谷区/桜新町駅)
最終更新日:2021/10/12


- 保険診療
頻尿や尿漏れなどに悩んでいても、医療機関にはなかなか行きにくいと思っている人も多いだろう。特に女性は恥ずかしさが先に立って、ますます敷居が高くなりがちだ。「せたがや泌尿器腎クリニック」の中村圭輔院長は、「尿漏れや頻尿は、何らかの原因があって引き起こされています。男性では前立腺肥大症、女性では過活動膀胱が原因となっていることが考えられます。根本的原因を探り適切な治療を受けるためにも、泌尿器専門のクリニックを受診していただきたいですね」と話す。同クリニックでは、女性でも気軽に受診できるように待合室からトイレ、診療室まで男女別に設置しているという。頻尿や尿漏れの具体的な症状や治療方法について、中村院長に話を聞いた。
(取材日2019年12月27日)
目次
女性に多い尿失禁。生活の質向上のためにも早めに相談を
- Q頻尿や尿漏れについて教えてください。
-
A
▲日本泌尿器科学会泌尿器科専門医をもつ院長が診察してくれる同院
尿が近い、尿の回数が多い症状を頻尿といいます。排尿回数が日中は5~6回、夜間は0~1回が正常とされていますが、日中7~8回以上、夜間は2回以上ですと頻尿と診断されます。尿漏れは医学的に尿失禁と呼ばれます。自分の意識にかかわらず急に尿がしたくなって我慢できず漏れてしまう切迫性尿失禁と、重い物を持ったときやおなかに力を入れたとき、咳やくしゃみをしたときなどに思わず漏れてしまう腹圧性尿失禁という2つのタイプが多くみられます。頻尿や尿漏れが気になって映画館や旅行に行けないといった悩みを持っている人も多く、生活の質の低下を招きます。日常生活に支障が出てきたと感じたら、早めに泌尿器科を受診しましょう。
- Qどのような人がなりやすいのでしょうか?
-
A
▲自己判断せず、まずは専門機関に相談をしてほしい
切迫性尿失禁は、過活動膀胱という疾患が原因であることが多いです。過活動膀胱になっている人の数は最近の調査で800万人以上といわれ、女性は約580万人以上にも上ると考えられています。それほど女性に多くみられる疾患です。加齢によって膀胱や尿道を支えている骨盤底筋と呼ばれる筋肉が弱ってしまうと、過活動膀胱や腹圧性尿失禁が起きやすくなります。腹圧性尿失禁は出産に伴って症状が出る場合もあります。肥満の方やご出産が多かった方も腹圧性尿失禁になりやすいですね。男性では、前立腺肥大症が頻尿の大きな原因と考えられます。
- Qそのまま放っておくと何かリスクはありますか?
-
A
▲「来てよかった」と思える診察を心掛ける
頻尿や尿漏れは生死に深く関わる症状ではありませんが、生活の質と深く関係しています。トイレが心配で好きなことを楽しめなくなったり、夜間頻尿によって睡眠の質が悪くなったりすることもあります。男性の場合は前立腺肥大症が進行すると、尿が膀胱にたまっているにもかかわらず尿が出せなくなる尿閉という状態を引き起こす場合もあります。さらに腎臓の機能低下を招くことも考えられます。腎臓疾患は自覚症状がないまま進行し、症状が出たときには悪化しているケースが多くみられます。女性の場合、骨盤底筋群がさらに衰えると骨盤内の臓器が下がってきてしまう恐れもあります。こうした事態を引き起こさないためにも早めに受診してください。
- Q泌尿器科専門のクリニックを受診するメリットを教えてください。
-
A
▲泌尿器科のイメージを払拭させたい
より専門的な検査や診断ができるのは泌尿器科専門のクリニックならではです。泌尿器科の医師はさまざまな泌尿器疾患の治療経験がありますので、専門的な話でもわかりやすく噛みくだいて説明します。膀胱炎になった人が内科を受診して抗生物質を処方され、何となく治ったということもあるでしょう。ですが、膀胱炎のような細菌感染症は耐性菌の出現も考えられますので、より精密な検査を行う泌尿器専門クリニックを受診して診断を受けたほうが良いと思います。また、当院では通常20~30分かかる尿検査を70秒で結果がでる機器を導入しています。他院での治療後のフォローについても、専門クリニックならば相談に応じられます。
- Qこちらではどのような治療を受けられるのでしょうか?
-
A
▲泌尿器科が少ないこの地域では心強い存在
尿失禁や頻尿を引き起こしている根本的な原因を探り、その原因疾患に対して専門的な治療を行います。診察では、問診票と過活動膀胱チェックシートをもとに詳細な問診を行い、同時に、尿検査やエコー検査など必要な検査を行って診断します。治療は薬物治療と生活指導が主となります。生活指導では骨盤底筋群を鍛える体操や、尿意を自分でコントロールする力をつけるための膀胱訓練など自宅でできるトレーニングなどについてお伝えします。もしより高度な治療や手術が必要であれば、これまでの経験から泌尿器科医師のネットワークができていますので、症状に合わせて適切な病院を紹介します。また、手術後のフォローも当クリニックで行います。