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西大條 文一 院長の独自取材記事

金王坂クリニック

(渋谷区/渋谷駅)

最終更新日:2020/10/08

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渋谷は金王(こんのう)八幡神社下のビル2階にある「金王坂クリニック」。ビジネスパーソン、留学生、高齢者など幅広い患者が訪れる同院が標榜するのは、内科と漢方内科、感染症内科、精神科。西大條文一(にしおおえだ・ぶんいち)院長は東西の医学史・医療史の研究をベースに、西洋医学と漢方医学の知識を融合させた治療を実践している。「漢方は効果が出るまでに時間がかかると思っている人もいますが、それは誤解なんです」と話す西大條院長は、HIV検査を個人クリニックとして早くから導入した感染症検査・治療のスペシャリストでもある。その経験を生かし、現在も各種感染症の検査を行っている。そんな西大條院長に、漢方に対する考え方や診療のポリシーについて話を聞いた。
(取材日2020年9月16日)

漢方・感染症治療で培った豊富な経験をもとに開院

どのような症状の患者さんが来られていますか?

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渋谷という土地柄、来院する患者さんの年齢も職業も幅広いですね。感染症といっても風邪や尿道炎などに限らず、オウム病などもありますし、PMS(月経前症候群)に悩む女性や成人病の男性など、訴えも多彩です。当院はイタリア語、フランス語、英語などの外国語対応もしていますので、各国の大使館から紹介された患者さんや留学生も来られます。15分後に結果をお知らせできる、各種性感染症やインフルエンザの迅速検査を院内で行っています。また最近は、新型コロナウイルスの抗原検査を始めましたので、そちらを受検する方も増えていますね。

こちらでは内科のほか漢方内科・感染症内科も標榜していらっしゃいますね。

漢方内科と感染症内科の両方を標榜しているクリニックは珍しいと思います。漢方と感染症がどう関係しているのかと意外に思われるでしょうが、実は現行の漢方の処方の大半は、パンデミック(急性感染症の大流行)の際に人々を救うために編み出されたものなんです。2000年前に古代中国でインフルエンザのような感染症が流行した時の処方を集成した古典もあります。植物、鉱物などの自然素材を組み合わせた処方が病期に応じて記載されており、有名な「葛根湯」も出てきます。しかし、それから1000年ほどすると、SARSのようなパンデミックが何度か起こり、古代の処方では対応しきれない事態が生じるようになりました。そこで今から500年ほど前に「温病学」という学派が生まれ、新しい処方が考え出されました。漢方はパンデミックとともに進化してきたともいえます。当院では西洋医学と漢方の良い点をバランスよく取り入れながら治療を行っています。

先生は漢方と感染症治療、どちらにも精通していらっしゃるのですね。

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当院を開院する前から、長年にわたりHIV(ヒト免疫不全ウイルス)やSTD(性感染症)の研究と検査の普及に力を注ぎ、個人クリニックとしては、早くにPA法やIC法などの迅速検査を導入しました。東北大学在学中から細菌学教室に所属し、研究させていただいたおかげです。漢方に興味を持ったのも、学生時代でしたね。私の父に胆石ができた時、ある先生に漢方薬を処方していただいたことがきっかけです。それから、講義の合間を縫って、故李慶鎬先生の薬局、また四ツ谷、三島の漢方クリニックなどに学びに行き、勉強会などにも参加するようになりました。当時は、中医学全盛で、生薬中心でしたが。

漢方は「病名」ではなく「症状」に向き合いアプローチ

漢方を用いた治療は、どんな疾患に対して行うのですか?

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東洋医学の四診という診断法に基づき、漢方は「内側」ではなく「外側=症状」を診て、治療をします。発熱、腹痛、下痢、顔が黄色くなるなど、人間の体が表現する症状は限られています。長い漢方の歴史の中で、症状と処方のデータはある程度そろっています。それらの帰納と演繹に基づき、外に出ている症状に適切なアプローチをしていくという考え方です。一方、西洋医学はまず「内側」の原因を探り、それに基づいて治療法が決まります。逆に言えば、原因がわからなければ治療が始められません。「西洋医学は火災報知機を止めるもの、漢方は火元を消すもの」という例えが使われることがよくあるのですが、私はむしろ逆ではないかと思っています。漢方には症状や体質に合わせて適切なタイミングと条件で飲むことで、対症療法を続けているうちに、本当の「火元」を治していく不思議な力があると思いますね。

「漢方は効果が出るまでに時間がかかる」とよくいわれますが。

漢方は「高齢者が飲むもの」「長く飲み続けないといけない」と思っている人が意外と多いですね。先ほどお話しした急性感染症の初期に、適切なタイミングと条件、いわゆるTPOが合えば、「葛根湯」のように即効性を期待できるものが少なくありません。それ以外の慢性病は「雑病」といって、むしろゆっくりと効き目の見込める処方が中心になります。いわゆる生活習慣病や、不定愁訴などですね。現在当院ではエキス剤を中心に処方しているので、続けやすいかと思います。

漢方治療はどんな人にお勧めですか?

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漢方はQOL(クオリティー・オブ・ライフ)の向上にも貢献する治療法だと思います。西洋医学は病気の原因を取るために、手術や入院という方法を優先的に考えるケースもあります。それによってこれまでどおりの日常生活が送れなくなることもあるかもしれません。しかし漢方は、今までの生活を中断することなく、QOLを最大限に保ちながら病気に向き合っていく、という考え方です。このような考え方に共感される方には、漢方はお勧めといえるのではないでしょうか。

デリケートなことでも話せる、信頼関係が何よりも重要

先生が診療の際に心がけていることはありますか?

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一に話を聞く、二に話を聞く、三・四がなくて、五に話を聞く。とにかく時間をかけて患者さんの訴えをよく聞くことが、的確な診断に近づくために最も重要なことだと考えています。ご本人は「たいしたことはない」と思っていることでも、実は重要なヒントが潜んでいることが少なくありません。当院では電子カルテを採用せず、紙カルテを使用しています。紙カルテなら患者さんと向き合って、顔や全身の様子を見ながら診察できるからです。目、舌、脈などを拝見し、なるべく患者さんにストレスをかけずに処方を組み立てていきます。昨今は残念ながらアクリル板越しですが、長年の経験で培った直感も大事にしています。

こちらでは外国語対応も可能だそうですね。

イタリア語、フランス語、英語は私が対応し、中国語は中国人留学生に手伝ってもらいながら対応しています。ただ、大切なのは言葉が通じることではなく、信頼関係なんですよね。これは外国の患者さんに限らずですが、医療というのは信頼関係がないと成立しないんですよ。患者は医師に裸になって全身を見せることだってありますし、性病などのデリケートな相談もするんですから。当院には、マイノリティーの方も含めいろいろな方が助けを求めて来られます。そういう方々と信頼関係を築くには、形式的に話を聞くだけではだめなんです。情報をできるだけ開示して、患者さんが心おきなく、なんでも話せるような空気をこちらが努力してつくることが重要だと思います。

読者にメッセージをお願いします。

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当院では心と体を一つ、と考えて診療しています。私はよく「体のバランスを整えていきましょう」と言いますが、「体」の中に心も含まれているのです。心の悩みが改善されなければ体は良くなりませんし、逆に血や気の流れを整えて体の状態を良くしないと、心のコンディションも整いません。そのためにも、当院では、精神科の医師にも非常勤で所属してもらい、患者さんの心の悩みにも耳を傾け、サポートするようにしています。長い経験で培った知識を社会に役立てたいという思いから、2019年4月に開業しました。各種検査も実施しています。不安なことがあれば、SNSを用いたオンライン診療も行っていますので、なんでもご相談いただければ、と思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

新型コロナウイルス抗原迅速検査/1万円(無症状の方のみの検査となります)、新型コロナウイルスPCR検査/3万円(無症状の方のみの検査となります)

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