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河津 寛 院長の独自取材記事

河津歯科医院

(新宿区/新宿駅)

最終更新日:2020/04/01

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新宿駅西口に広がる高層ビル群。その中央に立つ新宿野村ビルの5階、重厚な造りの扉の先に、シックな内装の洗練された空間が広がる。40年以上の歴史がある「河津歯科医院」だ。河津寛院長は1976年に歯科医師になった当時からインプラント治療に注目し、日本における同分野の草分け的存在として、常に最新の技術を追求し続けてきた。その実績の高さはもとより、患者を優しく包み込む温かな人柄を慕って、開業当初から通う人も少なくない。現在も年に2回は海外へ赴き、知識をアップデートしているという河津院長。ポリシーとする「最良の歯科医療を提供し、健口長寿をサポートする」を着実に実現するその姿に迫った。
(取材日2017年10月15日)

日本インプラント草創期から最新技術を追い続けてきた

開業までの歩みについてお聞かせください。

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城西歯科大学(現・明海大学歯学部)に第1期生として入学しました。校舎も機器もすべてが新しく、教授陣もやる気いっぱいという恵まれた環境でしたね。一方、先輩も前例もなく、自分たちで切り開くしかない。そうして学内外を問わず懸命に学ぶ中、出会ったのが保母須弥也先生。米国UCLAで長年教鞭を執られ、世界の歯学界のリーダー的存在だった方です。東京に国際デンタルアカデミー(IDA)という研修機関を設立されていて、僕も夏休みに見学に行っていました。そこでお声掛けいただき、1977年にIDAでの勤務をスタートしたんです。IDAは既に歯科医師として診療現場に立つ先生方が、技術や知識のさらなる向上を求めて学ぶ卒後研修機関です。僕はそこで保母先生の薫陶を受けながら講師を務めました。

早くからインプラント治療に着目されていたのですね。

日本でインプラント治療が認可された前年にはアメリカで研修を受けており、必要な機器を購入して帰国しスタンバイしていました。日本でもかなり早い動きだったと思いますね。当時、日本のインプラント治療の主流は今とまったく別の方式。その技術を「どうだ!」とUCLAの教授に披露したところ、「こんなものインプラントじゃない」と言われてしまいました。それで近代インプラントの最新システムを知り、すぐに日本に導入したという次第です。僕が思うに、今も昔も歯科医療の最先端はなんと言ってもアメリカ。だから1年に2回は渡米して、学会や勉強会に出席しています。

開業に至ったきっかけは何ですか?

開業は歯科医師になった頃からの夢だったんです。だから30代前半という若さで実現させ、ひたすら患者さんの満足を考え努力してきました。その結果クチコミで輪が広がり現在に至ります。30年以上のお付き合いになる方もいらっしゃいますし、台湾やシンガポールから足を運ばれる方もいらっしゃいます。僕が向こうへ行った時は現地でお会いしたりして、交流が続くのは本当にうれしいことですね。

後進の育成にも熱心だと伺いました。

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医療は患者さんが主役。命と健康をお預かりする、失敗の許されない厳しい仕事。だから当院では僕一人で責任をもって診療にあたり、若手の歯科医師への指導は明海大学で行っています。朝日大学歯学部との共同で、開業医の先生たちをサポートする生涯研修部(CE)という制度を推進しており、僕はそこの責任者をしているんです。わざわざ休日を返上してまで働いているのは、向上心を持った若い歯科医師たちとふれあうことが楽しいからですね。大きなやりがいを感じています。

インプラントを神格化せず、広い視野で最善の治療を

診療において大切にしていることは何でしょうか?

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先を見据えて治療を行うことです。例えばインプラントは審美性・機能性が高い上、他の歯を削る必要がなく、取り外しの煩わしさもありません。失った歯を補う技術として優れていると思います。それでも僕はインプラントを絶対だとは思っていません。インプラント周囲炎の罹患率は3~6割と高く、治療後も相当よく管理しなければあらゆる問題が生じます。また、閉経後の女性は骨粗しょう症の治療を受けられる場合がありますが、その薬を服用することでインプラント周囲炎のリスクが高まることがわかってきました。ですから、補綴の選択肢として入れ歯か、ブリッジか、インプラントか、あるいは様子を見るのか、患者さんの年齢や経済状況、全身の状態に合った最善の治療方法を提案しています。

長年研究を重ねてきても、新たにわかることがあるのですね。

まだまだありますよ。インプラントがもたらす噛み合わせへの影響もその一つ。インプラントを入れた箇所は噛み合わせの力が直接骨にかかり、骨がどんどん鍛えられていきます。一方、天然歯にはクッションの役割を担う歯根膜があり、力を吸収するのでそうはなりません。結果的にインプラント側だけ顎骨が成長し、噛み合わせのバランスが崩れるのです。対策としては、定期的に噛み合わせをチェックし、ある程度のスパンでかぶせ物を作り替えることが推奨されます。このことは以前から現象としてわかっていましたが、証明ができたので論文発表の準備を進めています。

ホワイトニングは女性のニーズが多いですか?

年齢や性別問わず受けられます。美しさだけでなく清潔感が出ますから、男性にもお勧めですね。何よりご高齢の方にこそ受けていただきたいです。白い歯になると表情が生き生きとしてきますから。

院内のこだわりはありますか?

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歯科技工所を設けて、技工士を常駐させていることです。患者さんと技工士が直接話すことのメリットは非常に大きいですよ。例えば義歯の色一つ取っても、直接患者さんの歯を見て、要望を聞いて作るのと、歯科医師から間接的に情報を得て作るのとでは、精度に大きな差が出ます。それに「この人の口に自分の手がけたものが入る」と考えたら気合いが入りますし、責任感がより高まるでしょう。陶芸家のように一品物を作るわけですから。それが「患者さんのために作る」という発想です。

患者が歯を失うことは、歯科医師にとっての敗北

清潔に保たれていて、とても快適な院内ですね。

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担当制を敷いて、自分が担当する治療室の衛生と美観に責任を持ってもらう取り組みも行っています。ゴミ一つ、壁に汚れ一つあったら、それは担当者の責任。レストランにゴミが落ちていたら、お客さんはもう来てくれないですよね? 歯科医院も患者さんのお体を扱う施設である以上、同様の厳しい意識を持たなければならないと考えています。院内の衛生管理だけでなく、患者さんへの態度はどうか、説明責任は果たせているかなどの項目から医院を評価するISO9001も取得していますよ。第3者に評価してもらうのは、一般企業では当たり前のこと。同じサービス業である以上「医療だけが特別」という考え方はおかしいと思うのです。

今後の展望をお聞かせください。

「最良の歯科医療を提供し、健口長寿をサポートする」という目標実現に向け、予防・治療の両面で医科との連携をさらに強めたいですね。その一つ、睡眠時無呼吸症候群は、医科では就寝中に鼻から空気を送るシーパップという治療法、歯科ではマウスピースを用いた治療法があります。これらを併用することを内科でも推奨する傾向にあり、当院でも対応していく考えです。マウスピースといえば、着用が義務化されているスポーツもあり、最近はお子さんが着用して競技に取り組む姿が多く見られます。当院でも、スポーツ人口の増加に合わせて提供していきたいと思っています。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

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交通事故で歯を失った場合、保険によっては多額の補償が出るといわれています。つまり、歯にはものすごい価値があるということです。しかし日々のケアを怠ると、抜歯を余儀なくされることになってしまいます。歯は老化しません。虫歯や歯槽膿漏は予防できます。それでも患者さんが歯を失うということは、僕たち歯科医師の敗北でしょう。だから当院では予防に力を入れていますし、毎回の診療では1人1時間ほどかけてじっくり口腔内全体を診ます。こうした取り組みが実を結び、治療後10年間の追跡調査では、非常に多くの方にご満足いただけています。30年前にインプラントを入れた方が、今も問題なく食事を楽しんでおられます。ぜひ皆さんにもこのことをご理解いただき、予防意識を高めていただきたいですね。

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