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QOL直結の「におい」を取り戻すことをめざす
嗅覚障害の診療

京都駅前耳鼻咽喉科アレルギー科クリニック

(京都市下京区/京都駅)

最終更新日:2021/10/12

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  • 保険診療

「食事がおいしくない」「お茶の味が変わった」という味覚異常の悩み。実はそれは嗅覚障害かもしれない。鼻をつまんで食事をすると味がわからないように、嗅覚のトラブルは味覚に大きな影響を及ぼす。しかしその原因は、鼻炎などの鼻詰まり、風邪などをきっかけとした嗅神経の障害、事故や病気による脳のダメージなどさまざまだ。「京都駅前耳鼻咽喉科アレルギー科クリニック」では、専用の嗅覚検査室を設け、嗅覚障害の精密な検査を実施。その原因に応じて、手術や服薬といった治療から嗅覚トレーニング指導など、患者が嗅覚を取り戻せるよう力を尽くす。同院での診療に加わった藤尾久美先生に、嗅覚障害の原因、検査方法、治療やトレーニングについて話を聞いた。

(取材日2020年4月22日)

QOL向上のため「におい」を諦めない。じっくりと取り組む、嗅覚障害の原因に応じた治療とトレーニング

Q嗅覚障害とは、どのようなものでしょうか?
A
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▲嗅覚検査室や各種検査機器も充実

においがわからなくなったり、本来感じるはずのにおいの程度と質が変わってしまったりする症状です。原因は大きく分けて3つあり、1つ目はアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、鼻中隔弯曲症など、鼻詰まりなどで物理的ににおいが届かない状況。2つ目はにおいを感じる嗅神経に届いているけれど、神経が障害を起こしている状況です。例えば風邪などをひいた後の感冒後嗅覚障害のほか、抗がん剤など薬剤の投与で障害が出ることも。3つ目は事故で頭部を強打するなど嗅神経がダメージを受けている場合。脳の腫瘍、脳梗塞や脳出血などでも起こり得ます。またパーキンソン病やアルツハイマー病などで初期症状としてにおいがわかりにくくなることがあります。

Qどのような検査や問診を行うのでしょうか?
A
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▲さまざまな患者の背景に寄り添いながら診断を行う

問診は患者さんの約8割の原因の見当がつくほど大切なもの。「いつからにおいを感じないか」「感じなくなったきっかけ」「違うにおいに感じるか」をはじめ、既往症や現在治療中の疾患、アレルギー体質の有無、頭部を打ちつけた経験があるか、どんな仕事をしているか、飲酒・喫煙状況などを細かく伺います。検査は主に保険適用の基準嗅力検査と静脈性嗅覚検査です。基準嗅力検査は、5つのにおいをそれぞれ濃度順に嗅いで、正しく嗅ぎ分けた濃度の平均値から正常・中等度・強度・脱失を診断します。静脈性嗅覚検査では、においのある薬剤を静脈注射し、呼吸からそのにおいが感じられるかを確認します。

Q治療やその期間などについて教えてください。
A
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▲大学病院と同じクラスの機器を備えた手術室も設備

まず、副鼻腔炎や鼻中隔弯曲が原因であれば手術をし、嗅神経ににおいが届くようにしてあげることで改善が見込めるケースも中にはあります。一方で、風邪をひいた後の感冒後嗅覚障害であれば、早い段階で改善の兆しが見えてくる患者さんもいれば、1年、3年、5年と長期戦となる方も。事故で頭部にダメージを受けた患者さんも同様で、短期間で治療が終わる場合や、何年も治療を継続するという場合もあります。加齢とともに嗅覚も老化するといわれており、年齢に勝てない部分はあるかもしれません。しかし、嗅覚障害の原因をしっかりと見つけ、その原因に応じて粘り強く対処していくことで、少しでも回復していただきたいと考えています。

Qこちらでは治療と併せて、トレーニングも行っているとか。
A
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▲根気強く患者と治療を行う

はい、治療と並行して嗅覚トレーニングを行います。トレーニングは毎日自宅で行っていただくもので、いろいろなにおいをクンクンと嗅いで、嗅神経の再生を促す方法です。これは嗅覚刺激法といってドイツで始まったものですが、ユーカリなど日本人になじみの少ないにおいを活用するドイツでのやり方そのものを使用することはできません。当院では例えば、バニラエッセンスやレモンのアロマオイルなどスーパーや雑貨店などで簡単に手に入る、誰もが知っている強い香りを購入してもらい、休憩を挟みながら1種類各10秒を朝晩2回、毎日嗅いでもらうよう指導しています。

Qトレーニング期間中の受診頻度を教えてください。
A
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▲副鼻腔炎と嗅覚障害を専門とする荻野院長とともに診療を行う

初診から1ヵ月後に服薬やトレーニングの状況、嗅覚の変化などを確かめ、その後は1~2ヵ月に1回程度ご来院いただき、症状が改善している自覚があれば再び基準嗅力検査などを行います。当院は専用の嗅覚検査室を設けており、きちんと診断をつけることができるのも特徴の一つ。これまで治療してきたけれど治りが悪い、もう治らないといわれた方も、一度ご相談いただきたいですね。

ドクターからのメッセージ

藤尾 久美先生

嗅覚障害には原因が複数あり、手術など鼻の中の治療が必要なもの、長期トレーニングが必要なもの、残念ながら改善しないものなどさまざまです。しかしQOL改善のためにも「焦らない」「諦めない」ことが大切です。多くの方は「味噌汁がまずくなった」「コーヒーやお茶の味が変わった」という味覚の変化で嗅覚障害に気づきます。目安としては1ヵ月以上においがわからない、違うにおいに感じられるなどがあったら一度受診を検討してください。当院の荻野枝里子院長も嗅覚障害を専門としており、全国の先生方との強いネットワークを持っています。院長とともに情報、知識をアップデートしながら、より良い診療を提供していけたらと考えています。

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