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岡本 武 院長の独自取材記事

北久里浜皮フ科クリニック

(横須賀市/北久里浜駅)

最終更新日:2023/12/20

岡本武院長 北久里浜皮フ科クリニック main

京急久里浜線の北久里浜駅から徒歩1分の「北久里浜皮フ科クリニック」。同クリニックの院長は、真摯さと優しさを兼ね備えた岡本武先生。クリニック内はオレンジとブラウンを基調とした温かい雰囲気で、岡本院長はどんな質問にも丁寧に誠実にわかりやすく答えることに努める。皮膚病理診断に力を入れており、生検から診断、そして治療までを院内で一貫して行っているのが同クリニックの大きな特徴だ。子どもの皮膚疾患にも親子それぞれの目線に立ち、親身になって対応する。「皮膚病理診断を通して地域の皆さんに貢献したい」という志を抱く岡本院長に、診療についての熱い思いや心がけていることなどを聞いた。

(取材日2020年1月9日/再取材日2023年11月13日)

アトピー性皮膚炎に悩む子どもと保護者に寄り添いたい

先生が医師をめざしたきっかけを教えてください。

岡本武院長 北久里浜皮フ科クリニック1

私自身が幼少期にアトピー性皮膚炎を患っていましたが、その治療法について深く知りたいと突き詰めていくうちに、自然と医師にたどり着きました。開業するまでは、自衛隊横須賀病院皮膚科長として勤務し、海上自衛隊で研鑽を積む中で、地域に貢献したいと強く思うようになりました。開業してからは、子どものアトピー性皮膚炎でお悩みの親子に寄り添った診療を提供したいという思いで診療しています。実際、小さなお子さんのアトピー性皮膚炎でお悩みの親子が数多く来院されます。心配がゆえに、お母さんはお子さんには、「かかないで」と、つい強い口調で言ってしまうと思うのですが、子どもからすれば我慢できないくらい「かゆい」んですよね。子どもの頃は、私もよく親に「かかないで」と叱られたものです。

子どものアトピー性皮膚炎にはどのような治療をされるのですか?

アトピーは肌が弱くてバリア機能が成立していないために症状が出ると考えられています。例えば、擦れるとか、ベルトで圧迫されるといった、肌が刺激を受ける部分に出やすいのです。そこで、発疹を出にくくするために、肌を保湿してバリア機能の成立を促してあげます。毎日軟こうを小さな子どもに塗るのはお母さんにとっては手間のかかることだと思いますが、お子さんが居心地良く過ごすためには、その手助けが必要です。アトピー性皮膚炎の治療の基本は外用薬の調合とコントロールです。子どもたちが「かかなくても大丈夫なようにする」のが、われわれの使命だと思っています。

アトピー性皮膚炎の症状が強い方にはどのような治療を行っているのでしょうか。

岡本武院長 北久里浜皮フ科クリニック2

アトピー性皮膚炎が中等症以上の患者さんに対して、デュピルマブという注射薬を使った治療を行っています。これまで標準治療でなかなか改善しない患者さんに対しては、ステロイドの塗り薬や内服でコントロールするのが一般的でした。ただそれらを継続的に使用すると、体全体の免疫力を低下させてしまう恐れがあります。その点、デュピルマブならば、IL-4とIL-13という物質に働きかけることで、アトピー性皮膚炎の炎症やかゆみ、バリア機能低下を抑制することが期待できます。5年くらい前から始まっている治療法で、当院でも2年前から導入しました。ただし、費用が高額になるため、すべての方に勧めるわけではありません。高額療養費制度を利用する方法もありますので、気になる方は一度ご相談いただければと思います。

専門的な皮膚病理診断を地域にも根づかせ広げたい

紫外線療法も行っているそうですね。

岡本武院長 北久里浜皮フ科クリニック3

はい。過剰な反応を起こしている皮膚症状に対して、エキシマライトという紫外線光源による光線療法を行っています。機器から照射される紫外線には、細胞間の免疫機能の調整に役立ちます。エキシマライトは皮膚疾患の治療で補助的に使うものですが、対象疾患は多岐にわたります。重症度の高いアトピー性皮膚炎や掌蹠膿疱症、結節性痒疹、また尋常性乾癬には日常的に照射しています。2020年4月からは円形脱毛症の方にも保険適用で行えるようになりました。今まで治療が困難とされていた疾患でも、容易にコントロールできることが期待できます。当クリニックではこだわって選んだ機器を導入しています。

その他、多いご相談内容はどんなものがありますか?

しみや巻き爪のご相談も多く受けますね。しみにはさまざまな種類があります。加齢による老人性色素斑などは、当クリニックに備えている中周波治療器で対応できます。これで加齢による浅いしみに対処しています。ただ、真皮にまで及んでいるしみには別の方法が必要ですし、しみだと思っていたら悪性黒色腫だったということもあり得ますので、しみは皮膚科医師に診断してもらうことが大切です。しみを取りたいと思われている方も、まずは皮膚科にかかっていただきたいと思います。特に、女性にとってお顔は大切な部分ですので、当クリニックでは、専門性を追求した診断力でしみを鑑別するように心がけています。また、巻き爪には痛みの少ないワイヤー治療も行っています。爪に穴を開けてワイヤーを通し、ワイヤーが戻る力を利用して治療していくものです。巻き爪でお困りでしたら、ぜひ一度ご相談いただきたいと思います。

クリニック内で、皮膚病理診断も行えると伺っています。

岡本武院長 北久里浜皮フ科クリニック4

当院では、大学病院レベルの皮膚病理診断をクリニック内で提供することをめざしています。通常、病院では病理診断は病理医が行います。切除された皮膚の一部を標本化して診断するのが病理診断であり、皮膚に出る発疹を実際に見ないと正確な病理診断は難しいです。しかし、残念なことに病理医は皮膚の発疹を見ずに病理診断を行っていることが数多くあります。皮膚病理診断は病理診断と皮膚科の両方の知識と経験が求められるため、大学病院などでは、両方の科の医師が話し合いの場を持つことで診断につなげています。私は何とかして自分自身で両方行いたいと思い、皮膚病理の研究発展を進めている札幌皮膚病理診断科に4~5年ほど通い、その後15年ほど研鑽を積んできました。これまで数多くの皮膚病理診断を行ってきています。今後も専門的な病理診断を提供していきたいと思っています。

積極的なワクチン接種で帯状疱疹の予防も啓発

新しく登場した帯状疱疹のワクチンがあるそうですね。

岡本武院長 北久里浜皮フ科クリニック5

ここ数年で帯状疱疹に罹患する方が増えています。帯状疱疹は早期発見・早期治療が求められますが、重症化を防ぐためにはワクチンの接種をお勧めしています。これまで予防法として生ワクチンが用いられていましたが、2020年より、新たな不活化ワクチンが登場しました。一般的に帯状疱疹後神経痛を起こすのは、高齢者や発疹が広く出た方といわれていますが、若い年齢でも発症後に運動神経麻痺が起きた方も診てきています。この不活化ワクチンは免疫力が弱っている方でも接種可能です。がんや膠原病といった持病をお持ちの方、18歳以上の年齢の方であればぜひ予防の一環として接種いただけたらと思います。

クリニックの今後の展望について伺えますか?

私自身、病理診断を得意とし尽力していますので、皮膚病理診断の重要性をもっと知っていただくとともに、専門性の高い皮膚病理診断を地域に根づかせて広げていきたいです。大学病院レベルの皮膚病理診断を当クリニックで提供できるよう、これからも研鑽を重ねていきたいと思います。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

岡本武院長 北久里浜皮フ科クリニック6

当クリニックでは、お子さんにとって負担の少ない治療にこだわって提供しています。また、お子さんのアトピー性皮膚炎の治療には、「かかなくて済む」ような方法を提示できるよう全力でサポートさせていただきます。これからも親子の目線に寄り添いながら、精密な診断と質の高さにこだわった治療を提供していきますので、些細なことでもお気軽にご相談ください。日頃から、丁寧なコミュニケーションを心がけ診察していますので、どうぞ安心していらしてください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

しみのケア/3000円~、巻き爪治療/5000円~、帯状疱疹のワクチン1回2万1000円

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