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常盤 肇 院長の独自取材記事

常盤矯正歯科医院

(新宿区/新宿三丁目駅)

最終更新日:2024/03/14

常盤肇院長 常盤矯正歯科医院 main

東京・新宿4丁目にある「常盤矯正歯科医院」は、甲州街道と明治通りの交差点の一角に立つビルの5階にある。院内は淡いピンクをアクセントにしたインテリアで、ぬくもりを感じさせる居心地の良い雰囲気。矯正歯科治療のためにたびたび訪れる患者を優しく迎える配慮が感じられる。大学で長く矯正歯科治療の研究と教育指導に携わった経歴を持ち、今も技術をさらに向上させようと努力を続けている常盤肇院長に、メインであるワイヤー矯正や、マウスピース型装置を用いた矯正についてたっぷりと語ってもらった。

(取材日2024年1月30日)

矯正歯科治療のトラブルは「診断なき治療」が要因

先生はマウスピース型装置を用いた矯正の今の在り方に、心配している部分があるそうですね。

常盤肇院長 常盤矯正歯科医院1

はい。誤解があるといけないのですが、マウスピース型装置そのものは、決して悪い装置ではないと思っており、むしろ患者さんにメリットがあると思っています。歯にギラギラしたブラケットをつけなくていいですし、凸凹もなく、外したいときに外せますからね。私自身、大学病院にいた当時からマウスピース型装置の研究に携わり、当院でも2016年から矯正のメニューの一つとして提供しています。ですが、私が知る範囲でも、マウスピース型装置を用いた矯正では、かなりの数のトラブルが起きていると感じます。これに限らずですが矯正歯科治療がうまくいかない原因をひと言で表せば、“診断なき治療”がすごく多いということ。例えば「前歯はきれいに並んだように感じるけど、奥歯が噛み合わなくなってしまった」といったトラブルは、歯並びだけを見て、口腔全体を見ていないから起こり得るもので、スタート時の診断をおろそかにしたことに起因すると思います。

装置の良い悪いが問題ではないのですね?

問題はあくまできちんと診断をしないことです。マウスピース型装置を用いた矯正では、お口の中の型採りをしてメーカーに送っただけで装置ができてしまいます。しかし、奥歯を後ろに動かしたいけれどそのスペースがない場合、それを診断して矯正方針に反映させなければ、思ったとおりの歯列咬合にはならないわけです。これはマウスピース型装置に限った話ではありません。患者さんの望む歯列咬合をつくるという目的は、ワイヤー矯正もマウスピース型装置を用いた矯正も同じ。肝心なのは、患者さん一人ひとりの症例にどの矯正法がマッチしているかを見極めることで、それも含めて診断であると考えています。

先生が考える診断の大切さについて、もう少し詳しく教えてください。

常盤肇院長 常盤矯正歯科医院2

私は矯正歯科治療に携わる一方で、顎関節症や顎変形症など、顎の運動や口腔機能に関わる分野をメインに研究してきました。自分の中にそうしたベースがあるので、一般に矯正歯科治療というと審美的な面がクローズアップされがちですが、私は歯科医学の基本に立脚して、咀嚼や呼吸、嚥下といった機能的な面にも十分配慮しながら矯正歯科治療をするべきであるという信念が強いんです。要は、形をいくら整えても、それが機能しなければ患者さんのためにならないということ。医療関係者の中で、歯並びについて診断ができるのは歯科医師だけです。矯正歯科治療の方法や、抜歯をするかしないかだけに着目するのはなく、健康的な口腔環境をつくっていくにはどうすればいいのかという視点で診断し、提案するのがわれわれの仕事だと思います。

完全オーダーメイドの装置で高精度な舌側矯正を追求

あらためて、こちらで行っている矯正について教えてください。

常盤肇院長 常盤矯正歯科医院3

当院ではいわゆるワイヤー矯正をメインに、さまざまな選択肢の中から、患者さんのご要望と症例に合った矯正歯科治療を行います。ワイヤー矯正は歯の表側に装置をつける方法と、舌側につける方法の2つに分けられます。今の技術的レベルであれば、両者の適応する症例の範囲に大きな差はなく、ほぼどのような症例でも適応可能です。舌側矯正はブラケットもワイヤーも歯の裏側に装着するため、外からはほとんど見えません。よって、目立つ装置を避けたい方には適しています。目立たない矯正としてはマウスピース型装置も多くのメリットがありますが、ワイヤー矯正に比べると適応範囲がやや狭いので注意が必要です。特に下の大臼歯を手前に動かすことをめざすのはとても難しいです。

舌側矯正は装置が表から見えない分、技術的に難しいのでしょうか?

そうですね。表側と適応範囲に差はないと言いましたけれど、それを実現するには十分な知識と経験の蓄積が必要だと思います。かつては表側矯正と同様にブラケットを歯に直接貼っていくダイレクトボンディング法がよく行われていましたが、既製の装置を使うこの方法では、歯を意図したとおりに動かすことをめざすのがかなり困難です。私は患者さんそれぞれに完全オーダーメイドの装置を用いることで、歯を適切にコントロールするよう努めています。装置の製作は歯科用CTのデータをもとに行います。従来は歯の見えている部分だけに着目していたのに対し、当院のシステムでは見えない歯の根っこが歯槽骨内でどう動くかもシミュレーションした上で装置を作るので、矯正歯科治療後に歯茎が下がってしまうなどのリスクもある程度予測でき、満足度の高い仕上がりをめざす上でとても役立ちます。

マウスピース型装置は歯を大きく動かすことをめざす矯正歯科治療に向いていないのですか?

常盤肇院長 常盤矯正歯科医院4

大きな移動が難しいのは確かです。ただし方法がないわけではありません。例えば、マウスピース型装置では移動させにくい歯は、先にワイヤー矯正を行い、最後にマウスピース型装置を用いるといった方法も可能です。また、マウスピース型装置は大きな移動を必要としない矯正歯科治療に適した矯正法なので、抜歯をしたくない患者さんにそのまま用いてしまい、思った仕上がりと違っていてがっかり、というケースをよく耳にします。どんな装置にも言えることですが、歯並びさえ整えれば良いというものではなく、横顔の鼻先と顎の先端を結んだ「Eライン」に口元が収まるかなど総合的な判断が必要です。そのためには、事前の入念なシミュレーションと適切な診断が必須なのです。

大学で長く培った矯正歯科の技術と経験を地域に還元

ところで、先生はなぜ矯正歯科を専門に選ばれたのですか?

常盤肇院長 常盤矯正歯科医院5

歯科の中のどの診療科にも興味があったんです。歯科医師免許を取った頃、いろんな科の先輩方から「うちに来ないか?」とお声がけいただきましたが、いずれ開業するなら特殊性のある分野がいいだろうと思い、口腔外科と矯正歯科の2つに絞り、最終的に矯正歯科を選びました。卒業後すぐに開業している先生のもとで研鑽を積む道もありましたが、矯正歯科は特殊であるだけでなく、専門性も高いので、初めにしっかり勉強して基礎的な力をつけるため大学に残ることにしたんです。

早くから開業するお考えだったのですね。

初めのうちは開業派でした。私は会社員の家庭で育ったので、歯学部に行かせてもらった恩返しをしたいという気持ちがあったんです。だから早く一人前になるために最短で技術を身につけようと思っていました。ところが、矯正はやればやるほど奥が深く、研究も面白くてすっかり熱中してしまいました。途中から学生に教える立場になって、それも楽しかったものですから、ズルズルと大学に居続けてしまった感じです。2005年に妻が当院を開業し、自分もしばらくしたら合流するつもりでしたが、さらに10年近く予定が延びて、50歳の手前でようやくこの歯科医院に落ち着くことができました。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

常盤肇院長 常盤矯正歯科医院6

今は矯正歯科治療に関する情報がいくらでも手に入り、患者さんにとって役立つ部分がある半面、情報が偏っていたり、科学的根拠がなかったりで、どれを信じていいのかわからないという方もいらっしゃるでしょう。そのような時こそ信頼できる矯正歯科医師に頼ってほしいですね。きちんと検査・分析をして診断し、メリットとデメリットの説明とともに治療方針を提示してくれるか、その先の技術に歯科医師がどれだけ手を加えているか。このあたりに注目してお選びになると良いでしょう。矯正歯科治療には高い費用がかかりますが、見込める成果は決して小さなものではありません。私はこれまで、一人でも多くの患者さんが自信を持って笑えるようにと、診療に取り組んできましたし、その思いは今後も変わりません。矯正歯科治療に興味のある方、一度矯正歯科治療をしたけれど仕上りに満足できないという方は、いつでもご相談ください。お待ちしております。

自由診療費用の目安

自由診療とは

・精密検査/全体矯正:5万5000円、部分矯正:3万3000円
・診断/2万2000円
・ワイヤー矯正/表側矯正:93万5000円~(素材や内容によって異なる。)、舌側矯正:132万円~
・マウスピース型装置を用いた矯正/99万円~
※詳細は医院ホームページをご確認ください

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