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広原 台 院長の独自取材記事

花園医院

(新宿区/新宿御苑前駅)

最終更新日:2021/10/12

広原台院長 花園医院 main

新宿1丁目にある「花園医院」を訪れる患者層は、実に多彩だ。勤務の合間受診するサラリーマンやOL、この土地に住んでいる子どもからお年寄り、繁華街で働く男性や女性。優しい声と物腰柔らかな態度が印象的な広原台院長は、同院を訪れるすべての患者の「かかりつけ医」であるために、日々新たな知識の習得に励む勉強熱心な先生だ。内分泌・代謝内科専門医として大学病院でさまざまな患者を診てきた経験を生かし、プライマリーケア・総合診療から、エイジングケア・サプリメント相談まで幅広く受け付ける。「医食同源」の考えのもと、病気を未然に防ぐためのアドバイスにも力を注ぐ広原先生に話を聞いた。

(取材日2015年10月8日)

ジェネラリストとして、あらゆる症状を診る

2009年に院長に就任されるまでの経緯からお聞かせください。

広原台院長 花園医院1

東京慈恵会医科大学を卒業後、東京女子医科大学病院で内分泌・代謝の専門医資格を取得し、同院の総合診療科で医局長・外来医長を務めた後に当院の院長になりました。開業を考えたのは、臨床の方が自分には向いていると思ったからです。大学病院で研究や教育に携わりたいという意思より、やはり直接患者さんと接する「かかりつけ医」、「家庭医」のような存在になりたいという思いが強くなったのです。ここの院長になった理由は、この医院で古くから診療をされていた前院長が後継者を探されており、縁あって私にお声がかかったからです。この街のクリニックであればこれまでの経験を生かしつつ、地域のかかりつけ医として理想とする診療ができるのではないかと思い、2009年の4月から院長を務めております。

幅広い診療科目に対応していらっしゃいますね。

東京女子医科大学病院の内分泌・代謝科は総合内科的な立ち位置で、専門分野の他に一般内科に近い診療もしていたんです。さらに、直属の上司の先生が新たに総合診療科を立ち上げる際にお誘いを受けたため、その後もより広範囲な診療に携わるようになりました。そうした経緯もあって、当院でも専門である内科を中心に幅広い診療科目に対応しています。定期的にお薬の処方や注射を行っている方もいらっしゃいますし、「何科にかかれば良いかわからないから一度診てほしい」という方もいらっしゃいますよ。当院での診察後、専門的な治療や精密検査が必要であると判断すれば大学病院などの高度な医療機関をご紹介していますので、調子が悪いけどはっきりとした原因がわからないという方もいらっしゃいます。

大学病院での経験が、今に生きているわけですね。

広原台院長 花園医院2

総合診療科は病院全体の窓口のような存在で、さまざまな症状の方を診察していました。解決できるものは解決し、症状や疾患によってはその最適な科へ振り分けるという役目です。ちょっとした不調や心配な点があるけれど、「最初から大学病院へ行くのはちょっと……」という方が当院に来られた場合などは、総合診療科での経験が生きていると感じますね。例えば、大学病院時代にあらゆる症状を診てきた経験から、患者さんの訴えをもとにある程度の予測をつけれるのもそこから得た強みだと思っています。予測ができれば、どんな検査をしたらよいのか、あるいはこのまま経過を見ていてよいのか、などということも見極めやすいですし、精密検査が必要と判断した場合は、大学病院などへの紹介もスピーディーに行うことができます。最近の医療は、専門性を高めて診療を細分化する傾向ですが、患者さんの訴えるさまざまな症状を広く診ることも大切だと考えています。

病気にならないために、一人ひとりを思いやる

先生の診療のポリシーを教えてください。

広原台院長 花園医院3

一人ひとりの患者さんに対して、思いやりや心配りをもって診療にあたることです。そのために、まずは患者さんの話に耳を傾けることが大切ですね。言葉をさえぎらず、相手が言いたいことを言える環境づくりを心がけています。また、患者さんが来院した本当の理由も考えるようにしています。例えば風邪なら、状態をご説明し、「お薬を出しておきますね」と伝えることで患者さんも納得して帰られることがほとんど。でも、時々、何となく物言いたげな患者さんもいらっしゃいます。そうした患者さんの多くは、説明しにくい症状に苦しみ、漠然とした不安を抱えています。「伝えていいのか?どう伝えればいいのか?」と悩んで口に出せない方もいらっしゃるので、患者さんの話を聞くこと、更にその内面を伺うことを大切にしていきたいです。そういった思いやりや心配りはスタッフ一同にも持ってもらい、患者さんと対応していきたいですね。

地域柄、患者層も主訴も幅広いのですか。

以前から当院に通院されているお年寄りからお子さんまで、多岐にわたる年代の方がいらっしゃいますね。この近くにお勤めのサラリーマンやOLの方も来院されますし、歌舞伎町や新宿二丁目などの繁華街で働く方も通院されています。風邪や胃腸炎などから、内分泌や糖尿病の専門医として高血圧や糖尿病などの生活習慣病の方も診ています。疲労や飲みすぎの方にはにんにく注射や二日酔い注射なども行っています。軽い風邪症状で大学病院へ行けば待ち時間のほうが長いですし、重症の患者さんや急を要する患者さんの診察に影響しかねません。そういう意味でも、まずは地域のかかりつけ医に行って診てもらうという流れが理想的なのではないでしょうか。患者さんにとって利便性の良いクリニックでありたいと考えています。

なぜ多くの専門資格を持つようになったのですか?

広原台院長 花園医院4

大学病院の2年間の研修中は、色々な科を回って適性を探ります。東京女子医科大学病院は内科の専門分野が幅広い場所でした。兄が外科医だったこともあって、「それなら僕は内科だな」と思い、内科研修を選択したんです。そこから診療の中で「多様な症状を診られること」にやりがいを感じ、次第に「幅広く患者さんを診ることも大事な役目」だと考えるようになってきました。総合診療科という目線で診療をしていると、勉強すべきことが次々に出てきます。それがきっかけで、専門である内分泌・代謝科専門医の資格以外に、総合内科専門医、日本糖尿病学会専門医、日本抗加齢医学会専門医……と資格を取得するようになったわけです。

患者の話を傾聴し、その内面を思いやる

美容関係も力を入れていますよね?

広原台院長 花園医院5

「病気を見つけて治す」医療ではなく「病気にならないようにする」医療をすべきだとする先生方に出会い、その考え方に共感したことがきっかけです。そこからアンチエイジング学会の専門資格やサプリメントアドバイザーの資格を取得しました。「美容」と言うと見た目を良くするものと思われがちですが、私は「健康」という視点で美容を捉えて、点滴療法やサプリメントのアドバイスなどをしています。美容は専門分野ではないのでまだまだ勉強が必要ですが、体全体の健康を促進するための一助として少しずつやっていきたいです。

患者さんとの出会いで日々の診療に生きていることはありますか。

大学病院にいた頃、頭痛を訴える患者さんがいらっしゃいました。ほかの病院で風邪と診断されて薬を処方されたそうですが、症状が改善されないということでした。1ヵ月以上にわたる頭痛に苦しんでいるというので、すぐに検査をすることにしたんです。経験による勘としか言いようがないのですが、それだけ長期間続く頭痛には、何か原因があるかもしれないと思ったんですね。結果的には、CTで脳腫瘍が見つかりました。この患者さんのように、複数の病院を回っても症状の根本的な解決に至らないというケースは少なくありません。なるべく早い段階で適切な検査と処置をして、患者さんに満足のいく診療をするという基本の重要性を再認識しました。長く続けているうちに経験で判断できる部分が増えて行く一方、慣れの恐ろしさを感じるところもあります。自分への戒めとしても非常に役立っている経験です。

今後の展開についてお聞かせください。

広原台院長 花園医院6

今後も今まで通りできることを一生懸命やっていきたいと思います。病気にならないための方法をもっと勉強して、アドバイスをしていきたいですね。特に食事は、「医食同源」と言う言葉もある通り、健康を維持するための重要な役割です。まだ夢のような段階ですが、いずれは病気になった人を治すためのではなく、「病気を防ぐ」ための料理を提供する施設を作れたらいいなと思っています。私の役割は、患者さんに健やかで幸せな人生を送っていただくためのお手伝い。心配ごとは抱え込まずに、気楽に話せるかかりつけ医として当院を訪れてもらえたらうれしいですね。

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