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長谷川 郁夫 院長の独自取材記事

長谷川歯科医院

(新宿区/四谷三丁目駅)

最終更新日:2021/10/12

長谷川郁夫院長 長谷川歯科医院 main

四谷三丁目駅から徒歩約2分のところにある、2019年10月新築リニューアルオープンした「長谷川歯科医院」は、この地で50年以上の歴史を持つ歯科医院。院内は落ち着いた雰囲気となっており、ゆったりとリラックスできる環境で診療を受けられるようになった。大学院時代より歯周病治療の研究に取り組み、現在も大学で兼任講師を務めている長谷川郁夫院長のもとへは、近隣だけでなく遠方からも定期的に訪れる人も多いという。長谷川院長に、クリニックの方針やこれからの展望などさまざまな話をを聞いた。

(取材日2019年12月3日)

理想とするクリニックをめざしてリニューアル

リニューアルを経て、とてもラグジュアリーな空間に生まれ変わりましたね。

長谷川郁夫院長 長谷川歯科医院1

私の代になり3回目のリニューアルで、かなり理想に近くなりました。患者さんに少しでもゆったりと治療を受けてほしくて完全個室のスタイルとし、壁紙などの内装も落ち着きのある色味にしました。一般的な歯科医院のイメージとはずいぶん違うので患者さんの目に物珍しく映るらしく、さまざまな感想をいただきましたが、高級感がある、落ち着く、と良い印象のご感想が多いですね。待合スペースであまり患者さんをお待たせしないような体制としていますので、あえて椅子は2つ。また玄関ドアはインターホンでこちら側から開錠するようにしてありますので、セキュリティー対策もばっちりですし、以前からこだわっていた衛生管理はさらにグレードアップさせました。各個室についている空調は大規模病院の手術室と同ランクのものを備えています。

この歯科医院を継承されるまでのいきさつを教えてください。

大学卒業後は大学院へ進学。助手、歯科の診療科長と経験を積みました。現在も大学の兼任講師を務め年に数回は講義を行っています。この歯科医院自体は50年以上の歴史があり、私は5代目です。1・2代目は新潟で開院。私の祖父の3代目が1945年にここに移転。4代目の私の父から、私が引き継ぐ時に一度リニューアルオープンしました。私は生まれも育ちもこの四谷三丁目。昔はこの辺りは花街で芸者さんの置家もあり、私がランドセルを背負っていた頃は三味線の響きが聞こえてきたものです。先日は近所の昔からあるお店の女将さんから、いまだに祖父のことを評価してくださる話を伺い自分を鼓舞したばかりです。

衛生管理には特に力を入れておられます。

長谷川郁夫院長 長谷川歯科医院2

お口の中の治療に関することはとてもプライベートなもので、ほかの患者さんに聞かれたくないことは多いと思いますし、無防備な姿を見られるのが嫌いな方もいらっしゃると思いますので、治療は完全個室で行っています。そして当院の特徴でもあるクリーンな院内環境については、空調のほかにも院内の消毒や滅菌など、これでもかというほどに徹底しています。自分が触れないようなものは患者さんにも触ってほしくないので、機械器具の滅菌はもちろん、歯を削る機械も患者さんごとに滅菌処理していますし、歯の削りかすや金属片など目に見えない粉塵も口腔外バキュームを設置して対応するなど、コストも手間も惜しみなくかけています。

コミュニケーションを重視し、患者本位の医療の提供を

各診療室にマイクロスコープなど機器一式が整備されているのですね。

長谷川郁夫院長 長谷川歯科医院3

なるべくひと部屋で完結できるようにしました。マイクロスコープの画像は大きなモニターで患者さんにも確認していただいています。百聞は一見に如かず、という言葉のとおり、実際のお口の中の画像を見ていただければご自分の状況をよく理解していただけますし、治療内容の説明にも説得力が出ます。また、マイクロスコープを使うことでこれまでは歯科医師の勘や経験に頼っていた部分も、きちんと目で見て確認して治療を行えるようになりました。その分、ごまかしがききませんのでプレッシャーもこれまでの比ではありません。私もより一層努力してスキルアップをしていく必要がありますし、治療の結果が詳細にわかりますので、気を引き締めて日々の診療にあたっています。

長年通っている患者さんも多いのですか?

はい。私が大学病院で勤務していた頃から来ている患者さんや、わざわざ北海道から通院される方もおり、本当にありがたいことです。ずっと通ってくださっている方はもう家族のような感じですね。以前勤めていた病院で高齢の女性の入れ歯を作っていて、できあがった当日にご家族から亡くなられたと連絡を受けたことがありました。それでも入れ歯をお持ちしてご遺体に装着させていただき、ご遺族から「表情が安らかになったように見える」と感謝されたことは今でも忘れられません。これからもどんな場合でも患者さんのご要望をかなえるため、頑張っていきたいと思っています。歯科医院と患者さんは本来、一生のお付き合いをしていく関係にあると言っても過言ではないと考えています。定期的に歯科医院に通って、ケアを受ける習慣をぜひつけてほしいと思っています。

日々の診療で心がけていることはありますか?

長谷川郁夫院長 長谷川歯科医院4

患者さんから信頼を得るため、何をすべきか常に考えています。例えば内科なら、風邪をひき薬を処方されて治ると、何という薬を飲んだのかも忘れてしまうでしょう。でも、歯科はすべての治療の跡が目に見えます。またお医者さんに行くと「注射してもらった」「点滴してもらった」と言いますが、歯科だと「歯を抜かれた」「削られた」と、どうしても受け身的な言葉を聞く機会が多いと感じます。私たちは、患者さんに納得した上で治療を受けていただきたいので、エックス線写真や口の中の状態を画像で確認しながら丁寧に説明します。さらにコミュニケーションを深め、ご要望に対応できるメニューをたくさんそろえていくことも心がけています。また、勉強会や海外の学会に積極的に参加して、自分のスキルを高める技術を習得し、たとえこちらで対応できないご要望があっても、すぐに他の医療機関を紹介できるネットワークも整えるように努めています。

歯科診療を通して健康寿命の延伸に貢献したい

歯周病の研究を長年されていますが、どのような内容ですか?

長谷川郁夫院長 長谷川歯科医院5

私の研究は、歯周病による組織破壊とその再生メカニズムがメインテーマです。組織が破壊するメカニズムを細かく分析し、それを逆に利用して再生につなげていくという研究で、いわゆる再生医療の基礎的なものです。その歯周病研究で、がんが組織を破壊して転移していく過程が、歯周病の進行と似ていることを偶然に発見し、がんの試薬の開発に携わりました。

歯周病の予防法を教えてください。

遺伝子レベルや成長因子からのアプローチなどさまざまな方面からの研究が進められていますが、歯周病を予防するには歯磨きが一番大切だと私は考えています。以前歯周病に精通する恩師が、大切なのはまず歯磨きだということをおっしゃっていました。予防の基本はやはり歯磨き。ただ、やり方を指導されて、すぐ自分の磨き癖を直せる人は少ないんです。だからこそ、歯科医師を定期的に活用してください。たいていの場合、虫歯は穴があけばわかりますが、歯周病は歯がぐらつくまで悪化しないと気がつかないもの。少しでも異変を感じたら早めに相談してください。

これからの展望を教えてください。

長谷川郁夫院長 長谷川歯科医院6

約2ヵ月前に新築リニューアルをしたばかりですが、次は訪問歯科診療にも目を向けて勉強中です。幸い私は大学病院での勤務時代に、入院中患者さんの診療を行う機会があり、ベッドサイドでの診療や、全身疾患をお持ちの方の診療についても豊富な経験がありますので、お役に立てるかと思っています。現在当院の患者さんはとても歯の状態の良い方が多く、ご高齢の方でも、ご自分の本来の歯で暮らしていらっしゃる方が多いので、最新の情報は常にキャッチしながら医科とも連携して、歯周病の方への生活改善指導も行っています。今後も歯科診療を通じて少しでも健康寿命を延ばし、質の高い生活を維持していただけるようお手伝いをしていきたいですね。

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