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森 真義 院長の独自取材記事

桑名もり内科

(桑名市/桑名駅)

最終更新日:2021/10/12

森真義院長 桑名もり内科 main

腎臓内科を専門とする森真義院長が開業した「桑名もり内科」は、一般内科に加えて腎臓疾患や生活習慣病、認知症の治療に力を注ぐクリニックだ。勤務医時代より生活習慣病の治療にも携わる機会があり、多くの経験から食生活の改善や減薬の重要性に着目してきた森院長。同院の診療では、食事指導を重視しながら、患者の病態に応じて薬の内容を精査したり、薬の量を減らしつつも状態の維持・改善をめざして漢方薬を併用したりと工夫を凝らすなど、多角的なアプローチで診療を行っている。「地域に根差し、患者さんの人生に寄り添える医療をめざしていきたいです」と穏やかな口調の中に地域医療に対する熱意を示す森院長に、これまでの歩みや診療のモットーなどをたっぷりと語ってもらった。

(取材日2019年5月30日)

充実の検査・治療体制を整え診療をスタート

クリニックのコンセプトや開業の経緯をお聞かせください。

森真義院長 桑名もり内科1

当院がめざすのは「来ていただいた方に、笑顔でお帰りいただけるクリニック」です。病気にならない人はいませんし、病気になれば不安が募るものです。診療を通してそんな不安を軽くして、安心してお帰りいただけるように努めていきたいと思っています。僕の専門は腎臓内科で、桑名市民病院(現・桑名市総合医療センター)での初期研修を経て、津島市や四日市の総合病院、名古屋大学医学部附属病院、弥富市の海南病院などに勤務しました。勤務医時代は、入院患者さんはもちろん外来でも多くの患者さんを診療してきましたね。当時から外来診療が好きだったこともあって、より診療に注力できる方向に舵を切り、開業に至りました。患者さんのあらゆる悩みと向き合うのが内科の医師の役割と考えていますので、腎臓内科に限らず何でも相談していただければうれしいですね。

貴院ではどのような治療が受けられるのですか?

広く内科を診ていますが、特に力を注いでいるのが、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病や腎臓疾患の治療、そして認知症の予防・改善です。僕は診療において、治療すなわち服薬ではなく、管理栄養士による食事指導や、食事療法による減薬を第一に考えて治療内容を組み立てていくことに力を注いでいます。人の体は食べたものでつくられます。当然、食事が健康に及ぼす影響も小さくありません。特に腎臓は食習慣や薬の影響を受けやすい臓器で、勤務医時代には食事の改善によって腎機能の維持がうまくいった、薬の副作用で腎機能が低下してしまったなどのケースは多く目にしてきましたので、減薬と食事の重要性には長く着目していました。高血圧や脂質異常症、糖尿病などの相談を受けた際には、まず食事指導を行って経過を観察し、薬を処方する場合には漢方薬を併用するなどして、最小限の処方にとどめられるよう配慮しています。

検査についてはいかがでしょうか?

森真義院長 桑名もり内科2

主なものだと、ヘモグロビンA1Cなどを調べる血液検査をはじめ、尿検査や検便に対応しており、基本的にその場で結果をお伝えできる体制です。特にこだわったのが尿検査に関するもので、基本的な項目に加えて1日あたりの塩分摂取量を測定できる機器を導入しました。一口に食事指導といっても、指導されたからといってすぐに慣れ親しんだ“ご家庭の味”は度外視はできないでしょうし、実践するのは簡単ではありません。でも客観的な指標があれば患者さん自身も食事内容を評価しやすくなり、管理栄養士の指導もより精度が増すと思うんです。これらの検査機器は、わかりやすい診療の実現に一役買ってくれると期待しています。他にも、必要に応じてCT搭載車を手配して診療の休憩時間に検査を行えるようにしています。大きな病院にわざわざ出向く必要もなく、普段通っているクリニックで気軽に検査を受けられるメリットは大きいのでは、と思います。

生活改善による健康な体づくりに注力

開院されたばかりですが、現在どのような患者さんが多いですか?

森真義院長 桑名もり内科3

土地柄もあって年齢層は幅広いですし、お悩みの内容もさまざまですね。診療では、一人ひとりのご様子から応対を調整していくようにしています。例えば小さなお子さんの場合、喉を診ようとして口を開けてもらおうとすると怖がって泣いてしまうことがあるんです。もしも泣いてしまったら胸の音を聞いたりおなかを触ったりといった次のステップに移れませんから、診療室に入ってきた様子から所見を診る順番を変えるなど調整するようにしています。またご高齢の方は、耳の遠い方、動作がゆっくりな方、反対に急いでいる方などさまざまですから、その方に合う応対をその場その場で考えながら診療にあたっています。

薬の処方は院内で行っているとお聞きしました。

はい、開業すると決めた際に院内処方にしようと考えました。患者さんごとに僕が自ら薬の相互作用や服用時の注意点を説明しています。診療の延長線上で薬の説明をドクターから直接聞けるのは患者さんにとって安心感があるでしょうし、減薬など薬の処方にこだわるのであれば、必要なことだと思ったんです。それに、診療後に薬局へ足を運ぶ手間を省けますからね。

そもそも、どうして腎臓内科を専門とされたのですか?

森真義院長 桑名もり内科4

実は、当初はがんで亡くなった祖父を思い、外科やがん医療の研究職に進もうと考えていました。転機となったのは、医師になって初めて目にした「患者さんの死」です。その方はがんの合併症によって排尿障害を発症し、腎不全を経て亡くなられて……。患者さんの死から、医師として何ができたのか、これからどんな医療人となっていきたいのか、深く考えをめぐらせましたね。その結果、担い手の少なかった腎臓内科の道に進もうと決めたんです。腎臓は糖尿病や高血圧といった生活習慣病、全身疾患との関連が非常に強い臓器で、結果として“全身を診る”大切さをより深く理解できるようになったと感じています。

培った知見を生かし、患者の笑顔を守る

今後さらに力を入れたい分野などございますか?

森真義院長 桑名もり内科5

現在も取り組んでいる認知症検査や治療、予防の啓発に、より一層努めたいと思っています。近年では、食事や生活習慣の改善が認知症予防につながると期待できるといった研究も発表されています。食事療法や内科診療のノウハウを生かして、認知症患者さんを診ていきたいと思っていますし、予防のための生活習慣指導にも取り組んでいきたいです。また、院内で健康セミナーを開催していこうと考えています。第一回目は糖質制限をテーマに、僕や管理栄養士が日々の生活で役立つ情報などを解説するだけでなく、糖質制限スイーツなどの試食会なども盛り込んで「これならできる」「意外と取り組めそう」と感じてもらえる内容で計画しています。熱中症対策など季節に合わせた題材を取り上げながら、定期的に開催していきたいですね。そして診療とはまた違った形で、皆さんが実践しやすい「健康づくりの楽しみ方」をお知らせできたらと思っています。

健康を守るためにも日々の過ごし方が重要なんですね。

病気になりにくい、健康な体をつくるために見つめなければいけないのは、やはり食事などの生活習慣です。僕自身、勤務医時代は今より10kgほど太っていて、糖質制限を実践して減量した経験があります。“制限”という言葉から、糖質制限は大変そう、おいしくなさそうと感じてしまうかもしれませんが、ちょっとした工夫一つで塩分や糖分を控えつつも、おいしい食事を楽しめると思いましたし、体重が減って格段に体も動かしやすくなり、不養生は良くないと痛感しました。糖質制限の体験談は、実感を込めてお話しできると思います(笑)。食事指導を行う管理栄養士も自分の入院経験や病院勤務での経験から食事の大切さを目の当たりにしたそうで、食事指導にはすごく熱意をもって取り組んでくれています。僕にとっても頼もしい限りですね。

読者へのメッセージをお願いいたします。

森真義院長 桑名もり内科6

「病気を治す」と聞くと、お薬を飲まないといけないと考えてしまうかと思いますが、やっぱり大切なのは食事だと僕は考えています。食生活が改善されれば病気も防ぎやすくなりますし、お薬を使わずとも病状が落ち着いたり、すでに服薬を開始していても量を減らしたりできますからね。管理栄養士と力を合わせ、病気の予防啓発や薬に頼りきりにならない治療を提案していきたいと思っています。もちろん風邪など突発的な不調に見舞われた、インフルエンザなどの予防接種を受けたいなど、その時限りのご相談でも結構です。何かあればまずはご相談に来ていただける、そして笑顔で帰っていただける、そんな診療をめざして励んでいきたいです。

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