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曽我 かおり 院長の独自取材記事

たるさかこどもクリニック

(四日市市/霞ヶ浦駅)

最終更新日:2021/10/12

曽我かおり院長 たるさかこどもクリニック main

四日市鈴鹿環状線沿いに2019年2月に開業した「たるさかこどもクリニック」。南垂坂バス停から徒歩1分、駐車場も広く、小さい子どもを連れて来院するのにも通いやすいクリニックだ。曽我かおり院長は、三重大学医学部付属病院をはじめ、三重県内の総合病院で小児科一筋に研鑽を積んできた。新しい院内には、子どもたちが喜びそうな工夫がさまざま見られる。キッズスペースやエックス線室は、かわいらしい壁紙が貼られ、広いトイレには子ども用の便器があり、小さい子どもでも自分で用を足せるよう配慮も。小児の一般的な疾患はもとより、低身長や夜尿症、起立性調節障害などの病気も対応している。自らも母親である曽我院長から、小児科を志した理由などたっぷりと話を聞いた。

(取材日2019年5月23日)

子どもが好きだから。小児科一筋で診療

先生が小児科の医師をめざされたのは、どのようなきっかけからでしょうか?

曽我かおり院長 たるさかこどもクリニック1

高校の頃は生物学が好きだったので、初めは学問的な興味から医師という仕事を志しました。学生の頃は、臨床で患者さんと向き合っていくのは難しいかもと不安もあったのですが、実際に医師になってみると、患者さんの体の悪い部分や病気について調べ、診断し、治るのを手助けすることができるこの仕事が楽しく、思っていた以上にやりがいを感じています。小児科を選んだのは、子どもが好きということが一番ですね。お子さんの病気は、ご家族にとっても一大事で、皆さん一生懸命に向き合っているのを感じます。医師として、お子さんのために病気を治し、ご家族の皆さんと一緒にお子さんの成長を見守る存在でありたいです。

新しいクリニックですが、開業するにあたってのコンセプトを教えてください。

病院に長く勤めていたのですが、大きな病院ですと今は紹介状も必要ですし、患者さんも敷居が高いというか入りにくさを感じられることがあるようです。ですから、開業するにあたり、皆さんが入りやすいクリニックにしたいと思いました。外観は木の雰囲気を出し、ガラス張りで明るい感じになっています。ソファは、小さいお子さんにも危なくないように丸みがあり、優しい色合いの物を選びました。ハイハイする年齢のお子さんもいらっしゃるので、あえて靴は履き替えていただくようにしています。その他、授乳室と感染症のお子さんのための隔離室も造りました。それぞれの部屋の表示は、お子さんでも読めるように、ひらがなにしています。

こちらのクリニックではどのような検査ができるのでしょうか?

曽我かおり院長 たるさかこどもクリニック2

抗原検査と採血の検査をよく行います。抗原検査は目的のウイルスや細菌がそこにいるかどうかを直接見るものです。また、採血によってウイルス感染なのか細菌感染なのか推定できますし、赤血球や白血球などの数の異常ががわかります。これらの検査は、院内で5分程で結果を出すことができます。レントゲン撮影は、肺炎など胸部に使うことが多いのですが、時にはひどい便秘などにも使いますね。3歳くらいになるとしっかり立って撮れるようになる子が多いですが、小さいお子さんの場合はベッドに寝て撮るようにしています。最近のエックス線は読み取りがとても良くなってきているので、診断に役立っています。それから、低身長、夜尿症、起立性調節障害などの疾患も、以前の病院で診療していたので、当院でも検査できるようにしています。

一般疾患に加え、低身長や夜尿症など幅広く対応

クリニックの治療方針を教えてください。

曽我かおり院長 たるさかこどもクリニック3

風邪症状で来院されるお子さんが多いのですが、ウイルス感染の場合が多いので、そういう時は抗生剤はなるべく処方しないようにしています。もちろん細菌感染の場合は抗生剤を出しますが、必要な時を見極め、使い分けるようにしています。抗生剤をもらうことで安心するというお母さんもいらっしゃるかもしれませんが、血液検査の結果を確認しながら「この風邪はウイルス感染なので抗生剤は必要ないんですよ」としっかり説明し、納得していただける診療をめざしています。病気の治療だけではなく、発育・発達に関する相談も積極的に受けつけ、個人差の範囲のものはお母さん方の「もしかしたらうちの子どもだけ?」という不安を取り除いていけるよう、専門機関に紹介が必要なものは様子を見すぎず紹介していきたいと思っています。

風邪や腹痛などの一般疾患以外に、低身長や夜尿症などにも力をいれていらっしゃるんですね。

開業したばかりなので、当院での低身長や夜尿症の相談はまだ少ないですが、以前の病院ではたびたび相談を受け治療をしていました。ですから、当院でもそれらの検査を行えるようにしています。他の病気で来院された患者さんで、低身長が疑われるようでしたら、お話しし検査をすることもあります。夜尿症は、小学校へ上がってからもおねしょが続く場合はご相談ください。おねしょが続くことで、本人も親御さんもストレスがたまり、自信を失いがちです。生活習慣を見直し薬を服用することで、少しずづ改善していければと思います。低身長も夜尿症も他の病気が隠れていることもあるので、それを見極めるためにも検査は有用だと思います。

起立性調節障害というのは、どのような病気なのでしょうか?

曽我かおり院長 たるさかこどもクリニック4

朝、目が覚めない、布団からなかなか立ち上がれない、起き上がると立ちくらみがする、朝礼で倒れるなどもこの病気の中に含まれ、小学校高学年から高校生くらいまでの思春期の頃によく見られます。この病気の方の中には、心の問題が関係している場合もありますが、そうではなくまったく関係ない場合もあります。こういう症状で来院された場合、まず血液と心電図の検査を行い、他の病気がないかを確認し、その後、寝た状態と立ち上がった状態での血圧や心拍数を調べます。起立性調節障害であった場合、薬を処方しますが、飲んだらすぐに改善するというものではないので、生活習慣の見直しも含め治療を進めていきます。

子どもの病気と保護者の心配に向き合う診療

診療時に、小児科だからこそ先生が心がけていらっしゃることはありますか?

曽我かおり院長 たるさかこどもクリニック5

クリニックへ来ることは、お子さんにとってはあまりうれしいことではないと思うので、泣いてしまう子もいます。でもそれはある程度仕方がないですし、スタッフが言葉がけをしながら見守りますので、気にせず安心して来院してください。特に、人見知りする年齢の頃はそうなので、なるべく診療も手際よくするようにし、お子さんにも保護者の方にも負担がかからないように気をつけています。診療では、お子さんと保護者の方のお話をよく聞き、親身に向き合って診療するように心がけています。それから、お子さんの風邪が看病するお母さんにもうつってしまうことがありますが、その時はお母さんも一緒に診ていますので、気軽にご相談ください。

今後の展望をお聞かせください。

長い間総合病院で勤務してきたことを生かしていきたいと思っています。病院ですと、詳しい検査や入院をしなくてはいけないような重篤な病気のお子さんを診る機会が多いのですが、その経験をもとに、当院のお子さんに対しても、「病院で詳しい検査をしたほうが良いのか、しばらく様子を見ても大丈夫なのか」見極めをしっかり行っていきたいです。診せていただいた上で、必要があるときは、連携病院をご紹介いたします。それから、小児の予防接種は、接種後に熱が出るようなものがあり、お母さん方も心配されますが、そういう注意事項などもなるべくわかりやすく説明しお伝えするようにし、お母さんの不安を減らしていきたいですね。

先生自身もお母さんでいらっしゃいますが、母としてお母さん方にメッセージをお願いします。

曽我かおり院長 たるさかこどもクリニック6

お母さん方とお話ししていて、皆さんとても一生懸命にお子さんと向き合っていらっしゃるなと感じます。ただ、一生懸命になり過ぎて心配し過ぎているお母さんもいらっしゃるので、少し力を抜くことも必要かなと思います。他のお子さんと比べるといろいろ心配になることもあるかと思いますが、発育・発達について気になることがあれば気軽に相談してください。私も母になり、子育ての何が大変かを身をもって感じるようになりました。ですから、お母さんたちの悩みに共感することも多いです。これからも、お子さんたちの成長を一緒に見守っていきたいです。

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