小金井ファミリークリニック

小金井ファミリークリニック

富永 智一院長
新規開院
頼れるドクター掲載中

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判断の核は「本人・家族にとってどちらがいいか」

―実際の診療は、どのように行うのですか?

例えば「膝が痛い」と来院された方なら、現実には何に困っているのか、今日は何を求めて来られたのかを聞かないといけないですね。例えば、「エレベーターのない団地の4階に住んでいて、認知症のお母さんがいる。毎日デイサービスを利用しており、その送り迎えにお母さんを抱えて毎日階段を上り下りしなきゃいけないのがつらい」という事情があり、「もう年だからある程度痛いのは仕方がないけれど、このままはつらいので痛み止めがほしい」という話だと、痛み止めを出しても根本的な解決にはならないので、引越しや他の介護サービスの利用を含めて考える必要があります。「経済的に引越しは難しい」ということなら、それも織り込んだ上で「じゃあどうしようか」と相談していくわけです。そんなふうに、たとえ疾患があっても、その人が地域で長く幸せに生きていくにはどうすればいいか?を一緒に考えていきます。

―家庭医療を行うにあたって一番大事なものは何でしょうか?

ヒューマニティーですね。先輩がよく「博識であれ」と言うんですが、患者さんの困っていることは、得てして医学的なことではないんです。だから、それについて自分が何も知らなければ、ジャッジもアドバイスもできません。例えば、糖尿病で検査数値が悪く、炭水化物を控えて禁煙するのが理想としても、「お正月ってお餅食べちゃうよね」とか「みんながタバコ吸ってると吸いたくなるよね」ということがわからないと、アドバイスなんて絶対できません。そうして共感できる物事を増やすには、まずは経験することですね。だから、研修医には「医学書を読む暇があったら遊びに行け」とよく言っています(笑)。また家庭医療は、患者さんからお話を聞かせてもらわないと始まらないので、話しやすい雰囲気をつくるスキル、お話を引き出すスキルも大切です。医学的な知識や技術は教えられても、この能力をどう育むかは結構難しくて、指導する側の課題の一つです。

―訪問診療も行っているのですね。

赤ちゃんからお年寄りまで、患者さんの一生に寄り添う診療は当院が最も大事にしているところなので、もちろん訪問診療も行っており、緊急時は24時間対応しています。訪問診療は、「疾患の治癒」をめざす病棟での治療と違って、たとえ疾患があっても、いかに幸せに自宅で過ごせるかをサポートするためのものと考えています。その中には、当然看取りも入ってきます。100歳の方の心臓が止まる時、それを「心不全」という病気だと考えて入院させるのか、老衰と考えて自宅で看取るのかは、本来、ご本人やご家族の思いによって決めるべきものです。医師にゆだねられたとしても、医学者であろうとしてデータで判断するのではなく、これまでの経緯やご家族の歴史、思いをできる限りくんだ上で、「本人にとってどちらがよいのか」から判断できることが、訪問診療では特に大切だと思っています。



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