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鎌仲 正人 院長の独自取材記事

かまなか内科・呼吸器内科クリニック

(久喜市/久喜駅)

最終更新日:2019/11/07

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JR久喜駅にほど近い閑静な住宅街の一角にある「かまなか内科・呼吸器内科クリニック」を訪ねた。開業から1年が過ぎ、近隣住民のかかりつけクリニックとして定着し始めた一方、長引く咳に悩む患者がインターネットで調べて遠方から来院するケースも増えているという。院長の鎌仲正人先生が専門とする、呼吸器科に関連する睡眠時無呼吸症候群の治療や禁煙相談など、専門性を生かして幅広い診療を手がける鎌仲院長に、咳の治療の進め方や患者と向き合う上で心がけていること、さらにはアメリカでアレルギー研究に没頭していた頃のエピソードについてもじっくり語ってもらった。
(取材日2019年10月18日)

かかりつけ医の役割を担いつつ専門的な呼吸器の診療も

開業から1年が過ぎましたが、どういったご相談の患者さんが来院されますか?

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近隣にお住まいで、特に60歳以上のご高齢の方が中心ですが、働き盛りの世代や小児科を卒業した10代の学生さんなどの若い方も含め、内科のかかりつけ医として多くの患者さんに利用していただいています。いわゆる風邪症状や生活習慣病のフォローなど内科全般のご相談でいらっしゃる患者さんに加えて、呼吸器内科を標榜しているので、「咳がなかなか治らずに困っている」、「健診で肺に影が見つかったので詳しく診てほしい」といった方も多く来院されます。中には、ご近所のかかりつけ医を含めて複数の病院を受診しても一向に咳が改善せず、インターネットで探してここにたどり着かれたという方もいらっしゃいます。

ひとくちに「咳」と言ってもさまざまな原因が考えられ、診断が難しそうですね。

咳の出る疾患としては、がんや結核といった重大な疾患や、COPDとも呼ばれる慢性閉塞性肺疾患、マイコプラズマ感染症、百日咳などいろいろあります。検査でそうした疾患の可能性を一つ一つ除外していき、治療に移ります。その際、いつ頃からどんな状態の咳が続いているのか、患者さんから細かく問診して調べますが、中には原因がわかりづらい咳もあって、その場合、意外と喘息であるケースも多いです。当院では喘息の見極めに有用な検査として、呼気中の一酸化窒素濃度を測定するための装置を積極的に使っています。

患者さんと接する上で大切にしていることは?

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患者さんは一人ひとり異なる背景を持っておられますから、できるだけ注意深くお話をお聞きし、患者さんのお気持ちを尊重した診療を心がけています。咳の治療にあたっては飲み薬のほか、吸入による処置が重要で、自宅で患者さんご自身に行っていただくこともあります。ですから、患者さんごとにライフスタイルなども考慮して、自宅での吸入を忘れてしまいがちな方には1日1回で対応できるようにするなど、無理なくスムーズに治療を続けることができるように調整しています。また咳の治療に取り組んでいる最中でも、たばこを手放せないという方も一定数いらっしゃいます。長年吸われていた方にとって、たばこは本数を減らしてやめていくように促してもなかなかやめられない、いわば「麻薬」です。何度も禁煙を試みては挫折してしまう方のために、当院では禁煙相談にも応じていますので、疾患にかかわらずお気軽にご相談いただきたいですね。

研究で培った「地道に、愚直に取り組む姿勢」が財産に

先生が医師を志したきっかけは?

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もともと理系科目が得意でしたし、父が内科の開業医だったことも影響していると思います。父のクリニックが自宅とつながっていましたから、子どもの頃は、エックス線写真の現像を手伝うなどして、医師という職業をごく身近なものとして感じながら育ってきました。また職業を考える上で、どれだけ他者に貢献できるかということが大事だと思っていたので、そういう意味でも、つらい症状に苦しむ患者さんを救う医師という仕事に魅力を感じ、あまり迷うこともなくこの道に進みました。

アメリカの大学で免疫生物学を研究されていた経験もあるそうですね。

エール大学で9年ほど、アレルギーや経口免疫寛容の研究をしていました。経口免疫寛容というのは、アレルゲン物質を口から少量摂取することによってアレルギー症状を抑制していく目的のもので、現在では花粉症治療の舌下免疫療法などとして広く知られています。研究というと一般的に試験管の中に状況を再現して謎を解き明かすイメージがありますが、免疫寛容は生き物を使わないとそのメカニズムがわかりませんから、私の場合は生きたネズミに細胞を注射し、状態を追跡するというようなことをひたすら続けていました。大きな発見につながった研究というのもすべて、元をたどると本当に地味な作業の積み重ねです。研究に携わることで培った「地道に、愚直に、1からミスなく根気強くやっていく」という姿勢は、患者さんと対峙し、見落としが許されない臨床の現場においても生かされているなと感じています。

帰国後に勤務されていた新井病院は、このクリニックからすぐ近くにありますね。

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開業にあたっては、新井病院との連携も念頭にこの場所を選びました。元の勤務先ですから先生方とのコミュニケーションも取りやすく、スムーズな連携が図れています。具体的には当院では対応できないCTやMRI、内視鏡などの検査をお願いしたり、逆に新井病院での治療を経て症状が落ち着いている患者さんが経過観察やフォローで当院を利用されたりするケースもあります。勤務医時代と違い、今は病状が悪くなってしまった患者さんを最後まで診られない歯がゆさを感じることがある一方、患者さんにとって一番近い存在として診療できている実感があります。待ち時間も今のところそれほど長くはないので、一人の患者さんにかけられる時間にも多少ゆとりが持てるようになりました。近くでは他にも新久喜総合病院や済生会栗橋病院などへ緊急で患者さんを受け入れてもらうこともありたいへん心強いです。

一番身近なかかりつけ医でありつつ、広く地域貢献も

睡眠時無呼吸症候群のご相談も多く受けられているそうですね。

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症状の程度はさまざまですが、中には検査で測定する血中酸素濃度が、標準値96%以上のところ40%台まで低下する人など、驚くほど深刻な状態の方もいらっしゃいます。毎晩睡眠中に呼吸が止まって息苦しくなって、ほぼ臨死体験をしているような状態にもかかわらず、本人は眠っていますから気づきません。多くの患者さんは同居するご家族に指摘されたり、日中の眠気のつらさなどをきっかけに半信半疑で受診されます。睡眠時無呼吸症候群というと、肥満傾向の男性がかかりやすいというイメージが根強くありますが、原因としては肥満のほかに喉の異常や骨格なども挙げられ、とりわけ日本人は下顎が小さく睡眠時無呼吸症候群を発症しやすいということがわかってきました。CPAP(持続式陽圧呼吸療法)の装置を使った治療にも対応していますので、まずは気軽にご相談ください。

専門家の立場から、注意すべき咳の見分け方などがあったら教えていただけますか?

単なる風邪の咳なら1週間程度で治まっていくのが普通です。それ以上長引くようなら、別の病気を疑って早めに受診したほうがいいでしょう。また、痰に血が混じっていたり、ちょっとした坂や階段の上り下りで息切れがあったりする場合も、呼吸器の病気が考えられますから早めに専門家に相談すべきです。成人の方なら大部分が職場の健診を受けられていると思いますが、特に肺がんに関していうと、かなり進行してからでないと自覚症状が現れないことも多いのです。肺がんに限ったことではありませんが、何事も早期発見することが第一。いつもと違うなと感じたり、つらい症状があるときは、ためらわずに受診してください。

最後に、今後の展望と、読者に向けてメッセージをお願いします。

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健康全般について気軽に相談できるクリニックとして、今後も地道に患者さんと向き合っていきたいと思っています。5年、10年先を見据えると、この地域もますます高齢化が進んでいくと考えられますから、介護も含めた患者さんのケアも考えなくてはなりません。また、咳でお悩みの患者さんの中には比較的若い患者さんも多くいらっしゃいます。ここを頼ってきてくださるすべての患者さんに寄り添い、一番身近なかかりつけ医として頼られる存在でありたいですね。私はクリニックでの診療のほかに、肺がん健診の読影を手がけたり、看護学校の非常勤講師として呼吸器に関する講義を担当したりしています。クリニックにとどまらず、広い意味で地域に貢献できるドクターをめざして、これからも頑張っていきたいと思います。

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