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深野 雅久 院長の独自取材記事

深野歯科高田馬場診療所

(新宿区/高田馬場駅)

最終更新日:2024/03/15

深野雅久院長 深野歯科高田馬場診療所 main

高田馬場駅から早稲田通り沿いを徒歩約5分、コーヒーショップが入るビルの5階にある「深野歯科高田馬場診療所」。院長の深野雅久先生は、矯正学を専門とし、日々の診療のほか顎関節症の研究にもいそしんでいる。一般歯科を担当していた弟の深野博志先生と長らく二人三脚で診療にあたってきたが、博志先生の逝去に伴い、現在は雅久先生が一般歯科も担当、患者の口内の総合的なケアを行っている。「患者さんの訴えを間違って解釈しないよう、しっかり話を聞くことを心がけています」とやわらかな物腰で語る深野先生。クリニックの診療方針や専門領域である歯列矯正などについて話を聞いた。

(取材日2024年1月29日)

歯科医師の治療方針と患者の希望のすり合わせを大切に

先生が歯科医師をめざされた経緯を教えてください。

深野雅久院長 深野歯科高田馬場診療所1

父が自宅で歯科医院をやっていましたので、小さい頃から患者さんを治療する父の姿を見ながら、ごく自然に歯科医師の道に進みました。当院では一般歯科や小児歯科の診療も行っていますが、私のもともとの専門は矯正歯科。ですから、通常の虫歯治療などだけでなく、噛み合わせの治療や矯正もお任せいただければと思います。一般の歯科医院で噛み合わせの治療を行う場合は、かぶせ物の調整をしたりすることが多いと思いますが、当院では、噛み合わせが悪い場合に歯そのものを動かすことをめざす矯正治療に対応可能です。歯というのは、皆さんの想像以上に動くものなのだとお伝えしたいです。

患者さんを診療する際に、心がけていることはありますか?

患者さんが何を訴えているのか、よく聞くことを心がけています。患者さんが思いを言葉にしても、それを受け取るこちら側の解釈が少しずれていたら双方の話が食い違ってしまいます。私はコミュニケーションに関わる心理学を学んでいましたので、そうしたズレを避けるために詳しく聞き直して、症状を細かく説明してもらうようにしています。患者さんによっては、「いいから早く治療してよ」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、丁寧に聞かないと正確な症状を捉え損ねてしまう可能性がありますからね。

ご専門の歯列矯正で大切なのはどのようなことでしょうか?

深野雅久院長 深野歯科高田馬場診療所2

矯正は、歯科医師の治療方針と患者さんの希望とをすり合わせることが重要です。私たち歯科医師は、通常の形と違うものがあると、どうしても正常な形に戻したいと思ってしまいがちです。でも、ご本人はそれを望んでいない場合もあるんですよね。上顎と下顎の噛み合わせが逆になっている患者さんでも、当のご本人はあまり不便を感じていないケースもあるでしょう。事故などで後天的になったものであれば不便を感じるのでしょうが、生まれてから自然にその状態になったのであれば、何が「正常」な状態なのかわからない場合もあると思います。そうしたケースでは、患者さんのご希望も大切に診療を進める必要があると思っています。

患者一人ひとりに合わせ、根拠に基づいた治療を

EBM(Evidence-Based Medicine)をポリシーとされているそうですね。

深野雅久院長 深野歯科高田馬場診療所3

はい。これは“根拠に基づいた医療”という意味で、治療の選択肢が複数あった場合、新しいデータや論文など、より根拠があるほうを選ぶという考え方です。当院でも、患者さん一人ひとりの臨床や特性などを見ながら、それぞれに合った治療を提供することを心がけています。かつて1985年にスウェーデンのイエテボリ大学で参加した講義が非常に濃い内容で大きな経験になっているのですが、その内容も今にして思えばEBMに裏づけられたものでした。

イエテボリ大学ではどのような講義を受けていたのでしょうか?

例えば歯周病に関する講義もたいへん興味深かったのですが、予防歯科では今流行りのPMTC、つまり専用機械を使った歯面清掃について知り、こんな方法があるのかと衝撃を受けました。昔は予防歯科というとブラッシング指導とフッ素洗口くらいしかありませんでしたが、現在ではPMTCが定着したように思います。PMTCはお子さんでも受けることができますが、小児歯科で大切なのは嫌がっているのを無理に押さえつけて受診させたりしないことです。良いコミュニケーションをとって、歯医者が怖い場所ではないというイメージを与えることが、後々のためにも大事ですね。

先生は以前から、顎関節症についての研究も進められていると伺いました。

深野雅久院長 深野歯科高田馬場診療所4

顎の関節に関してはまだわかっていないことが多く、日本顎関節学会でも統一見解がないのが現状のようです。以前、私の後輩が“筋膜”というものについて研究をしていることを知り、顎関節の問題の多くは関節ではなくて筋膜にあるのかも知れないと思い、強い関心を持ちました。筋膜は筋肉を包んでいるコラーゲン繊維の膜で、例えるなら筋肉がレオタードを身にまとっているようなものです。筋膜が加齢・運動不足によって硬くなると、伸展するはずのレオタードがいつのまにか鎧のように硬くなり、筋肉を動かすことが難しくなっていく。顎を動かす筋肉も筋膜に包まれているのですが、この筋膜が顎関節症に関係しているのではないかと考えています。これは医学というより、むしろある種の整体などの分野で研究されていたことですね。筋膜を上手にコントロールすることによって、顎関節症が改善される可能性があるのではないかと研究中です。

筋膜の研究が進展すると、一般歯科の治療の一助にもなるのでしょうか?

本来は患部ではなかった箇所に痛みが飛び火するような症状を関連痛と呼ぶのですが、これも顎関節症や筋膜と関わっているのではないかと考えられています。例えば痛みを訴えている患者さんの症状を聞くと歯根膜炎で間違いないけれど、細菌に感染している兆候は見られず、感染による歯根膜炎ならば効果が見込めるはずの消炎鎮痛剤の効果が見込めない場合があるんです。そうしたケースは関連痛であることも多く、顎関節症や筋膜の研究が進めば、さらに明らかになることも増えていくのではないかと思います。

歯の治療は、自らの意思を持つことが大切

先生は幼い頃、どんなお子さんだったのしょうか?

深野雅久院長 深野歯科高田馬場診療所5

よく悪さをして、先生に怒られてばかりいるような子どもでした。あれこれ興味を持って、飛び回っていましたね。特に生物が大好きだったので、どこからか虫を捕まえて来ては顕微鏡で調べるなど、とにかく落ち着きのない子どもでした。いま小学校の校医をしているのですが、子どもたちがとてもおとなしく先生の言うことを聞くので、すごいなあと思います。それを見ていると、いかに自分が先生に迷惑をかけたのかがわかりますね。

とても好奇心旺盛なお子さんだったのですね。

良く言えばそうですね(笑)。そんな性格だったので、いまは料理を作るのが趣味なのですが、肉を焼くときも焼き方を何パターンか変えて、味がどう変わるか試してみたりします。根が理科系ということなのか、いまでも実験癖が抜けません。

先生の今後の展望をお聞かせいただけますか?

深野雅久院長 深野歯科高田馬場診療所6

歯科医院としては、学生さんたちも多い街ですし、お子さんや若い方の受診もさらに増えていくといいですね。予防歯科の受診も歓迎していますので、ぜひご相談いただければと思います。個人としては、先ほどお話しした筋膜を専門に研究している後輩と一緒にやっていこうと思っています。筋膜には疼痛を感じる神経繊維もあるので、これが顎関節症の痛みと関係していることがわかれば、今後の治療にも大いに活用できると思います。

読者へのメッセージをお願いします。

患者さんが治療法などに対してご自分のお考えを持つことは、とても大切だと思います。今はインターネットでいろいろと検索ができるので、治療法に対する反対意見なども把握しながら、「こういう反対意見もあるけれど、自分はこう考える」というご意見をぜひ持っていただくと良いでしょう。もちろん、私たち歯科医師は患者さんにとって最適と考える治療法をご提案しますが、「先生にすべてお任せ」「どうしたら良いかわからない」というのではなくて、歯科医師の話をお聞きになった上で「自分はこうしたい」というはっきりとしたお気持ちを持って、治療に臨んでいただければと思います。日本人は“正解を答える”という教育に慣れていますが、歯の治療に正解はありません。選択肢も一つではありません。ですから、自分の歯の治療法を自分で選ぶという積極的な意思が、とても重要ではないかと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

歯列矯正/80万円~、小児矯正/40万円~

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