東京女子医科大学附属 膠原病リウマチ痛風センター

山中 寿 所長

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都営地下鉄大江戸線の若松河田駅から徒歩2分、東京女子医科大学病院へ続く道の途中に「東京女子医科大学附属 膠原病リウマチ痛風センター」はある。リウマチ性疾患に特化した施設としては日本国内ではもちろん、世界でも最大級規模を誇り、1日約450人もの患者が訪れるという。かつては治療のできない難病だった関節リウマチは、新薬の登場で寛解する病になった。その過程には、同センター所長である山中寿先生が生みの親となった大規模な患者調査「IORA」が大きな役割を果たしている。1982年の開設当初から在籍し、アメリカでの研究期間も含め、リウマチ治療一筋に歩んできた先生に、センターのこと、「IORRA」のこと、趣味の読書のことなどじっくり伺った。
(取材日2014年11月4日)

リウマチ性疾患に特化した日本最大のセンター

―こちらは膠原病、関節リウマチ、痛風などリウマチ性疾患に特化した医療施設として長い歴史があります。

1982年にこのセンターが開設された当初は、痛風の専門施設でした。当時痛風は治療法が一般的でなく、多くの患者さんが専門医を探しておられました。そういった状況を、当時の女子医大の理事長吉岡博人先生が理解なさって設立されたのです。それから関節リウマチ、膠原病を診るようになって、今のようにリウマチ性疾患に関しては、日本で一番大きな施設になりました。世界的にも最大級の規模だと思います。現在の関節リウマチの患者さんは約6000人。日本全体の患者さんが60万人ですから、我が国の関節リウマチの患者さんの100人に1人はここで治療していることになりますね。もう30年以上経ちますが、開設当初から在籍しているのは私一人になりました。

―こちらの診療の特色をお教えください。

痛風にしても関節リウマチにしても膠原病にしても、最先端のスタンダードな診療を行っている施設であるということがひとつ。それから東京女子医科大学の附属の施設ですから、女子医大の他の診療科、例えば呼吸器、消化器、心臓、脳などの科と連携し、その意見を幅広く取り入れながら治療できるというところだと思います。割合としては半分が関節リウマチの患者さんです。もちろん、膠原病、痛風の患者さんもたくさんお見えになっていますが。西新宿にあるNSビル分室は、センター発祥の地ということもあって痛風の患者さんが多くなっていますね。

―内科と整形外科が一体となった治療も特徴ですね。

同じ診察室の中で、隣り合わせで診療していますから、何かの時にすぐ「これはどうでしょうか」と診てもらえる。わざわざ他の科で受け付けし直す必要もなく、患者さんにとっては快適な環境だと思います。一般的にリウマチセンターというと、整形外科が主体で内科の先生は一部のみというところが多いのですが、このセンターはそれが逆転していまして、内科が8割、整形外科が2割という形になっています。というのは、昔は関節リウマチには治療法がなく、症状が進んでしまったら整形外科の先生に手術してもらうしかありませんでした。今は違います。内科的な治療、特に薬物治療がその中心になってきました。1999年にリウマトレックス、2003年からは生物学的製剤が治療に使えるようになるなど、ここ20年で新しい抗リウマチ薬が開発され、さらに薬の使い方自体も進歩して、患者さんのトータルマネージメントができるようになってきました。2000年に調査したとき患者さんの寛解率はわずか8%でしたが、今は50%を越えています。内科が中心となってきたのはそのためです。薬物ではどうしても効果がなく、変形が進んでしまった場合に、整形外科で診るわけですが、手術に関しても指用の小さい人工関節ができるなどいろいろと進歩しています。



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