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糖尿病患者の伴走者として
治療の継続が何より大事

覚王山内科・在宅クリニック

(名古屋市千種区/覚王山駅)

最終更新日:2023/08/04

覚王山内科・在宅クリニック 糖尿病患者の伴走者として 治療の継続が何より大事 覚王山内科・在宅クリニック 糖尿病患者の伴走者として 治療の継続が何より大事
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2016年の厚生労働省「国民健康・栄養調査」によれば、糖尿病とその予備軍は合わせて約2000万人と推計され、日本人の6人に1人に見られる一般的な病気である。糖尿病には多くの合併症があり、予備軍のうちに早期に発見し治療したいもの。糖尿病の治療目標は、合併症を予防し、「健常人と変わらない寿命と生活の質を確保すること」である。高齢糖尿病患者で見られる筋力・認知力低下への対策も必要だ。また糖尿病患者が受ける差別や偏見も問題になっており、これらを解消するため糖尿病という名前の変更も検討されている。残念ながら治癒が難しい病気で、治療や観察は長期にわたる。途中で治療中断する人も出てくるが、継続の必要性やそれに対する取り組みについて「覚王山内科・在宅クリニック」の糖尿病を専門とする若見和子医師に聞いた。

(取材日2021年5月28日)

まずは食生活を改善し運動習慣をつけること。その先はさまざまな薬を選択し治療を継続していく

Q糖尿病とはどんな病気ですか?
A
覚王山内科・在宅クリニック 清潔で落ち着いた雰囲気の診察室

▲清潔で落ち着いた雰囲気の診察室

膵臓から出るインスリンというホルモンは、血糖を下げる唯一のホルモンです。このインスリンが出なくなる、あるいは効きが悪くなることで、高血糖になるのが糖尿病。高血糖の状態が続くと血管を傷つけるため、全身の臓器に影響を及ぼします。代表的なのは目や腎臓や神経の障害。失明したり、腎不全で血液透析が必要になったり、神経障害と脚の血流低下で下肢切断に至ることも。脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こすこともあります。糖尿病になっても、通院し良好な血糖を維持すればこのような合併症の抑制につながりますが、治療を中断した場合、気がつけば戻ることのできないレベルまで合併症が進んでいることがあります。継続的な通院が大事です。

Q糖尿病になる原因と症状を教えてください。
A
覚王山内科・在宅クリニック 患者一人ひとりに合わせた診療を行う若見先生

▲患者一人ひとりに合わせた診療を行う若見先生

糖尿病には、インスリンがまったく出なくなってしまう1型糖尿病、遺伝と生活習慣が主な原因の2型糖尿病、その他として膵臓の病気やホルモン異常、妊娠などによる糖尿病があります。この中で一番多いのは2型糖尿病です。インスリンが出にくい体質に加え、生活習慣により内臓脂肪が増加するとインスリンの効きが悪くなり、血糖値が上がります。そのため肥満は大きな要因です。肥満でなくても内臓脂肪が多い場合は糖尿病になり得ます。自覚症状としては、喉が渇く、尿の回数が増える、肥満気味だったのが急激に痩せるなど。初期症状があまりないので、健診の再検査で受診される方が多いです。

Q糖尿病を疑ったらどのように調べるのでしょう?
A
覚王山内科・在宅クリニック 糖尿病に関する検査機器も備えている同院

▲糖尿病に関する検査機器も備えている同院

当院では、基本的には問診、診察、尿検査と血液検査を行います。問診では受診までの経緯、食生活、アルコールや喫煙習慣、運動習慣に関することなど、生活面を細かく聞き取ります。尿検査では尿糖や尿蛋白の有無、血液検査では血糖値、1~2ヵ月の血糖の平均がわかるHbA1cなどを調べます。必要であれば糖負荷試験という検査も行います。糖負荷試験とは空腹時に甘いドリンクを飲んでいただき、その後30分、60分、120分のタイミングで血糖値の上昇具合を評価します。合併症評価のためレントゲンや心電図、心エコー、脈波検査なども行います。これらの検査によって、糖尿病かどうか、その原因、進行度などを評価します。

Q治療はどんなことをするのですか?
A
覚王山内科・在宅クリニック 血糖値の検査では、患者の負担が少ない方法を導入している

▲血糖値の検査では、患者の負担が少ない方法を導入している

病型に応じて選択します。1型糖尿病は、そもそもインスリンが出ないのでインスリン投与を行いますが、2型糖尿病ではまず食事と運動の指導をします。管理栄養士の指導のもとでの食事療法と、週3日1回30分以上の運動療法により薬なしで改善をめざせる場合もあります。改善しない場合は状態に合わせた内服薬の処方、インスリンを出させたり食欲を抑えたりするのに有用なGLP-1やGIP/GLP-1の注射、さらにはインスリン注射と段階的に治療を行います。インスリンの出る量によって治療法を考えます。インスリンを打っている患者さんには自己血糖測定を行っていただきます。24時間の血糖値がグラフで見られる機器も導入しています。

Qこちらの診療の特徴を教えてください。
A
覚王山内科・在宅クリニック 感染症対策もしっかり行っている待合室

▲感染症対策もしっかり行っている待合室

治療の中断を避けるため、当院ではできるだけ患者さんが通院継続できるよう工夫をしています。糖尿病療養について専門的な知識を持つ看護師を中心に、その他の看護師、管理栄養士がチームとなって治療をサポートしています。食事・運動療法の提案をしたり、検査データや合併症の状態を確認し記録したりして、良い時も悪い時も励まし続けます。まるでマラソンの伴走者のように患者さんに寄り添います。さらに近年、薬の改良により糖尿病治療の選択の幅は広がっています。患者さんにとって最適かつ持続可能な治療法を常に考えていきます。また、当院は在宅医療も行っているので高齢で通院困難となっても訪問診療で治療を継続できます。

ドクターからのメッセージ

若見 和子先生

当院では糖尿病患者さんを一人で頑張らせません。患者さんと専門スタッフ、医師で、一人ひとりに合った最善の治療を考えます。健診で糖尿病疑いと言われたがご自分の生活習慣に後ろめたさを感じて受診をためらっている方、新しい治療にチャレンジしてみたい方、薬を減らしたい方、薬価が気になる方など、さまざまな希望や悩みに耳を傾けます。どうぞお気軽にご相談ください。

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