田仲眞理院長の独自取材記事

住吉ミモザ歯科・矯正歯科

(江東区／住吉駅)

最終更新日：2023/11/15

住吉駅から徒歩7分の「住吉ミモザ歯科・矯正歯科」。ミモザカラーの籐椅子が置かれた待合室は自然光に満ちやわらかな雰囲気が漂う。院長の田仲眞理先生に温かく迎えられ、緊張がとける人も多いだろう。一般歯科や予防歯科など幅広い診療にあたりながら、専門としている矯正に関しては日々勉強を重ねている田仲院長。「歯並びを良くすることは人生をより良く生きるきっかけになる」と実感するに至ったのはなぜなのか。同院で受けられる矯正の内容や診療ポリシーと併せて、詳しく話を聞いた。

（取材日2023年10月28日）

社会人経験を経て子ども時代夢だった歯科医師に
専門とする矯正では患者のニーズに繊細に対応
予防歯科にも力を入れて近隣住民の歯の健康を守りたい

社会人経験を経て子ども時代夢だった歯科医師に

歯科医師をめざしたきっかけやご経歴を教えてください。

父方も母方も歯科医師や教員がいたので歯科医師は身近な職業でした。でも何より本と生物学が好きで学力も足りないから埼玉大学理学部に進み、卒業後は教育出版社を経て医学書を扱う出版社に勤務しました。教育系出版社では自分の知識不足を知り、医学出版社では歯科医師にもなりたかったことを思い出し、当時すでに結婚していましたが、夫も応援してくれたこともあって受験に臨みました。一般入試で東京医科歯科大学に合格したときは本当にうれしかったです。勉強は理学部の3倍くらい大変でしたが。さまざまな分野にふれる中、口腔がんなどによる顎顔面の損失を再建することをめざす顎顔面補綴にも惹かれましたが、矯正の研鑽を積もうと決心しました。私自身成人してから矯正治療を受けた経験があることも大きな要因でした。

住吉に開業しようと思われた理由は何だったのでしょうか。

母校の矯正歯科医局を経て、指導医のもとで研鑽を積みながら10年ほど関東地方や東海地方のクリニックで矯正治療に携わる中で、開業を考えるようになりました。お子さんが多い場所を探していて、町工場跡に大きなマンションが建つなどして若いファミリーが増えそうなこのエリアに出合ったんです。私自身、子育て中でもあったので通いやすいのも魅力的でした。院内はベビーカーでも入りやすいようにバリアフリー設計にして、クッション床で知育玩具などで遊べるキッズスペースも完備しました。お子さんのために低被ばく線量の歯科用CTを設置したのもこだわった点です。実際、開業から今に至るまで子ども連れの患者さんが多いですし、妊産婦歯科健診でいらっしゃる方も少なくありません。少子化時代というのが信じられないような状況です。一方で、お子さんだけではなく、近隣に住むさまざまな方々のお悩みに幅広く対応しています。

どのような患者さんがいらっしゃいますか？

歯が生え始めた赤ちゃんからご高齢の方まで、患者さんは多種多様です。矯正に関してはお子さんが多いのですが自分の歯並びも気になっている親御さんも結構いらっしゃいます。親御さんはご自身のことは後回しにしがちなのですが、親だって自分の人生があるのだから、親子そろっての矯正も問題ありません。実際、悪い歯並びのために虫歯や歯周病のリスクが上がっている場合、根本的な問題を置いて枝葉を追いかけても、どうなのでしょう？　成人ならではの難しさや制限はありますが、矯正は大人になってからでもできますし、珍しいこともありません。きれいな歯並びだったのに、親知らずや歯周病で歯列が乱れてしまうこともあります。歯周病で歯並びが乱れ、60代で矯正をスタートするケースもあり得ます。

専門とする矯正では患者のニーズに繊細に対応

こちらで行っている矯正方法について教えてください。

マルチブラケット装置による矯正をメインしながら、口腔内3Dスキャナーを活用したマウスピース型装置を用いた矯正も一部併用しています。お子さんの矯正では開始時期を見誤らず最小限の期間にとどめることで、クリニックへの苦手意識をつくらないことも大事にしています。大人はアンカースクリューという歯科矯正用のミニインプラントを併用することも可能です。歯を引っ張る足がかりにできるため、従来の装置より時間をかけずに精度の高い矯正が期待できます。その他、欠歯に対してブリッジの代わりに部分矯正で対応することもありますが、ブリッジのように歯を削らなくて済むのは患者さんにとってもメリットがあるといえるでしょう。いずれの方法でも歯並びの美しさや機能性の向上をめざしますが、それだけでなく、患者さんの気持ちが前向きになるのを見届けることができたらやりがいにつながります。

どんなことを大切にしながら診療にあたっていますか？

患者さんのお話を丁寧にお聞きして、ご希望を読み違えないことです。お口の中で私が気になる部分と、患者さんが気にしている部分は違うというのはしょっちゅうあります。なんでもお話ししてくれているようでいて、一番の本心は口に出せないというのもよくあることです。患者さんの様子を見ながら、何に困っているのかをうまく引き出すように心がけています。特に矯正はどこまでを目標にするのか、美しさに関する個人の価値観はだいぶ幅があります。あくまでも患者さんのニーズを優先しつつ、歯にとって一番望ましいポイントを探しながら診療しています。

患者さんのライフステージの変化にも対応しないといけないのですね。

そうですね。例えば、ワイヤー矯正をしている最中に「結婚式が決まったのでその時期だけでも装置を外したい」ということもあると思います。ですが、そんな時も、ある程度まで矯正が進んでいたら、途中からマウスピース型装置による矯正に切り替えて対応することもできますので、ご安心ください。

予防歯科にも力を入れて近隣住民の歯の健康を守りたい

今後の展望についてお聞かせください。

専門としている矯正に力を入れながら、地域に根差したクリニックとして近隣の方々の保険診療のニーズにも幅広く応えていきたいです。最近では予防歯科で通ってくださる方も多く、特に困っていない状態のうちに歯石を取りつつ、小さいトラブルは見つけ次第解決を図るなどして大事に至らないようにしています。やはり、歯並びがきれいになれば歯磨きがしやすくなり、磨き残しなども少なくなります。管理しやすい口腔環境をつくるために矯正と予防歯科を両軸にして歯の健康を守り、痛い治療を受けなければいけない患者さんを一人でも減らしたいです。当院が目標としているのは「怖くない、つらくない、泣かなくていいクリニック」なんです。そうなるためにも、常に知識とスキルをブラッシュアップし続けたいと思っています。

お忙しい毎日ですが、休日はどうお過ごしですか？

仕事ばかりで趣味もなく「そんなに働いてばかりじゃ駄目」と友達がハイキングに誘ってくれたので、今度行ってみようかなと思っています。自分が元気でいなければ誰かを元気にすることもできないので、体を動かす習慣をつくっていきたいですね。お休みの日もつい読書などしてインドアで過ごしがちですから。本は小説も含めジャンルを問わずなんでも読みます。小さい頃に母がよく図書館に連れて行ってくれて、本を読む習慣をつくってくれたからでしょうか。美術館にもよく一緒に出かけて、帰りに飲んだクリームソーダも懐かしい思い出です。美術大学を卒業した母は最期まで絵筆を離さなかったのですが、そんな生き方にも憧れています。もっと描かせてあげたかったですけどね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

美しい歯並びは、思い切り笑って、よく噛んで食事をして、健康的に人生を楽しむための重要な要素の一つだと思います。一方、問題のある歯列を放置していては見た目だけではなく機能性にも支障が出て、トラブルも多くなりがちです。ただ、患者さん自身が気づきにくいお口の問題もあるので、何か困ったことが起きる前に気軽に口腔内をチェックする場所として当院を活用していただければと思っています。矯正を強みとしつつ、予防歯科にもますます力を入れていきたいと考えています。どんなお悩みでも構いません。お口で気になることがあれば、お子さん連れはもちろん、ご高齢の方も働き盛り世代も、お気軽にお立ち寄りください。