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首里 京子 院長の独自取材記事

サニーガーデンこどもクリニック

(港区/麻布十番駅)

最終更新日:2021/10/12

首里京子院長 サニーガーデンこどもクリニック main

東京メトロ南北線・都営地下鉄大江戸線麻布十番駅から徒歩で約5分。ビルの3階に位置する「サニーガーデンこどもクリニック」は、2018年に開院後、2021年5月に近隣のビルに移転しリニューアルオープンした。「感染対策も含め、より広いスペースでの診療の必要性を感じ、これまでの約2倍の広さになりました」と、首里京子院長。長年NICU(新生児集中治療室)で経験を重ね、0歳児の医療や発達のフォローを得意とする。3人の子どもの母親でもあり、母親目線を加えた診療やアドバイスで、4人の非常勤医師とともに子どもや保護者を優しく導く。診療時間外に、主にNICUから退院し、自宅療養を続ける地域の子どもたちの訪問診療も行う首里院長に、小児診療の特徴や今後の展望などについて聞いた。

(取材日2021年5月7日)

広さを確保した待合室と診療室で、感染対策を徹底

待合室も診療室も、広々としていて診療の緊張が和らぎそうですね。

首里京子院長 サニーガーデンこどもクリニック1

ありがとうございます。当院は2018年にこの近くに開院したのですが、新型コロナウイルス感染症の流行に際し、感染症対策の重要性を改めて認識しました。来院される患者さんだけでなく、私たちスタッフもより安全に配慮しながら診療できるよう、十分な感染対策がとれる広い空間が必要と考え、近隣で物件を探しこの場所に決めました。広さは以前のクリニックの2倍になり、診察室が2つ、処置室、隔離室それぞれ十分なスペースを確保しました。待合室はソファーを4つ並べ、患者さんひと家族で1つのソファーに座り、密にならないようお待ちいただくようにしています。スタッフの動線も広さを確保し、より連携が取りやすいレイアウトにしました。お子さんたちが過ごす場所ですので、クリニック全体を優しい雰囲気に統一しています。院内のインテリアもロゴマークも明るいイメージで作りました。

隔離室もあるのですね。また、診療は完全予約制なのですか?

発熱症状や感染症の疑いがある場合は、隔離室で診察しています。「隔離室」というとものものしい響きなので、当院では「みどりのへや」とよび、入り口のドアに木のイラストを入れました。中は2家族くらいが入れるスペースで、メインの入り口とは別の動線で入れるようにし、診察室からスムーズに処置室に移動できるようにもしました。当院は、基本はウェブと電話による完全予約制ですが、急患の受け入れも行っています。その際は受付でトリアージを行い、必要な処置を施すようにしています。

どのような患者さんがいらっしゃいますか?

首里京子院長 サニーガーデンこどもクリニック2

周辺のエリアにお住まいの方が多いですね。麻布十番というと都会のイメージがありますが、住宅街で、幼稚園、保育園、小学校に加え、インターナショナルスクールも非常に多く、外国人家族もいらっしゃいます。未就学の子の割合が多く、風邪をひいたり鼻水が出たりで来院されたり、小学生、中学生になるとアレルギーや花粉症などで受診されることも多いですね。共働きのご家庭が多いので、月に2回、土日診療にも対応しています。予防接種や乳幼児健診に来られる方も多く、平日は午前中と午後、週末は午前中に時間を設けて行っています。小さい子は突然体調を崩すことも少なくないので、院長の私以外にアレルギーを専門とする非常勤ドクターが4人おり、時間によっては2診体制で診療するなどしながら、患者さん家族のさまざまなニーズにきめ細かに応えています。

新生児医療に携わった経験を生かし、的確なフォローを

先生は、新生児医療(NICU)に長く携わってこられたそうですね。

首里京子院長 サニーガーデンこどもクリニック3

小児科の中でもさまざまな分野があります。小さく生まれた赤ちゃんは、医師である自分が何か間違った判断をしたり、見逃したらどんどん悪くなってしまうようなはかない存在です。どの科を専門的に学ぼうかと考えたとき、ここから逃げたら医師として成長できないからもっと勉強しよう、しっかり取り組もうという思いから、NICUをえらびました。研修医時代は、赤ちゃんの命をつなぐモニターの音にうなされて眠れない日々を過ごしたこともありましたが、そのときの大変な経験が、今に生かされていると思います。開業前は、小児科の勤務医として診療するのに加え、オーストラリアに渡って周産期医療の研究を行ったり、在宅医療の勉強を行ったりもしてきました。現在も、週に一度、母校である東京女子医科大学NICUの非常勤ドクターとして赤ちゃんたちを診ています。

0、1歳の医療サポートも、とても大切なのではないでしょうか。

そうですね。0歳児は小児で一番体調を崩しやすい時期ともいえます。新生児医療の経験を生かせる領域でもありますので、急性期はもちろんのこと、発達に即した的確なフォローを心がけています。0歳の時期は、首が据わり、お座りができるようになり、立てるようになるなどめざましい発達を遂げ、1歳を過ぎてくると、言葉が出始めたりなど精神的な発達も見られるようになります。この辺から、「言葉が遅い」など、いわゆる発達的に診て「グレーゾーン」の子が出てきますので、そこの見極めが、私の仕事の一つだと思っています。保護者の方にも、「言葉がゆっくりだけど、まずは子どもが言葉をインプットしないとアウトプットできないから、たくさん話しかけてアウトプットできる環境にしていきましょう」などとアドバイスしながら様子をみていきます。療育が必要だと思われる場合は、早めに専門家につなげるようにしています。

お子さんや保護者と関わるときに心がけていることを教えてください

首里京子院長 サニーガーデンこどもクリニック4

3歳くらいになると、こちらからきちんと説明するとちゃんとわかってくれます。「なぜこの検査をするのか」「なぜ痛い注射をしないといけないのか」などを、その子自身にしっかり伝えることを大切にしています。「痛くないよ」など、嘘はつきません。誰がやっても痛いですから(笑)。また、お子さんに対して、「ママはあなたの絶対的なみかただよ」などと親御さんのことをほめたり、親御さんに対して「○○ちゃん、今日はとても頑張りましたね」などとお子さんのことをほめたり、間接的に言葉をかけるようにしています。このような言葉がけで、保護者の方もお子さんも、ほっこりした気持ちになっていただければと思っているんですよ。私自身も3人の子どもの母親なので、母親としての目線も大切にしながら、お子さんだけでなく親御さんもサポートしていきたいですね。

「ここに来て良かった」と思ってもらえるクリニックに

在宅医療も行っているのですね。

首里京子院長 サニーガーデンこどもクリニック5

NICUを退院後、合併症などで自宅療養をされているお子さんや、生まれつきハンディキャップのあるお子さんのお宅に訪問し、医療支援を行っています。定期的に足を運ぶことで、「どうですか?」と、お子さんと親御さん両方の顔色を見ながら、お子さんのケアだけでなく親御さんの精神的な負担を支えてあげることができたら安心かなと思います。現在はなかなか時間が取れませんが、今後は少しずつ、在宅医療を充実させていきたいですね。

3人のお子さんの子育てと仕事の両立はどのようにしていらっしゃいますか?

毎日バタバタですが(笑)、夫が習い事に連れていってくれたりなど助け合ってやっています。息子が少年野球をしていて、試合に連れて行ったりしないといけないのですが、地域の方々が「先生、大変でしょ」と声をかけてくださったりなど、とても助けていただき感謝しています。子どもが1歳の時、心臓の病気にかかり、20回以上入退院を繰り返しましたが、勤めていたクリニックの近くの病院に入院できたので、仕事を続けることができました。この経験で、子どもも私も強くなりましたし、お母さんたちの持つ不安に心底気づくこともできたと思います。

今後の展望をお願いします。

首里京子院長 サニーガーデンこどもクリニック6

医師であることに加え母親目線を忘れず、患者さんたちに「ここに来て良かった」と思ってもらえるようなクリニックであり続けたいと思います。スタッフが働きやすい環境をつくり、先ほど申し上げたように、在宅医療の充実に向けて少しずつ前進していきたいという思いが根底にあります。新型コロナウイルス感染症の影響でこれまでの常識が一転してしまいましたが、時代のニーズに応えられるようなクリニックでありたいです。

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