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坪内 直子 院長の独自取材記事

なおこ胃腸内科クリニック

(鹿児島市/鹿児島中央駅)

最終更新日:2022/09/01

坪内直子院長 なおこ胃腸内科クリニック main

鹿児島市営バス花岡通バス停から徒歩4分。近くを通る城西通りのにぎやかさとは対象的な、静かな住宅街にある「なおこ胃腸内科クリニック」。4階建ての建物の2階に位置し、1階の駐車場からはエレベーターで移動できるバリアフリー設計のクリニックだ。語り口が優しい院長の坪内直子先生は、日本消化器病学会認定消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医である。自身が医療現場で感じてきた懸念点をクリアにしたクリニックで、地域医療に貢献したいとの思いから2018年に開業した。消化器内科を中心に幅広い疾患の相談に応じながら、女性医師による苦痛や不安の少ない内視鏡検査・診療をモットーとする坪内院長に詳しく話を聞いた。

(取材日2022年6月30日)

病気の早期発見のために検診への垣根を低くしたい

最初に、開業までの経緯を教えてください。

坪内直子院長 なおこ胃腸内科クリニック1

大学卒業後は宮崎医科大学第2内科での研修を経て、宮崎県内の病院で消化器内科の医師として勤務していました。8年目に鹿児島にUターンした後は、鹿児島医療センターの消化器内科で内視鏡治療や消化器がんの治療に携わり、鹿児島大学大学院で学位を取得しました。もともと開業の意思はなかったのですが、私が医師になった頃は女性の医師はまだ少なかったので、患者さんから「女性の先生なら検査を受けてみたい」といった声も多く、「女性が診察を受けやすいクリニックが必要なのでは」と思うようになりました。開業を決めてから場所を探し始め、ある時実家への道沿いに、ここの物件が空いているのが目につきました。薬師は地元で、中学、高校と過ごした愛着のある場所。そのため、この地域の方々の健康維持に貢献したいという思いもあり、ここで開業することに決めました。

開業されるにあたり、こだわった点などはありますか?

坪内直子院長 なおこ胃腸内科クリニック2

女性の心に寄り添い、検査に対する抵抗感を少しでも減らすことが目的でしたので、できるだけ快適に過ごしていただけるよう、明るく清潔感があることはもちろん、シンプルな空間を意識しました。女性の皆さんは家事や仕事、育児などで忙しくて、検診を受けに行く時間もなかなか取りにくいという方が多いので、待つ間はゆったり腰掛けて、くつろいで過ごしていただきたいですからね。受付のカウンターや診察室に置いているフラワーアレンジメントを季節ごとに換えたり、壁にリースを飾っているのも、自分が花が好きということもありますが、患者さまにも楽しんでいただけたらと思ってのことです。医療機器は基幹病院レベルの診断ができるよう、精密検査ができる内視鏡システムと、カプセル内視鏡を導入しています。

どのような患者さんがいらっしゃっていますか?

消化器内科診療と風邪などの感染症や高血圧、糖尿病などの一般内科診療を手がけていますので、地域の方々が多いですね。特に大腸内視鏡検査は、男性医師に抵抗がある方もいらしていますから、全体の7割以上が女性となっています。大腸がんは日本人女性がかかるがんの罹患者数第2位で、死亡者数では第1位ですが、大腸がんの多くは最初は良性のポリープです。女性の私が診るということをきっかけに、検査を受けていただければうれしいですね。また、思春期でおなかの不調を訴えられる方も男女問わず多く、最近では、当院にかかられている奥さまに勧められたというような男性の患者さまも増えてきています。より専門性の高い治療が必要な場合は、適した病院を紹介することもできます。

患者の気持ちに寄り添い、安心できる診療の提供を

胃・大腸内視鏡検査に力を入れていらっしゃるのですね。

坪内直子院長 なおこ胃腸内科クリニック3

胃がんや食道がん、大腸ポリープ、大腸がんなどの発見に重要な内視鏡検査ですが、「つらい、苦しい」といったイメージをお持ちの方も多いかと思います。当院では検査を受けられた方に「思っていたより楽だった」と感じていただけるような対応に努めています。具体的には、長年の経験から身につけた「内視鏡を無理せず優しく操作する技術」で、内視鏡検査特有のつらさを軽減し、鎮静剤を使って苦痛の少ない内視鏡検査の提供を心がけています。また、検査を受ける方専用のトイレや、終わった後にゆっくり休んでいただけるリカバリー室を用意して、検査を受けやすい環境を整えています。

大腸内視鏡検査は、いつどんな時に受ければ良いですか?

坪内直子院長 なおこ胃腸内科クリニック4

便秘や下痢、黒っぽい色をした便が出るようになったなど、排便に関するトラブルが出た時や、会社や自治体の健康診断の便潜血検査で陽性を指摘されたら、まずは診察を受けていただきたいですね。中には、「痔かな?」「1回の陽性なら大丈夫」などと、自己判断で放置する方もいらっしゃいますが、採取した便に血液が混じっていた場合、大腸がんや大腸ポリープなどの病気の可能性がありますので一度検査を受けてみてください。おなかの症状には便通トラブル以外にも、痛みや違和感など人によって異なります。近年の大腸がんの増加傾向から考えると、特に便通に異常がなくても、「何かおかしい」という時にはそのきっかけを大切にしてほしいですね。

日々の診療において心がけていることは何ですか?

消化器疾患は、時として命に関わるような病気や緊急手術が必要な病気もあります。そのような患者さまを的確に診断できるように、常に注意して診療しています。また、痛みをはじめ、さまざまなつらい症状に悩まれて来られる方に対しても、そのお気持ちに寄り添い、少しでも楽になっていただけるようにスタッフ一同努めています。当院は私を含めスタッフ全員が女性です。恥ずかしさや抵抗感が出やすい診療や検査も、気兼ねなく安心して受けられるよう、すべて女性スタッフが対応しています。地域のかかりつけ医として、定期的な検査で体の状態を見守り続けられれば、前回の検査結果を考慮した上での診断を、より緻密にできると思っています。常に、「次もまたお願いしたい」と思われるような診療を心がけていきたいですね。

早期発見をめざし、誰もが検査を受けやすくする工夫を

ところで、先生が医師を志した理由をお聞かせください。

坪内直子院長 なおこ胃腸内科クリニック5

ありがちな理由ではありますが、父が医師であったため、幼少期からごく自然に医師をめざす環境に育ったと思います。父は臨床もしていましたが、肝臓病の研究に没頭していましたので、幼い頃は父に会うために大学の研究室に遊びに行ったものです。そこで働く父の姿を見て、子どもながらに、こんな仕事ができるようになったらなと、憧れてもいました。今では同じ内科の医師として、消化器の病気をはじめ、さまざまな話ができますし、開業後も相談することが多いですね。長く続けられるようにと、専門性の高い内視鏡の技術を身につけましたが、自分で検査をし、診断して、場合によっては治療までできるところにやりがいを感じています。実際、20年以上続けてこられたので、この道で良かったと思っています。

今後の展望をお聞かせください。

坪内直子院長 なおこ胃腸内科クリニック6

開業して4年が経過し、地域の皆さまにも少しずつクリニックのことを知っていただけてきたと思います。その間、新型コロナウイルス感染症の流行によって、発熱者専用の外来やワクチン接種など、当初予想しなかったような役割も担わせていただきました。今後は、病気の早期発見・治療のため、さらに消化器内科としての役割も果たせるようにしていきたいと思っています。また、クリニックのメリットは「通いやすさ」にあると思います。受付時間外でも診察や内視鏡検査の予約ができるように、ウェブやSNSからの24時間予約ができるようにしました。これからも「通いやすさ」と、「専門性」を両立するクリニックとして、努力と工夫を重ねていきたいと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

子育てや仕事などで忙しく、健康診断を受けるのが難しい方も多くいらっしゃると思います。「子どもがもう少し大きくなったら」「感染症の流行が収まったら」などと後回しにせず、積極的に定期健診を受けていただきたいですね。調べてみて病気がなければ、ひとまず安心して過ごすことができますし、万が一何かあっても、早めに治療を行うことができます。繰り返しになりますが、女性が気兼ねなく安心して診療が受けられる環境をつくりたいと思い、このクリニックを開業しました。消化器がんは早期に発見できれば完治をめざせる病気です。ご自身やご家族のためにも、定期的な健診・検査を利用してください。日々のかかりつけ医としてもサポートしていきたいと考えていますので、ぜひお気軽に相談にいらしてください。

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