歯の健康を守る
メディカルトリートメントモデルを取り入れた診療
延藤歯科クリニック
(神戸市灘区/六甲道駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
削る、詰める、といった従来の歯科治療ではなく、虫歯や歯周病を予防し、生涯健康な歯で過ごせるよう定期的なメンテナンスを行っていく予防歯科が近年重要視されている。「延藤歯科クリニック」の延藤秀樹院長も、予防歯科に力を入れており、虫歯や歯周病のリスク要因を多角的な検査で突き止め、一人ひとりの患者に合わせた予防プログラムを立案。その後、侵襲を最小限に抑えた治療と定期的なメンテナンスを取り入れ歯の健康を守っている。この一連の流れをMTM(メディカルトリートメントモデル)と呼び、同院では正しい歯磨きや食習慣、口腔ケア習慣なども歯科衛生士が中心となってサポートしている。そこで、歯科衛生士の野並麻里江さん、宮内夏美さん、石田優梨さんにMTMに取り組むメリットなど詳しく聞いた。
(取材日2020年12月14日)
目次
問題となる原因を徹底分析した上で、一人ひとりに合わせたカスタムメイドの予防プログラムを提供
- QMTMとはどのようなものなのでしょうか?
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A
【野並さん】歯科にも医科の観点を取り入れて、治療の前にレントゲン検査や歯周組織検査など詳しい検査を行い、なぜ問題が起こったのかを分析した上で、まずは口腔環境を整えます。従来の歯科医療は、起こってしまった疾患に対しての後処理、つまり「治療」がメインでした。しかし、虫歯や歯周病の原因に目を向けずに、歯科医師がいくら治療しても、虫歯や歯周病は繰り返されるばかりです。MTMとは、歯科衛生士が患者さんと一緒にその「原因」を分析・共有し、お一人お一人に合った予防プログラムを提供します。
- QMTMの流れについて教えてください。
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A
【石田さん】初回は、レントゲン検査、口腔内写真、歯周組織検査を行い、虫歯の箇所、歯茎の状態・汚れの程度等の患者さんの口腔状態を、詳しく説明します。2回目は唾液検査を行い、虫歯菌の数や唾液の力を調べると同時に、歯磨き状況の確認と、食生活の問診を行ってクリーニングへと進みます。3回目以降はクリーニングと同時に、1、2回目で得た検査結果をもとに虫歯・歯周病の成り立ちや、どこに原因があるのか、またどうすれば予防していけるのか、その患者さんに合った予防方法を担当衛生士がお話しさせていただきます。最後は改善した口腔状態を確認していただき、メンテナンスを通して生涯維持していくお手伝いをさせていただきます。
- Qお子さんも受けられますか? どのタイミングがベストですか?
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A
【宮内さん】0歳からでも保護者の方に予防の大切さをお話しさせてもらっています。虫歯菌と呼ばれているミュータンス菌ですが、3歳までにお口の中に定着します。小さいうちからしっかりと虫歯のリスクを調べておくことで、保護者の方もお子さまのリスクを知れますし、仕上げ磨きの仕方や間食の取り方、フッ素についての正しい知識と使い方等、フッ素の重要性についてもお伝えしています。成長するにつれ、飲食も自分の判断でするようになり、虫歯のリスクは一気に上がります。唾液検査やスライドを通して虫歯の原理を視覚的にわかりやすくお子さまに直接お話ししています。子どもの時から虫歯ゼロをめざして予防に通っていただきたいですね。
- QMTMに取り組むメリットについて教えてください。
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A
【野並さん】痛みなどの症状が出てから歯科医院に来ると、歯を削ったり、抜いたり、詰めたりしなければなりません。こういった治療を繰り返すことは、将来的にどんどん自分の歯がなくなるだけでなく、治療はお金もかかります。まずは、自分のお口の中を知ることが大切です。そしてさまざまな検査を通してご自身の口腔内リスクを把握していただき、日頃から歯科医院での定期的なチェックやメンテナンスで虫歯や歯周病を予防していくことで、大切な歯を守ることができ、お金もかかりません。何より生涯自分の歯でおいしく食べることができるということが、最大のメリットではないでしょうか。
- Q日々の生活で気をつけることはありますか?
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A
【宮内さん】昨今はインターネットやSNSなどで「虫歯予防」と検索すれば、ありとあらゆる情報にあふれています。何が正しいのか悩まれる方も多いのではないでしょうか。例えば、虫歯予防に使用されるフッ素ですが、市販の歯磨き粉に含まれるフッ素濃度はさまざまで、年齢に応じたフッ素濃度を選ぶことが大切ですし、また歯磨き粉の量やうがいの回数など、正しく使用しないとその効果は十分ではありません。当院は担当衛生士制です。そういった日々の小さな疑問を何でも担当衛生士に相談していただき、予防の正しい知識と方法を身につけていけるように当院を活用していただきたいですね。
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。