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大澤 俊介 理事長の独自取材記事

MIE眼科四日市

(四日市市/近鉄四日市駅)

最終更新日:2023/12/01

大澤俊介理事長 MIE眼科四日市 main

同院を訪れる患者のほとんどは、他院からの日帰り手術依頼での紹介だという「MIE眼科四日市」は、白内障、網膜硝子体、眼形成に関する日帰り手術に特化したクリニック。2015年の開業から現在までに多くの眼科手術を行っている。同院では先進的な医療機器を数多く導入し、網膜硝子体手術が専門の大澤俊介理事長を筆頭に、それぞれ異なる分野のエキスパートである日本眼科学会認定の眼科専門医3人で手術治療にあたっている。「四日市市から全国へと先端の眼科医療技術を広めていきたい」と意気込みを語る大澤理事長に、いろいろと話を聞いた。

(取材日2019年12月17日)

先進的な眼科医療を四日市から全国へ発信していきたい

まずクリニックのコンセプトからお聞かせください。

大澤俊介理事長 MIE眼科四日市1

クリニック名の「MIE」は「三重」であると同時に「Most Innovative Eyecare(最も革新的な眼科医療)」の頭文字で、先進的な眼科医療の提供をこの三重県四日市市から全国へ発信していきたいという意味を表しています。具体的には、地域の眼科医院などから紹介を受け、白内障や網膜硝子体などの日帰り手術を行う「地域の手術室」のようなコンセプトですね。順序としてはまず患者さんそれぞれがかかりつけの眼科で診察を受け、手術やその前後の必要な検査や診察のときに来院していただいて、その後はもとのクリニックに戻るというシステムです。日帰り手術に特化しているので、全身の状態などにより入院を希望される方や、長期にフォローする必要がある疾病の患者さんには、連携する医療機関をご紹介しています。

そういったコンセプトはいつ頃から考えていたのですか?

開業する5年ぐらい前、おぼろげには10年近く前から考えていました。ただし総合病院でない限り手術の患者さんを紹介してもらうのは難しく、当初は「絶対失敗する」とさえ言われました。そのため準備段階から国内外の研究会に積極的に出席したり、地域の担い手となる若手の先生たちとの勉強会といった活動を重ねることで、基盤となるネットワークをつくることから始めました。クリニックの場所として四日市市を選んだのは、僕らが手がけているような手術を行っている医療施設が、この地域に少ないことが理由の1つです。将来的には全国へとこのシステムを広めていきたいと考えています。クリニックのロゴは三重県の形を表していて、赤青緑は光の三元素でもありますが、赤が僕、青が右京久樹院長、緑が木下慎介副院長を表しています。さらに中央の輪は視力検査に使用するランドルト環から取っていたり、いろいろな意味が込めてあります。

3人の先生はそれぞれ得意分野が違うんですね。

大澤俊介理事長 MIE眼科四日市2

多様な症状で来られる患者さんのニーズに応えるには僕一人では無理がありますから。右京院長は三重大学医学部の医局の後輩で、白内障手術や、当院では行っていませんがレーシックなどの屈折矯正手術が専門です。木下副院長は形成外科出身の眼科医師で、まぶたの手術などを専門としています。僕自身は網膜硝子体分野を専門として、黄斑上膜、黄斑円孔、網膜剥離といった手術を多く行っています。また、僕は手術だけでなく外部での活動も多いので、その間は2人に任せておけるという面もあり、信頼できる先生と出会えたことは非常に重要でした。

先進的な医療機器を導入し、精密な手術を提供していく

医療機器や設備でこだわっているところはありますか?

大澤俊介理事長 MIE眼科四日市3

手術のための設備は大学病院を超えるレベルにしたいと思っていました。自分自身が顕微鏡オタクで(笑)、手術用顕微鏡を作っているメーカーのアドバイザーなどもしていることもあり、自然と増えてしまいました。機器の数は一般的な総合病院よりも多いかもしれませんね。通常は手術する装置と顕微鏡が1台ずつあれば足りますが、顕微鏡が3台、手術装置は4台あります。現在、一番注目している機械は、モニターに出力した顕微鏡の映像を3Dの眼鏡で見て手術する機械ですね。新しい機械を使いその特徴を研究会や地域の勉強会などで発表するのも僕の役目なんです。メーカーとの協力体制で、より良い機械を作っていきたいですね。それは結果的に患者さんのメリットにもなりますから。

連携する医療機関とはどのような体制をとっていますか?

患者さんを紹介していただいたクリニックの先生との連携は非常に重要なので、患者さんの経過はすべて紹介元の先生に報告しています。例えば紹介された患者さんの体調が悪くなってキャンセルされた場合などでも、その経緯をしっかり伝えるようにしています。時には急いで手術してほしいという患者さんをお願いされることもあり、さまざまなシチュエーションにできる限り対応できるようにしています。患者さんとしても、紹介元と紹介先それぞれの先生から同じ説明を受けることで、より納得して治療を受けられるという長所もあります。紹介元との連携に限らず、近隣の大学病院や総合病院ともより良い連携体制が取れるように、大学病院などの若手の先生たちとも定期的に勉強会を開いたりもしています。

クリニックのスタッフとの関係で心がけていることはありますか?

大澤俊介理事長 MIE眼科四日市4

誰か一人の負担が大きくなったりしないように、みんなで協力するように言っています。全員が仕事を分担することで、組織としての能力も向上しますから。ただ働くだけでなく、みんなでスキルアップしていける場所にしたいので、そのための努力を続けることも大事だと思っています。患者さんを幸せにするためには自分たちも幸せでなければいけないので、それを実現させたいですね。当院のようなシステムは前例がないので、大変な面もあると思いますが、スタッフはみんな優秀で頑張ってくれています。僕は大きなビジョンを語るぐらいです。あとはとにかく僕自身が率先して動くことですね。口だけでは誰もついてきてくれませんから(笑)。

多様なニーズに応えられる組織づくりを進めていきたい

お忙しい毎日をお送りだと思いますが、モチベーションを保つ秘訣はありますか?

大澤俊介理事長 MIE眼科四日市5

自分自身のやる気と、家族や同僚、スタッフによる支えでしょうか。「自分はこうしたい。それをみんなが支えてくれている。それなら自分が頑張るしかない」というサイクルが原動力ですね。それに加えて、同じような志を持った多くの先生方との交流を通しても、やる気が湧いてきます。ときにはさぼってもいいんでしょうけど、性格的にさぼるというのが耐えられないんですね。さぼっていては世界を変えることはできないと(笑)。自分としての大きな目標は、医療を超えて世の中をより良くすることなんです。そこまで視野に入れるぐらいの活動をしていかなくちゃいけないと思っています。

クリニックとしての今後の展望をお聞かせください。

紹介体制はだいぶ定着してきましたが、さらに幅広いニーズにお応えできるような組織づくりを進めていきたいです。ただ規模を大きくするのではなく、能力を高めながら、しかも地域の力を落とさないように。このスタイルは全国的にも注目されつつあるので、当院をモデルとするイノベーションがさらに広がっていくといいですね。これから人口が減っていく日本には必要なシステムだとも思います。また、新しい治療は次々に考案されますが、新しければ良いというわけではないので、それが良いものだというエビデンスを得るための勉強も続けていくつもりです。あと現在はここで外来の診療もしていますが、将来的に外来はこの近くの他の場所に移し、ここは手術やそのための検査などに特化した施設にしたいとも考えています。

最後に、読者に向けたメッセージをお願いします。

大澤俊介理事長 MIE眼科四日市6

1つは患者さんに向けたメッセージとして、紹介患者さんの日帰り手術に特化した当院のシステムをご理解いただけるとうれしいですね。直接かかりたいという患者さんもいらっしゃいますが、まずかかりつけ医またはお近くの眼科医師の診察を受け、手術が必要な場合に紹介状をもらって来てくださいとお伝えしています。あとは、治療に関してわからないことは、どんどん質問してほしいですね。自分ではつまらないことだと思っても、それが診断のヒントになることもありますから。もう1つは、患者さんをご紹介していただく医療機関に向けたメッセージとして、当院ではできる限り多様なニーズにお応えしますので、何でも遠慮なく注文をしてほしいと思います。できることをするのは当然として、できないこともできるだけ可能にするように努力いたします。そのためのコミュニケーションも密にしながら、質の高い手術治療を提供していきたいと思っています。

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