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葉梨 喬芳 院長の独自取材記事

葉梨循環器内科クリニック

(海老名市/かしわ台駅)

最終更新日:2024/03/07

葉梨喬芳院長 葉梨循環器内科クリニック main

「葉梨循環器内科クリニック」は、葉梨喬芳(はなし・たかよし)院長が2017年4月に開院。待合室、診療室、処置室で構成される院内はとても広々としており、ホテルライクな洗練された落ち着きのあるデザインに、クリニックであることを忘れてしまいそうなほどの居心地の良さを感じる。葉梨院長は勤務医時代より自ら苦難の道を選び、救急医療のハードな現場や、離島でストイックに経験を積んできたが、そうとは感じさせない朗らかでソフトな物腰のドクター。厳しい環境に身を置いてきたからこそ、謙虚さを忘れず医師と患者の隔たりを感じさせないぬくもりある診療が提供できるのかもしれない。そんな葉梨院長に、診療についてはもちろん、医師をめざしたきっかけから開院に至るまで、たっぷりと話を聞いた。

(取材日2018年1月17日)

自らストイックに経験を積んできた勤務医時代

医師をめざしたきっかけは何ですか?

葉梨喬芳院長 葉梨循環器内科クリニック1

もともと父がこの場所で整形外科のクリニックを開いていましたので、その姿を見て育ったからか自然と医師を志すようになりました。父は、患者さんを最期まで診たいという想いを強くもっており、移転後は院内に入院施設も併設しています。父の「患者さんファースト」という考えは僕の診療に対する姿勢にも大きく影響しています。現在、父のクリニックは近隣に引っ越し、僕の兄が後を継いでいます。また姉も整形外科の医師なので、どうしたらさらに地域医療の発展に貢献していけるかを考えたときに、父や兄、姉と協力しながらも違った役割が担えるようにと、内科を専門に選びました。

内科の中でもどのようにご専門を選ばれましたか?

医学部での勉強は大変で、中でも心臓については最初さっぱりわからなかったんです。先生たちは心電図一枚からその患者さんの容態など心臓以外についても推測していきます。全然別の景色が見えているようで不思議でしたね。また、どんな病気でも心臓というのは治療する上で見過ごせない部分です。研修でどの診療科へ行った際も、心臓については何かあれば専門の先生に相談するという場面をよく目にしました。そこで、当時は決して得意と言える分野ではありませんでしたが、心臓について学びたいと思い、あえて循環器内科を専門に選びました。勤務を始めると、夜中に呼び出されることもしょっちゅうで忙しかったのですが、忙しい中にも、興味を持って学ばせていただきましたね。

その後、どのような経験を積まれましたか?

葉梨喬芳院長 葉梨循環器内科クリニック2

スキルアップのために、年間およそ5000台の救急車を受け入れている高知県の近森病院で勤務しました。そこでは内科全般で診療できなければならず、忙しい中にもたいへん勉強になりました。伊豆大島にある大島医療センターでは、循環器を専門にしている医師が僕一人しかいないという状況で勤務することになりました。島の医師として夜間は外科内科問わず診察したり、重症の患者さんはヘリコプターで本土に搬送したり、こちらでも良い経験をさせてもらいました。その後は地元の拠点病院である海老名総合病院に勤務し、循環器専門で主にカテーテル治療をはじめとする虚血性心疾患を学びました。長く勤務した海老名総合病院で医師としての仕上げをしていただいたように思います。いろんな環境での勤務が僕を成長させてくれました。幸いなことにいつも上司や同僚、スタッフにとても恵まれていて、どの病院でも本当に良い思い出ばかり残っています。

自身の病気について理解し向き合うことの大切さ

開業場所としてこちらを選択した理由はありますか?

葉梨喬芳院長 葉梨循環器内科クリニック3

やはり地域医療に貢献したいという思いがあります。この辺りには循環器専門のクリニックがありませんし、交通機関もあまりない。だからこそこの地域の方のために、この場所で開業することに意味があると思い、こちらで開業することにしました。循環器が僕の専門ではありますが、それ以外のどんな症状でもお困りのことがあれば町のかかりつけ医としていらしていただけたらうれしいですね。当院で完結できる病状であれば責任を持って診療しますし、検査の結果、問題のないようであればそれをお伝えして安心していただくことも僕の役目だと思っています。また、高度な治療が必要であれば他の医療機関をご紹介し、そちらと中継地点としての役割も果たしています。

続いて、こちらのクリニックの特徴を教えてください。

通常の心電図に加えて、24時間計測可能なホルター心電図、心エコー、エックス線撮影装置、血管の詰まり具合や血管年齢を測れるABI検査など、循環器疾患に必要な医療機器はそろえています。また、一分一秒を争う心臓の病気である心不全、狭心症・心筋梗塞のマーカーなどはその日のうちに検査結果をお出しすることができるので、万が一の際も安心してご利用いただけます。それから、院内処方をしているのも特徴です。少しお待たせしてしまうことにはなるのですが、薬局が近くにないことで、患者さんにご足労をかけないようにという思いと、私が一貫して責任をもって患者さんを診て差し上げたいという思いから行っていることですね。

診療する上で心がけていることは何ですか?

葉梨喬芳院長 葉梨循環器内科クリニック4

患者さんにご自身の病気をきちんと伝えて知ってもらうことです。患者さんの抱えている不安の原因、ご自身の病気、そのための検査や治療について明確にご本人に知っていただくことが、診療においてたいへん大切だと思っています。そこで初めて患者さんはご自分の体について納得し、病気と向き合うことができるので、おわかりいただけるまで丁寧に説明しています。特に心臓は理解するのが難しい臓器、しかし病気となると漠然とすごく怖い、というのが特徴としてあります。なので開業してから、丁寧にご説明させていただいた患者さんに「長年疑問に思っていたことがすっきり解けた」という声をいただけるのはとてもうれしいですね。

講習会の開催を通し、診療外でも地域医療に貢献

診療時間外では講習会も行っているそうですね。

葉梨喬芳院長 葉梨循環器内科クリニック5

定期的に心肺蘇生の講習会を行っています。心臓の病気は救急車が到着するのを待っていては遅い場合もありますから、それまでにできる心臓マッサージやAEDの使い方をお教えしています。僕が常にその場にいられるなら良いのですが、患者さんの生活のほとんどは僕の手の届かない場面です。そういったときでも、患者さん自身やご家族、また地域の仲間でできることがあるので、少しでも知ってもらえるのであればぜひお教えしたいという思いがあり、始めました。講習会に参加された方々が、地域での緊急時に助け合えるようになってもらうことが、僕にできる地域医療の一つであると思っており、今後も取り組んでいきたいと思っております。

開業間もなくお忙しい日々だと思いますが、休日はどのように過ごしていますか?

学生の頃はバスケットボール部の主将を務めていて、現在も当時の仲間とバスケを続け、大学の対抗試合にも出場しています。また、週末は近隣小学校のバスケ部のコーチをしています。自分が医師であることは公表していませんが、熱中症やケガをした子どもへの対処に、最近だんだんバレてきているようです(笑)。コーチをしていて気をつけていることの一つに、子どもたちへの物事の伝え方があります。注意したところでなぜ注意されたかわからないのでは子どもを委縮させるだけなので、その方法をすごく考えます。それって診療にも通じるところがあるのでとても勉強になります。もともと僕は人見知りなのですが、子どもたちとの時間を通してそれが変わっていきましたね。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

葉梨喬芳院長 葉梨循環器内科クリニック6

ありがたいことに父の代からの患者さんが今も多くいらしてくださっていて、逆に親切な皆さんに助けていただいています。「先生、疲れてるでしょ」と言ってチョコレートの詰め合わせを持ってきてくださったり、混んでいてお待たせしてしまったにもかかわらず、以前に比べて患者さんの増えたことを一緒に喜んでくださったりと、日々患者さんの温かさに胸がいっぱいです。そんな地域の皆さんの助けとなれるように、そして気軽に頼っていただけるような医師となれるよう、今後も努力を重ねたいと思います。

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