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三澤 真 副院長の独自取材記事

岐南ほんだクリニック

(羽島郡岐南町/手力駅)

最終更新日:2021/03/01

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心と体の両面から総合的な診療を行うことを大切にする「岐南ほんだクリニック」。2017年、歯科、皮膚科も入る医療モールの一角に開院した。2020年、副院長として着任した三澤真先生は、日本精神神経学会精神科専門医で、うつ病や統合失調症、認知症、大人の発達障害など幅広い症状の患者に対応する。科学的な根拠に基づいた治療を行うことはもちろん、「自分を責めないで」と患者のつらい気持ちに寄り添う姿勢を大切にする。一つ違いで昔からの友人のように仲が良い本田浩一院長からは「落ち着いていて頼れる先生」と紹介されるのだそう。「地域に根づき、皆さんに必要とされるクリニックでありたいです」と穏やかにほほ笑む三澤先生に、普段の診療姿勢や患者への思いなどについてさまざま語ってもらった。
(取材日2020年2月12日)

人に寄り添う治療をしたいと精神科の医師に

先生のご経歴についてお聞かせください。

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私は高校卒業後、夜間の工業大学で機械工学や流体工学を勉強し、企業に就職しました。働きがいはあったのですが、大学時代の昼間の仕事場が名古屋大学医学部で、ドクターたちが熱心に研究や臨床に取り組んでいる姿がずっと心に残っていました。最初は単なる憧れだったと思うのですが、「患者さんのために」とおっしゃっていたドクターの言葉が忘れられず、自分も人の助けとなり感謝されるような仕事がしたいという思いが募りました。「挑戦してみたら?」という妻の後押しもあって、30代前半で人生初めてというぐらい一生懸命勉強を始め、36歳で島根大学医学部の3年次に編入、40歳で医師になることができました。勤務していた一宮市内の病院での本田院長とのご縁を得て、2020年9月、副院長に就任しました。

精神科を専門に選ばれたのはなぜですか?

実は当初、精神科に特に興味なかったんですよ。しかし研修で当直を経験したとき、事故や病気のほかに、心を患ってリストカットなど自殺未遂で搬送されてくる患者さんを多く目の当たりにしました。治療を受けて回復はされるのですが、そうした方はその後また来られることがあるんです。それで、体の治療だけをするのではなくてもう少し踏み込んで、その方の心や背景も把握し、寄り添う必要があるのではないかと思うようになり、そんな治療ができるのはどこかと考えて精神科を専門に選びました。

患者はどのような方が来られていますか?

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当院は心療内科・精神科、内科を標榜していますので、高血圧や高脂血症、糖尿病など生活習慣病の方、また、うつ病や適応障害、統合失調症、さらに発達障害や、病院から精査の依頼がある認知症の方などさまざまな患者さんがいらしています。患者さんの紹介で来院される方も多く、ありがたいことだと思っています。年齢は主に10~50代、中でも30~50代の女性が多いでしょうか。コロナ禍により「夫の在宅勤務が増えて以前の生活形態と変わってしまった」「子どもが不登校になった」などのお悩みも目立ちます。以前はストレスの場が「会社」ということが多かったのですが、今は「家庭」になっているケースが増えているように感じます。

患者と伴走するように治療を続ける

先生が診療の際に心がけておられることはどんなことですか?

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患者さんの訴えをしっかり聞くことです。患者さんのおっしゃることをくみ取り、私なりに咀嚼(そしゃく)して、それを患者さんにお話しします。違っていればまた聞いて確認し、少しずつ「ずれ」を修正してしていくのです。特に初診の場合はじっくり時間をかけていますね。深刻なお悩みも多く、中には涙を流される方もいて、こちらが思わずうるっとすることも。やはり「話す」ことは非常に大切だと感じています。結構、患者さんはお話をするだけで、私が特に何も言わなくても「すっきりしました」とにっこりと帰っていかれることもあるんです。医師は患者さんのことを100%理解できるわけではありませんが、それでも寄り添えるところは寄り添いたいと思って診療しています。お話を聞くだけでなく、医師として科学的根拠に基づいた治療や処方を行うことももちろん大事にしています。

こちらでは大人の発達障害も診療されていますね。

はい、発達障害の方は全体の2~3割程度でしょうか。人によって症状が違うという部分が大きいので、正直こちらも悩みながら診療しているところです。来られる方でいちばん多いのは仕事のつまずきや、ミスが続いて何回も叱られるというお悩みです。ご本人自身が発達障害を疑って来られる場合と、同僚、上司に指摘されて来られる場合があります。治療は薬だけでなく、仕事をする環境の整備も重要で、指示の仕方や優先順位のつけ方など会社の方々の協力が必要なこともあります。医師がそこまで入り込むことは難しいのですが、まれに上司の方が一緒に来院されることもありますね。

先生が喜びを感じられるのはどのようなときですか?

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精神的な疾患は治療が長くかかることも多いのですが、そのような中でも患者さんに改善が見られればうれしいですよね。発達障害で会社において困難なことがある方でも、通い続けるうちにご本人の気持ちが楽になる場合もあります。状況はあまり変わっていなくても、ご本人が「仕方ないですね」と受け止められるようになることで、楽になっていくようです。私が患者さんに必ず言うのは、「自分を責めないでくださいね」ということ。自分で自分を責めてしまうことが一番やってはいけないことなんです。私は、どうしていいかわからないときは一緒に考えましょうというスタンスでいます。一方的にアドバイスをするのではなく、患者さんと並んで伴走していく感じですね。

患者の意見を尊重し、気軽に相談できるクリニックに

副院長に就任されてこの5ヵ月を振り返られていかがですか?

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病院時代よりも1日の患者さんの数が多く、忙しくなりましたが、それだけ必要としてくださっているのだと身を引き締めています。本田浩一院長とは一宮市の病院で知り合ったのですが、当時から院長は穏やかに患者さんと向き合っていましたね。副院長にと声をかけてもらったときはうれしかったです。2人で話したのは、患者さんの意思をきちんと尊重していくクリニックにしたいねということ。治療方針でも薬でも、何事も決めるときに、こちらからの一方的な押しつけにならないように、患者さんに「これでよろしいですか」「何か心配なことはありますか」とお聞きするようにしています。

精神科はどのようなときに受診すればいいのか迷います。

精神科というと敷居が高いイメージがあり、「こんなことで行っていいのだろうか」と悩まれる方も多いかもしれませんが、ご本人が「つらいな」と思われたときが受診のタイミングだと思います。「朝起きられない」「何となくもやもやする」といったことも受診していただきたい症状ですね。ほかに、「自分のせいかもしれない」「自分がだめなのかもしれない」と自分を責めるようなことがあれば受診されたほうがいいでしょう。一番大事なのは誰かに話すことだと思います。話すと考えが整理されて、物事が客観視できるようになります。来院されて私たちに話をしてみて、「まだ大丈夫」「もう限界かもしれない」とわかるだけでも違うと思います。

これからの展望についてお聞かせください。

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地域の皆さんに必要とされるクリニック、敷居の高くない、気軽に相談に来ていただけるクリニックでありたいですね。精神科の疾患は、放っておくとどんどんつらくなってしまいますので、早めに来ていただいて、少しでも気持ちを楽にしてほしいというのが願いです。当院には院長と私、精神科専門の医師が2人いますので、情報共有や協力体制ができていることが大きな強み。患者さんの長い人生の中で、生きづらいなと感じることがあれば少しでもそれを減らすお手伝いをさせていただきたいと思っています。患者さんの中には、治療を中断してしまった方や、ご本人も家族も引きこもって孤立してしまう方もおられます。医師が訪問して診療することで社会支援にもつながっていきますので、訪問診療の分野もこれから大事になってくると考えています。

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