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高木 優樹 院長の独自取材記事

糀谷こどもクリニック

(大田区/糀谷駅)

最終更新日:2022/12/28

高木優樹院長 糀谷こどもクリニック main

糀谷駅南口からすぐの場所にある「糀谷こどもクリニック」は、大学病院レベルの診療を身近に提供することをコンセプトに開業した小児科クリニックだ。「人を相手とする仕事がしたい」と医師を志した高木優樹院長の専門は内分泌代謝科領域で、大学病院や基幹病院で診療に携わってきた。日本小児科学会小児科専門医、日本内分泌学会内分泌代謝科専門医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医などの資格を持ち、低身長や肥満、小児糖尿病など慢性的な病気や成長に伴う悩みに直面する子どもと家族に向き合ってきた。「対話を大切に、子どもさんとご家族に寄り添うことを重視しています」と語り、優しい笑顔と穏やかな人柄で多くの患者家族に慕われている高木院長に、成長ホルモンの不足に起因する低身長の検査やクリニックの設備などの詳しい話を聞いた。

(取材日2022年10月5日)

子どもの低身長を地域で治療できるクリニック

「地域のかかりつけの小児科」「子どもの専門的な疾患にも対応」という2つの柱をお持ちだそうですね。

高木優樹院長 糀谷こどもクリニック1

「地域の方が専門的な疾患を気軽に相談できるクリニックをつくりたい」というコンセプトのもと、当クリニックは2017年に開業しました。現在は当初めざしていた、ワクチン接種や定期健診、風邪などの症状に対応する一般的な小児科外来と、低身長や糖尿病、発達のご相談など専門的な疾患に対応する外来の2つの柱が、地域の皆さんに浸透してきているように感じています。例えば低身長に関しては、成長ホルモンで治療可能なものかどうかを判断するために、大学病院などに入院して「成長ホルモン負荷試験」という検査を行います。しかし当院ではその低身長の検査を外来で行うことができますので、患者さんとそのご家族の負担を軽くすることができます。低身長の検査、診断、治療までを一貫して一つのクリニックでできることが当院の強みです。

近隣の方だけではなく、都内全域、神奈川、千葉、埼玉などから足を運ぶ方もおられるとか。

低身長を専門に診てくれる小児科クリニックは少なく、仮に近くの小児科を受診しても多くは総合病院や大学病院に紹介されて診察や検査を受けることになります。やはり大学病院の敷居は高く、かなり程度の強い低身長の方でなければ紹介してもらえないということもあり、その結果、本来であれば治療できたはずの低身長の患者さんが見逃され、治療ができずにいる可能性があります。そういった患者さんやご家族の不安、不満もあってか、遠方であるにもかかわらず、当クリニックに都内全域、神奈川、千葉、埼玉などから「一度話を聞きたい」と訪れる患者さんが多くいらっしゃいます。

診察で心がけている点は何でしょうか?

高木優樹院長 糀谷こどもクリニック2

丁寧に説明することです。検査が必要な理由や、治療の意義、薬の働きなどは、保護者の方もしっかりと理解する必要があります。たとえ軽い風邪であっても、親御さんはとても心配されていることが多いです。どんな原因が考えられ、どういう対応をすべきかなど、納得できる説明をすることが親御さんたちの安心につながると考えています。親御さんはお子さんを案じ、不安を抱えて困っておられる。そういう方のニーズをすくい上げるのも、地域のクリニックの大切な役割だと考えています。

低身長やワクチン接種などに悩む親心に寄り添いながら

お子さんと親御さんの心に寄り添う姿勢が大事なのですね。

高木優樹院長 糀谷こどもクリニック3

スタッフも同じように心がけてくれています。お子さんは熱があったり体調が悪かったりすると不機嫌になりますよね。そうではなくても病院という場所に驚いて泣いたりすることもあります。そういうときは親御さんと協力しながら辛抱強く向き合い、病院嫌いやトラウマにならないようにと心がけています。白衣が怖いお子さんもいるため、私は白衣を着ずに診察をしています。当院では私のほかにも皮膚科とアレルギー、そして発達などに詳しい専門の知識を持った医師の診療日も設けています。また緊急性が高いと判断した場合は、早急に近隣の東邦大学医療センター大森病院や大森赤十字病院などに連絡をし、高次医療を受けられるように対応します。

お子さんのワクチン接種の相談にも対応されていますね。

ワクチンの種類は、ひと昔前に比べてかなり増えました。そのため同時接種が不安な方、スケジュールをどうすべきか悩む方もおられます。そういった時も小児科の医師として不安を払拭できるよう説明を行い、スケジュールなどを相談しながら決めていきます。特にこの数年で「ワクチン接種」自体に皆さんの関心が向くようになり、同時に副反応への不安感、不信感を持つ方も顕在化したように感じます。私たちが懸念するのは、うその情報、間違った情報に振り回され、お子さんが本来接種すべきワクチンを受けられなくなってしまうこと。噂レベルの情報を盲信するのではなく、ワクチンについて不安なこと、聞きたいことはぜひ、私たちに一度相談してほしいと思います。それがお子さんの健康と命を守ることにつながりますから。

クリニックの拡張工事も行われたとか。

高木優樹院長 糀谷こどもクリニック4

予防接種や乳幼児健診、皮膚科、低身長など感染症の可能性が低い患者さんは拡張工事を行った側で診療し、発熱や咳などがあり、感染症の可能性が高い患者さんは今までのエリアで診察を行います。当院のロゴにはピンクとグリーンの優しい色が使われていますが、それぞれの入り口をこのグリーンとピンクで分けたので、お電話でも「グリーンの入り口から入ってくださいね」などとわかりやすく伝えられるようになりました。また、電話やパソコン、タブレットなどで受付できる診療予約システムを導入しており、自宅で待ちながら診察の順番が近くなるとSNSやメールで連絡がいくようになっています。加えて、事前に自宅で問診票を入力できる「ウェブ問診」も導入しており、来院してから問診票を記入する必要がないため、待ち時間をさらに短くできます。

誰でも気軽に通えるファミリークリニックをめざして

内分泌の疾患を理解している親御さんは少ないのでしょうか?

高木優樹院長 糀谷こどもクリニック5

低身長や肥満、小児糖尿病、甲状腺の疾患、思春期が早すぎたり遅すぎたりするケースなど、さまざまな病気や症状を扱うのが内分泌代謝の分野です。いくつかクリニックを回ったけれどなかなか診断がつかなかった方が実は内分泌分野の病気であったというケースも存在します。成長ホルモンの不足による低身長だと診断できれば成長ホルモンの補充療法による治療が行えます。ただ、身長が伸びる時期にも限りがありますので、できるだけ早いうちに治療を開始することが望まれます。また、子どもの肥満は、糖尿病や脂肪肝を合併している病的肥満の場合もあり、全身管理が必要です。そのほか、福島第一原発事故以来注目されている甲状腺の病気も内分泌の領域です。

ほかにどのような検査を行っていますか?

指先から1滴の血液で花粉・食物・動物アレルギーの有無を調べることができる機器も導入しました。アレルギー検査を行う場合、通常は肘から採血を行う必要がありますが、お子さんは注射が苦手ですから、指先のわずかな血液という非常に負担の少ない方法で済むというのは、お子さん本人だけではなく、親御さんの負担も軽減できるので、非常に便利だと感じています。検査結果によっては舌下免疫療法などに進むこともあるため、お子さんのアレルギーが気になる方も気軽に相談できる環境になったと感じています。

今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

高木優樹院長 糀谷こどもクリニック6

専門性が高い医療を身近なクリニックで、という姿勢は変わりません。お子さんの成長や体調に不安がある方は、ぜひ気軽に相談にいらしてほしいと思います。「背が高くなるために頑張ろうね」とお子さん本人に理解を促しながら不安を取り除き、本人の主体性を大切にした治療をこれからも続けていくつもりです。風邪や低身長に限らず、どんな病気でも構いません。疑問や不安なことがあればすぐに相談にいらしてくださいね。

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