つきじ心のクリニック

榊原 聡院長

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国境なき医師団の活動にひかれて医師の道を志したという「つきじ心のクリニック」榊原聡院長。精神科に進み、大学病院などで診療に携わる傍ら、国境なき医師団の中東での活動や、新潟地震、東日本大震災の被災地でも診療経験をもつ。長年、心の病気を診る中で、まだ心療内科や精神科は通いづらい雰囲気があり、「もう少し気軽に受診することができたら早く良くなったのに」と感じることが増え、「精神的・心理的な問題をいつでも気軽に相談でき、本来の仕事や生活に無事に戻れるような手助けをしていきたい」と考えて、同クリニックを開院したという。穏やかな笑顔と親しみやすい人柄も印象的だ。心の専門家として、築地で働く人や住民の心強い味方となるだろう。
(取材日2017年6月6日)

気軽に受診できる精神科・心療内科をめざして開業

―まず開業までの経緯を教えてください。

高校生の頃、「国境なき医師団」の活動を知ったのが医師を志した出発点でした。大学も少し開放的なところに行きたくて、北海道の旭川医科大学に進みました。当初は外科をめざしていたのですが、研修するうちに、患者さんの話を聞くのが得意という適性や、その人のバックグラウンドまでをとらえて、総合的に人を診るというところに魅力を感じて精神科に進みました。卒業後は、北海道大学に入局し研鑽を積み、精神科でも「国境なき医師団」には参加できることを知って応募し、2004年に中東のパレスチナ自治区に派遣されました。帰国直後に新潟地震が起こり、避難所にも行きました。その後、札幌の病院や東京の松沢病院で診療に携わっていました。松沢病院にいた時は、東日本大震災の被災地にも派遣されました。

―こちらで開業されたきっかけは?

病院の精神科にはかなり症状が重い患者さんが多く来られました。重くなる前に気軽に受診できる精神科や心療内科を開業したいと思っていたときに、この場所と出会ったんです。もともと曽祖父が新富町出身で縁があることもあり、開業を決めました。築地は、銀座に近いですが、ずいぶん雰囲気は違いますね。派手な感じはあまりなく、ビジネス街でもあり、昔ながらのお豆腐屋さんなど古い町並みも残っているいいところだと思います。

―開業の際、こだわられた点は? またどのような患者さんが多いのですか。

来院することが苦にならないような雰囲気づくりを心がけました。人の視線が気になるという患者さんも多いので、受付や他の患者さんと目が合わないような構造にしてあります。お呼びする際も、氏名ではなく番号で行うシステムにしています。また、働く人のメンタルヘルスに力を入れていきたいので、昼休みや、仕事が終わってからでも来院しやすい診療時間に設定しました。実際、来院される患者さんは20代から40代で、近隣で仕事をされている方、忙しくて心身に不調をきたしている方が多いですね。時には、晴海や勝どきエリアから来られる方もいます。

―診療をされる上で大切にされていることは?

その人を総合的に診る、全体像をなるべくとらえ、その人に合った最善の方法を考えるということです。同じような症状でも、薬物治療が適する場合もあれば、生活習慣を改善したほうがよい場合もあります。要望やバックグラウンドをよく聞いて、その方にとって最適な方法をご提供することを心がけています。また、心療内科・精神科は「ハードルが高い」「行きにくい」という方が多いようですが、早めに専門家に診てもらうことはとても大切です。治療が遅れて症状が重くなった方を多く診てきましたので、気になる症状や不安なことがあった際には、気軽に相談してほしいですね。

記事更新日:2018/02/06


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