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唐渡 雅行 理事長の独自取材記事

ゲート内科・心療内科

(名古屋市中村区/名古屋駅)

最終更新日:2023/06/07

唐渡雅行理事長 ゲート内科・心療内科 main

名古屋駅直結のJRゲートタワー26階に位置する「ゲート内科・心療内科」は、国際センター駅すぐに位置する本院の「とわたり内科・心療内科」の分院として2017年に開業した。「こころとからだを同時に一人の医師が診る」を信条に、精神症状はもちろん身体症状の診断にも精通した医師が、カウンセラーや看護師などと連携し、心と体の両面から患者をサポート。必要に応じて本院と連携して検査・治療を行うなど、診療内容の充実に力を注ぐという。「コンパクトな体制で、一人ひとりの患者さんをゆっくり大切に診療できるのが当院の強み」と胸を張る唐渡雅行理事長に、診療にかける思いを聞いた。

(取材日2023年5月1日)

心も体も併せて診療し、患者の「つらい」に寄り添う

クリニックの特徴、診療体制を教えてください。

唐渡雅行理事長 ゲート内科・心療内科1

当院は国際センター駅すぐ、名古屋駅からも徒歩5分の場所にある「とわたり内科・心療内科」の分院として、2017年に開業しました。本院と当院いずれも心療内科、精神科、内科を標榜し、心身両面から患者さんのサポートをしております。心療内科では心身症や更年期障害、自律神経失調症など、精神科ではうつ病、パニック障害、成人発達障害など、内科では糖尿病、高血圧症、風邪などの治療を行っています。患者さんは、立地の違いからでしょうか、本院が40代から50代の方が多いのに対して、当院は20代から30代の若い世代の方が中心です。名古屋駅周辺で働いている方が多いですが、県外から来られる方もおられます。2023年現在は常勤医師1人を中心に、非常勤医師、カウンセラー、看護師、事務などが連携し診療にあたっています。

どのような主訴の方が多いのでしょうか?

うつ病や不眠症の相談が多く、特にこの数年は新型コロナウイルス感染症の影響で、外出したりコミュニケーションを取ったりする機会が減ってストレスがたまる、テレワークで生活のめりはりがなくなって眠れなくなったなどと訴える方が目立ちます。加えて多いのが、成人発達障害の検査を希望する方の相談です。ADHD(注意欠陥・多動症)のセルフチェックをしたら可能性が高いと出た、家族や友達に言われて気になっているなどという方が相談にいらっしゃいます。ただ、12歳以前にその特徴が現われて大人になっても持続していなければADHDとは診断されませんし、除外しなければいけないほかの病気もあります。発達障害の病名だけが独り歩きしているような印象を受けることもありますので、じっくりお話をお聞きして対応するようにしています。

内科を標榜されているので、身体的な不調も相談しやすそうですね。

唐渡雅行理事長 ゲート内科・心療内科2

精神疾患と糖尿病や高血圧といった身体的な慢性疾患を合併している人は少なくないですから、内科疾患にももちろん対応しています。また、身体症状を招く背景に、環境の大きな変化や人間関係の不和など、社会的な要素が含まれていることも珍しくありません。心療内科が対応するのは、このような心理社会的要因によって引き起こされるとされている身体症状です。「もしかしたら心に原因があるかもしれないけれど、体もちゃんと診てほしい」といった患者さんにとって、両方を一度に診察してもらえる点は来院のハードルを下げる意味があると感じます。

薬物療法を軸に複数の手法を組み合わせて改善をめざす

診療方針をお聞かせください。

唐渡雅行理事長 ゲート内科・心療内科3

初診の方には、どんなことに一番困っておられるのか、来院の目的をきちんとお聞きします。そして、患者さんのお気持ちに寄り添いながら、治療の方向をどうするか一緒に考えていくスタンスを取っています。お薬については、西洋薬だけに頼るのではなく、必要に応じて漢方薬なども併用します。お薬はなるべく1種類か2種類に抑えて、一番つらい時期を過ぎればだんだん減らすように調節していきます。また薬物療法だけでなく、心理カウンセリングや、考え方の癖に気づくための認知行動療法なども取り入れ、最終的にはご自身のお力で良くなっていただくことが大切だと考えています。

薬物療法とそれ以外の方法を組み合わせるとどんなメリットがあるのですか?

カウンセリングや認知行動療法など非薬物療法を組み合わせることで、再発率低下につながるのではないかと考えています。うつ病などは再発すると症状が悪化しやすく、再発も繰り返しやすくなるため、できるだけリスクを下げておくことが望ましいと言えます。当院ではカウンセリングのほか、必要に応じで本院と連携して、リワークプログラムや集団精神療法などを提供しています。また、コンパクトな診療体制というのもあり、WAIS-IVのような時間を要する知能検査を行う場合は本院に紹介します。診断結果によって本院への転院が必要になる場合もありますが検査結果を含め診察情報は2院間で常時共有していますので、ご安心ください。また、当院で治療可能であれば、継続して受診いただくこともできます。治療を進めるにあたって医師との相性も重要ですから、ご希望を遠慮なくおっしゃっていただければと思います。

リワークプログラムや集団精神療法とはどういったものでしょうか?

唐渡雅行理事長 ゲート内科・心療内科4

うつ病や不安障害などで休職されている方向けのデイケアのリワークプログラムでは、心身の状態に合わせてリラクゼーション、認知行動療法、運動療法などに参加していただきます。初めは午前だけの参加で、調子が良くなったら午後も加えてだんだん日数を増やすような形も取れ、生活リズムを整えて職場復帰をめざします。重要なのは、朝きちんと起きて時間に間に合うように出かけて、人と関わること。リワークプログラムへの参加によって、自宅でお休みするよりもスムーズな社会復帰が期待でき、再休職になる方も少なくなる傾向にあると考えています。発達障害の患者さんと行う集団精神療法では、他者と言葉を交わすセッションを通じて自分の内面を見つめ直していく中で、自己洞察を深め、肩の力を抜いてもらいたいと考えています。なので治療といっても、楽しく和気あいあいとした雰囲気で行うことを大切にしています。

粘り強くサポートし、笑顔を導き出せるよう心を尽くす

心の病は改善に時間がかかるイメージがあります。

唐渡雅行理事長 ゲート内科・心療内科5

確かに、考え方の特性や思考・認知の癖が膠着化した状態、いわゆる「認知のゆがみ」が起きている状態だと、快方に向かうまでに時間を要します。どうにも八方塞がりで、改善の手がかりすら見出すのに苦労するといったケースもあります。脳機能の障害である発達障害は、治療を重ねても機能障害そのものを取り除くといったことはできません。ですが、薬物療法や心理療法などを組み合わせて、根気強く治療していけば現状から好転させることは望めると考えています。どれだけ深刻な状態であっても、医師やカウンセラーはその状態にとらわれすぎず、常に明るく焦らず、患者さんの一助となるアイデアなどを提案していく。そんな診療を粘り強く続け、患者さんが笑顔でお帰りいただけるように心を砕いています。

家族や友人など周りにいる人が気をつけておきたいことなどありますか?

一緒に来院されたご家族から、患者さん本人にどう接したら良いか相談を受けることがありますが、基本的には自然体でいてくださいとお伝えするようにしています。強いて言うなら、生活の中で楽しみとなることを取り入れたり、お互いリラックスできるような関係性を心がけたりすることが大事ですね。ご家族なりに勉強し、病気について理解を深めるのも大切ですが、薬を飲み続けることを心配して「薬漬けになってしまわないか?」「薬なんかなくても良くなるんじゃないか?」と口にしてしまうと、患者さんは板挟みのようになってしまって、最終的には治療から遠ざかってしまいます。その結果、悪化するようなことがあってはもったいないですから、あくまで治療を受けているご本人の意思を尊重していただけたらと思います。当然、漫然と薬を飲み続けるような治療は行いませんので、ご安心ください。

今後の展望をお聞かせください。

唐渡雅行理事長 ゲート内科・心療内科6

精神科・心療内科の診療は継続した経過観察によるフォローアップが欠かせません。現在は一診制を基本に、非常勤医師の勤務日は二診制を取っていますが常時二診制で診療できれば患者さんの選択肢も広がるでしょうから、体制を整えていきたいと考えています。カウンセリングについても、現在は週2日の頻度で行っていますので、もう少し数を増やしていけたら。当院で対応できるアプローチのバリエーションも増やし、より診療を充実できるよう努めていきたいです。

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